
山の幸、海の幸、渡り鳥が飛ぶお弁当|サーモンの腹身の塩焼き🍱
お弁当というのは、ほんとうに不思議なものだと思います。
中身は結局、焼いた魚と、煮た貝と、卵と野菜。それだけなのに、詰め方ひとつで、朝の台所が小さな野山や海になったりする。今日はそんなお弁当でした。

右は山の幸バージョン:渡り鳥が森を飛んでいます。森はエアフライヤーでドライにした青シソです。
右の段は、エアフライヤーで数分でドライにした青紫蘇を、あえて粉にせず、軽くちぎった形のまま散らしています。
乾いた葉が不揃いのまま重なっているほうが、どこか山の匂いがする気がするのです。とろろこんぶのご飯にその緑を重ねると、白と緑のあわいに、遠い森の稜線が浮かびます。
ご飯の表面にはすこし塩を振っています。そこへキュウリのお漬け物を鶴の物相型で抜いたものを置いて渡り鳥が、その森の上を渡っていくイメージでにしました。
型抜きというのは、ほんとうに楽しいものですね。物相型で抜いて飾るだけでなんでもない白ご飯の見た目が、一気にテンション上がります。こういう小道具を日常の中で使う文化のある日本って素敵ですね。
一枚の大根に鶴の姿を宿すことで、野菜が野菜のままではなくなる。日本の暮らしには昔から、こういう「見立てる」楽しさがあった気がして、お弁当箱の中でそれをやってみたくなるのです。
左の段には、季節とアトランティック・カナダのローカルの恵みを集めました。
アトランティックサーモンのハラミは塩焼きに。素材そのものの脂の甘さが立ちます。味付けを引き算するほど、逆に食べ応えが増すのは面白いところです。
プリンスエドワード島のムール貝は佃煮にして、甘辛の中に貝の旨みを閉じ込めました。
蓮根金平の歯ごたえ、卵焼きのやわらかさ、ご飯がすすみそうです。
今日は自分の分と夫の分と2つ作りました。青紫蘇をちぎったままにしたことについて、夫が「青シソドライのパリパリした食感が、ご飯の合間にアクセントになって面白いね」と言っていました。
整えすぎず、余白を残す。そのほうが、食べる人の口の中で完成する部分が残るのかもしれません。
味覚を詰め込める。ただ胃袋を満たすためだけの箱ではないのだと、今日もあらためて思いました。
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