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ティルの声なき語り③ 〜サイドストーリー

    こちらは「追憶のオリジン」第四章のサイドストーリーとなります。
    ※第四章のまとめは以下からどうぞ。
    ※本編マガジンはページ下部からどうぞ。

    第四章 揺れる心の試練

    ←②                

    ③彼女の足跡


    数日後、

    旅立つ彼女の元に、
    多くの人が
    別れの挨拶に訪れた。

    長い列の最後に、
    私が残った。


    黙ったまま立つ私に
    彼女は、あの日の言葉を

    今度は皆の前で、

    はっきりと告げた。


    「ティル!あなたはこの街のリーダーになるわ。」


    「これを、持っていて。」


    それは、彼女がいつもつけていた
    瑠璃石のペンダントだった。


    ヴァリスの人々の視線の中、 まるで戴冠式のように、
    ルリはそのペンダントを私の首にかけた。

    私の体はもう、震えていなかった。
    私は、目に焼き付けるようにルリを見つめた。
    彼女と二人きりだったあの時の口づけを何度も思い出していた。


    *


    ルリが去った街は、
    静かだった。


    けれど私は、ルリが何をしてきたか、
    すべて知っている。


    私はその足跡をたどり、
    同じことを始めた。



    少しずつ、
    仲間が協力してくれるようになった。


    家に帰れば、父が
    私の行いを鼻で笑った。


    それでも私は、やめなかった。


    もう亡霊のいない教会跡。

    私はそこに
    仲間たちと共に小屋を建て、
    そこで暮らすようになった。


    この瓦礫の教会と、塔の遺跡に誓って、
    私は、この街を守りぬく。

    胸にかけた瑠璃石のペンダントを
    固く握りしめる。


    そして今日も、街のため、

    私は笑顔で、汗をかく。



    (おわり)


    ☆本編はこちら


    ☆設定サイドストーリーなど


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    ぼんやりと生きています。心に湧いたお話は『ナルニア国物語』を思わせる、「児童文学ファンタジー」をちょっぴりと目指しています。 ◆note: 長編小説「追憶のオリジン」(全話公開中)イラスト 短編/短歌/自由詩/エッセイ ◆tales: 「追憶のオリジン(改訂版)」「読み切り」

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