
母七十七歳、喜寿のお祝いに
母さんの喜寿のお祝いをしたんだ。
場所も素敵だった。
料理も最高だった。
でも、それよりもなによりも嬉しかったのは、家族みんなが集まれたことだ。


秋ですね
母さんを囲んで、僕の弟夫婦とその子どもたち、そして僕の家族。
みんな久しぶりに顔を合わせたんだ。
弟と会うのも、たぶん二、三年ぶり。
一緒にお酒を酌み交わすなんて、十年ぶりくらいだったと思う。
その子どもたちとも、久しぶりの再会だった。
母と弟家族は同じ板橋に住んでいて、僕ら家族は国分寺。電車だと乗継ぎ乗継で2時間近くかかる。同じ東京なのに近くて遠い。微妙な距離感。
なかなか会えないんだ。
一番上の甥っ子は、もう立派な社会人になっている。三年ぶりくらいに会っただろうか。すっかり大人びた姿を見て、
「大きくなったなあ」なんて、
親戚のおじさんらしいことを言ってみたり。二番目の甥っ子は大学三年生。体格もよくて、子どもたちの面倒を見るのがとても上手だ。まるで、もうひとりのお父さんみたいだったよ。
そして下の二人は、うちの子どもたちとほとんど同じ歳。久しぶりに会ったのに、子どもってすごいね。あっという間に打ち解けて、ずっと楽しそうに遊んでいた。
その様子を眺めながら、ふと思ったんだ。
今日ここにいるみんなは、母さんがいるから存在しているんだよな、って。
僕も、弟も、その子どもたちも。
みんな母さんから繋がっている。
そう考えると、こうして一緒に食卓を囲んで、母さんの喜寿をお祝いできることが、とてもありがたいことに思えた。
今回の会を準備してくれたのは弟だったんだ。
僕たち家族が来ることを、母さんには内緒にしていた。
(サプライズにしたかったんだって)
当日、僕らが現れたときの母さんの驚いた顔。
そして、そのあとに見せてくれた嬉しそうな顔。
それを見ている僕らも嬉しくなった。
母さんと会うのも、二年ぶりくらいになる。元気そうにしている姿を見て、まずはホッとした。
席に着くと、次から次へと料理が運ばれてくる。
美しい懐石料理。
さらに、豪華な鯛の姿焼きと姿造りまで。
みんなで料理を囲みながら、久しぶりの会話に花を咲かせる。
笑ったり、昔の話をしたり、子どもたちの話をしたり。
なんでもないような時間が、すごく嬉しかった。

器がかわいい

豪華です
食事の途中には、母さんへのプレゼントも。
まずは、うちの娘から花束を渡した。
前の日に一緒に花屋さんへ行って、娘が自分で選んだものだ。
喜寿のお祝いカラーということで、紫色のトルコ桔梗をメインにして、淡い色のガーベラやバラ、ピンクのピペリカム、カスミ草。
とても素敵な花束だった。

花屋のおにいさんとのやりとりが
微笑ましかった
そのあとも、子どもたちからマグカップや箸、ヘアーバンドなど、それぞれのプレゼントが続く。
弟夫婦からは、紫色のコスモスがあしらわれたネックレス。(母さんは秋桜が好きなんだ)
僕たち夫婦からは、紫色のちゃんちゃんこを着た小さなテディベアと、リンツのチョコレート。
チョコレートは、妻がひと粒ひと粒選んだものだ。
そして僕からは、一通の手紙。
前の日に、母さんのことを思いながら書いた。
「長いから、あとでゆっくり読んでね」
そう言って手渡した。
母さんは、とても喜んでくれた。

花火を見てはしゃぐ笑顔の母
食事会が終わると、みんなで弟の家へ向かった。
弟がタクシーまで用意してくれていた。
最後まで、さりげなく、そしてスマートに。
本当に何から何まで準備してくれていた。
子どもたちは楽しそうに遊び、
大人たちは母さんを囲んで話をする。
弟は少し体調が悪くなって(偏頭痛持ち)、途中でベッドへ。
きっと準備することもたくさんあったのだろう。
休む前に、
「本当にいい時間だったね」
と伝えることができた。
だって、本当にいい時間だったんだもの。

なんて至福なひととき
美味しいのは言うまでもない
家に帰ってから、母さんからLINEが届いた。
「手紙ありがとう。
母さん嬉しくって涙が止まらなかったよ」
そして、
「僕と弟は、とってもいい息子たちだよ」
そんなことが書いてあった。
それを読んで、僕も泣いた。
母さん。
喜寿、本当におめでとう。
僕らみんな、母さんがいてくれることが嬉しいです。
こうして家族が集まれることも嬉しい。
これからも、みんなで笑って、
たまにはお酒なんかも酌み交わして、
こういう時間を過ごしていこうね。
母さんが繋いでくれた、この家族で。
素敵な一日を、ありがとう。
ちょっぴり天然?な母のことを書いた過去の記事はこちら
ホッとひと息
小さなコーヒー屋さんやってます