
ハロハロウィーン!お菓子を入れる準備はできました。
船に乗って、栗のお菓子の店にも行く。
この前、海を見に行った帰りに、そんな約束をした。
その約束も楽しみにしつつ、今日はひと足先にハロハロウィーンへ。
もみじと一緒に、秋の街を回ることにした。
前のお話はこちら。
もみじ
「モフ、今日はどこから回りますか?」
待ち合わせ場所に着くなり、もみじが聞いた。
長い赤い髪が、振り向いた拍子にふわりと揺れる。
赤いカエデの葉から、人の姿になったもみじ。
冬が来る頃には、元の葉に戻る。
もみじ
「……モフ?」
モフ
「あ、ごめん。どこから行こうかなって」
もみじ
「まだ決めてなかったんですか?」
もみじは笑うと、通りの向こうを指さした。
もみじ
「それなら、あそこへ行きませんか?」
まずは、猫になりまして
最初に目に留まったのは、猫の着ぐるみだった。
今回は、ぽてこちゃんの着ぐるみをもみじに、にゃんごすたーちゃんの着ぐるみを僕に。


もみじ
「モフ、見てください。肉球までついてます!」
僕のほうは、茶色のしましまに黒い肉球。
鏡の中で、丸メガネをかけた猫がこちらを見ていた。
モフ
「……思ったより、猫だ」
もみじ
「モフ、似合ってますね」
もみじが自分のしっぽを確かめようと、くるりと回る。
しっぽも一緒についてくる。
もう一度、くるり。
もみじ
「……自分のしっぽなのに、つかまらないですね」
モフ
「そろそろ、次に行こうか」
出発前から、遊ぶものがひとつ増えていた。
もみじの着ぐるみはこちら。
UTAKOさんのプロンプトで、もふもふのポテコちゃんに変身しました。
僕の着ぐるみはこちら。
ひろみさんのプロンプトで、ニャンゴスターになってみました。
写真を撮るだけ、のはずだった
着替えたら、今度はポテコ写真館へ。
今回は、着ぐるみ姿のふたりで、かぼちゃ畑へ出かけてみた。
かぼちゃの上から、ごあいさつ

もみじ
「モフ、こっちです! 上、広いですよ!」
もみじ
「おーい!」
もみじにつられて、僕も手を振る。
ふたりなら、持ち上がる?

もみじ
「これ、持って帰れませんかね」
モフ
「そのかごには、入らないと思う」
もみじ
「まず、持ち上げてみませんか?」
考える順番が、少しおかしい。
ふたりで持ち上げようとしても、びくともしない。
ふわふわの手袋は可愛い。
力仕事に向いているかどうかは、また別の話だった。
猫が二匹、紛れています

次は、かぼちゃの列に混ざってみた。
もみじ
「これで、かぼちゃに見えますか?」
モフ
「猫に見える」
もみじ
「そこは、もう少し付き合ってください」
猫なので、つい

頭の上を、小さなコウモリが飛んだ。
もみじ
「あっ!」
もみじが両手を伸ばして跳び上がる。僕も、つられて跳んだ。
モフ
「何で僕まで跳んだんだろう」
もみじ
「猫だからじゃないですか?」
撮影を終えて写真を並べると、どこにも落ち着いて立っている僕らはいなかった。
もみじ
「ずいぶん遊びましたね」
モフ
「写真を撮りに来たはずなんだけどね」
もみじ
「ちゃんと撮れてますから、大丈夫です!」
記念撮影とコスプレは、
UTAKOさんのこちらのお店で。いろんな姿で遊べます🎃
莉奈さんには、すぐ見つかった
莉奈
「ふたりとも、ずいぶん可愛くなりましたね」
聞き慣れた声に振り向くと、莉奈さんがいた。
もみじは、さっそく撮ったばかりの写真を見せ始めた。僕が説明する隙は、ほとんどなかった。
モフ
「あれ、ロッタは?」
莉奈
「シャーロットさんは、たけひろさんとお出かけです」
モフ
「そっか。じゃあ、このあとは一緒に回る?」
莉奈
「はい。ぜひ」
もみじ
「うれしい。ここからは三人で回れますね!」
シャーロットと莉奈さんのハロウィンはこちら
たけひろさんとのお話はこちら
次は、何になろうか
莉奈さんと合流したところで、僕らもコスプレに着替えることにした。
今度は、UTAKOさんのコスプレ倶楽部。
モフ
「もみじは、何を着たい?」
もみじ
「船長!」
返事が早い。
もみじ
「この前、海を見に行ったでしょう? 今度は船に乗って、もっと遠くまで行ってみたいです」

