
守衛さんに教わったこと|#ちゃんと文芸部(約600字)
こちらの企画に参加します。
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部活がない日は、仲良し三人組で屋上で見回りの守衛さんが来るまで語り合っている。
「アヤは演劇部で頑張ってるのよね。どう?練習はキツイ?」
「まだ入部したばかりだし、未経験だから発声練習が中心だよ。『あめんぼ あかいな アイウエオ』とか」
「何、それ?もう一回言って?」
「スズちゃん知らないの?北原白秋の有名な詩なんだけど…」
そう言ってアヤは「しょうがないなぁ」と立ち上がり、もう一度『あめんぼ あかいな アイウエオ』と誦じた。
「私は知ってる。次は『かきのき くりのき カキクケコ』で、『ささげに すをかけ サシスセソ』と、どんどん続くのよね」
「『お酒に 酢をかけ…』本当?北原白秋じゃなくてユミが作ったんじゃない?」
「ちゃんと白秋だし、お酒じゃない。『ささげに すをかけ サシスセソ』はい、ご一緒に!」
「『ささ…』やだ、言わない。でも、それって何のこと?」
「私もよく知らない。豆らしいけど…」
ちょうどその時、見回りの守衛さんが来た。
「君たち、もう帰りなさい。屋上の鍵閉めるから」
「は〜い」
三人はどこかモヤモヤしながらも、素直に鞄を持って階段の方へ移った。
守衛さんは扉に鍵を掛けながら、後ろから声をかけた。
「さっき、君たちの会話が聞こえちゃったんだけど、『ささげ』ってお赤飯に入っている小豆みたいな豆だよ」
「そうなんだ〜!」
意味がわかり、スッキリした三人だった。
三回使った言葉は
『ささげ』と『守衛さん』でした。
『三人』が二回、『三人組』が一回…