もみじ
「モフも船長ですか? それなら、船は二隻ですね!」
モフ
「この写真だと、一隻に乗ってるけど」
もみじ
「では、交代で運転しましょう」
モフ
「操縦、かな」
もみじ
「最初は、私に任せてください!」
舵輪には、もうもみじの手がかかっていた。
僕は望遠鏡をのぞいて、進む先を探す係になった。
もみじ
「女騎士もいいですね。銀色の鎧も着てみたいです」
今度は、もみじが騎士。僕が勇者。

剣に両手を添えたもみじは、さっきまでとは違う顔をしていた。
莉奈
「かっこいいですね」
剣を掲げてみたものの、どうにも様にならない。
隣のもみじを見て、思わず聞いた。
モフ
「……僕、勇者に見えてる?」
もみじ
「大丈夫です。困ったときは、私が守りますから!」
モフ
「それ、勇者としてはどうなんだろう」
莉奈
「頼もしい騎士さんがいて、よかったですね」
街を回るのは、この姿で
モフ
「それで、もみじ。どの姿で回りたい?」
もみじは少し迷ってから、とんがり帽子を指さした。
もみじ
「魔法使い!」

もみじ
「この杖と帽子で歩きたいです。莉奈さんの服にも星がついてますよね。並んだら、同じ魔法のお店の仲間みたいです!」
莉奈
「それなら、私も隣を歩くのが楽しみです」
僕は黒い執事服に、白い手袋。
試しに胸へ手を当てて、一礼する。
モフ
「それでは、次のお店へご案内しましょうか」
もみじ
「でも、執事さん。お菓子は私も自分で持ちますからね?」
モフ
「かしこまりました」
そう答えたところで、もみじのおなかが小さく鳴った。
もみじ
「……次は、お菓子のお店にしませんか」
莉奈
「そうしましょうか」
三人それぞれ、お菓子選び
もみじの杖が指した先には、黒とオレンジのキッチンカーがあった。
木々の間につるされた電球と、かぼちゃの灯りが、店先を暖かく照らしていた。
隣のテントには、革のバッグや、どんぐりの形の小物。
そちらも気になるけれど、もみじの足はお菓子の前で止まった。
ここは、チイノさんのぱんたんのキッチンカー&アトリエ。
もみじ
「見てください。シュークリームも、ぱんだの顔です!」
粉砂糖をまとった生地に、チョコレートの耳。
間には、星を散らしたかぼちゃのクリームがたっぷり挟まっている。
モフ
「僕は、このドーナツにしようかな」
透明なカップの中には、ころころしたオレンジ色のドーナツ。カップに描かれたぱんだの顔も可愛い。
莉奈
「では、私はこのタルトにします」
莉奈さんが選んだのは、黒いタルト。
つやつやした赤いソースの上に、コウモリのクッキーがのっていた。
もみじ
「三人とも違うものになりましたね」
モフ
「ちょっとずつ分けられるね」
もみじ
「ふふ、私もちょっとずつ食べてみたいと思ってました」

お菓子を受け取って、近くのテーブルへ向かう。
もみじはシュークリームのお皿を両手で持ち、さっきより慎重に歩いていた。
モフ
「持とうか?」
もみじ
「大丈夫です。星を落とさないように運んでます」
いただきますの、その前に
木のテーブルに、三つのお菓子を並べた。
もみじ
「真ん中に並べませんか。三つとも見えるように」
シュークリームのお皿を少し寄せて、ドーナツのカップをその隣へ。莉奈さんも、タルトの向きを整えてくれた。
モフ
「せっかくだし、三人でも撮ろうか」
スマホを持って腕を伸ばす。
画面の中に、僕と莉奈さん、それから——とんがり帽子。
モフ
「もみじ、顔が隠れてる」
もみじ
「あ、ちょっと待ってください!」
帽子のつばを少し上げて、もみじが顔を寄せた。
莉奈さんも、こちらへ身を寄せる。
莉奈
「お菓子も入っていますか?」
モフ
「うん。もう少し、下に向けたら……よし」

撮れた写真を見せると、もみじは満足そうにうなずいた。
もみじ
「はい。ちゃんと全部写ってますね!」
言い終わるころには、もうフォークを持っていた。
莉奈
「では、いただきましょうか」
モフ・もみじ・莉奈
「いただきます!」

おしゃべりしながら、三つのお菓子を分け合う。
気づけば、お皿の上の星も少なくなっていた。
ぱんたんのキッチンカー&アトリエはこちら
次のお菓子は、りんごの中へ
お菓子を食べ終えて立ち上がると、もみじは隣のテントをのぞき込んだ。
革のバッグに、小さながま口。秋の形をした雑貨が並ぶ、ぱんたんのアトリエだ。
もみじ
「私、このりんごの子が気になります!」
もみじが指さしたのは、にっこりりんごちゃんポシェット。
真っ赤なもふもふのりんごが、目をつむって笑っている。

モフ
「今度は、りんご?」
もみじ
「食べませんよ。……ほら、この笑った顔が可愛いでしょう?」
莉奈
「もみじさん、合わせてみたらどうですか?」
肩ひもをかけ、腰の前のポシェットを両手で支えると、もみじは僕らのほうへ振り向いた。
もみじ
「どうですか? 魔法使いが持っていても、似合いますか?」
モフ
「うん。お菓子を入れて歩けそう」
もみじ
「それなら、このあともらう飴やチョコは、この子に入れますね」
莉奈
「りんごの中に、お菓子が集まっていくんですね」
もみじ
「いっぱい集まったら、モフにも分けますね」

チイノさんの「ぱんたんのキッチンカー&アトリエ」には、可愛いお菓子や秋の雑貨がいっぱい。もみじが選んだ「にっこりりんごちゃんポシェット」もこちらです🍎
りんごの中身は、まだ内緒
ネロ王子とMinaさんのお店で、お菓子をもらった。
もみじは受け取ったお菓子を、さっそくりんごのポシェットへ。
最後のひとつをしまうと、ポシェットの口を閉じて、満足そうに両手を添えた。
モフ
「何をもらったの?」
莉奈
「私にも見せてもらえますか?」
もみじ
「ふふ、まだ内緒です」
もみじはポシェットを胸元に抱え、少し先へ歩き出した。振り返った顔は、いたずらっぽく笑っている。
モフ
「僕にも分けてくれるんじゃなかった?」
もみじ
「ふふ、覚えてますよ。あとでお見せしますね」
今はまだ、自分だけで楽しんでおきたいらしい。
僕と莉奈さんは顔を見合わせて笑い、もみじのあとを追った。

ネロ王子の「月夜のおかし工房」。どんなお菓子に出会えるかは、お楽しみ🌙
Minaさんの「Cloudtop Sweets Shop」でも、お菓子をもらってきました☁️
次は、船に乗って
ハロハロウィーンの街を出るころ、もみじがポシェットに手を添えた。
もみじ
「今日は、ずいぶんお菓子が集まりましたね」
モフ
「栗のお菓子より、こっちが先になったね」
もみじ
「そうでした。船に乗る約束も、まだでしたね」
モフ
「次は、そのお出かけにしようか」
もみじ
「はい。船から何が見えるのか、楽しみです」
りんごのポシェットが、弾む足取りに合わせて揺れる。
今日のお菓子は、まだその中に。
次の旅の話をしながら、僕らは帰り道を歩いた。