
年収7,000万円の男の冷蔵庫に、水とコーヒー豆しかない|黒崎蒼の部屋、内見してきました
こんにちは、月城ゆきです。
『東雲ホールディングスの男たち』第3巻に登場する、東雲ホールディングス常務取締役・黒崎蒼。
35歳。社長の右腕で、役員フロアでいちばん恐れられている人です。
前回は社長・東雲蓮の港区のペントハウスをご紹介しました。
今回は、黒崎の部屋を紹介します。せっかくなので、不動産屋さんの物件資料ふうにまとめてみました。
※本人の許可は取っていません
物件概要

所在地:東京都中央区勝どき
種別:タワーマンション 高層階・角部屋
間取り:2LDK+WIC(約88㎡)
眺望:北西の二面に窓。隅田川越しに丸の内のビル群
通勤:丸の内まで車で約15分
入居者:35歳・男性・会社役員
推定年収:7,000万円前後
入居の決め手:会社に近いこと(以上)
物件担当者より
この物件のいちばんのおすすめは、眺望です。
リビングの大きな窓から、隅田川の向こうに丸の内のビル群が一望できます。その中でひときわ高い、ガラス張りの50階建てのタワーが、入居者様の勤務先です。
なお、入居者様ご本人は、この眺望をあまり喜んでいらっしゃいません。
推定年収7,000万円
黒崎の年収は本編には出てきませんが、7000万円前後の設定にしています。
民間企業の役員報酬の調査では、常務の平均年収は約2,300万円。従業員3,000人以上の大企業の社長でも、平均は約8,600万円だそうです。
東雲ホールディングスは、日本屈指の企業グループ。
さらに黒崎は社長の右腕として、経営企画と管理本部を任されています。
なので、常務の平均よりはかなり上。でも、35歳で社長の平均を超えることはないだろう。
というわけで、7,000万円前後という設定にしました。かなりざっくりです笑

ちなみに上場企業では、役員報酬が1億円を超えると、有価証券報告書に名前が載ります。
黒崎はそこまでは届かない、くらいのイメージです。
主な使い道:コーヒー豆、封を切らないウイスキー
本人は、たぶん自分の年収を気にしたことがありません。
間取り図

黒崎の部屋は角部屋なので、リビングは二面が窓になっています。
寝室はリビングから直接入れる造りで、玄関から廊下を進むと、洋室・洗面所・浴室・トイレが並びます。
室内のご案内
【リビング(約19畳)】
設備:ソファ、ローテーブル、窓際のダイニングテーブル、壁一面の本棚
リビングの設備は以上です。テレビすらありません。
本棚の中身:経済誌、決算書の読み方、分厚い法律書
小説・漫画:見当たりません
本棚の一段には、ウイスキーの瓶が15本ほど並んでいます。銘柄はばらばらで、どれも封が切られていません。
理由をおたずねしたところ、「好きだから、普段は飲まない」とのことでした。

【キッチン】
コンロ:使用頻度 ほぼなし
シンク:使用頻度 ほぼなし
コーヒーミル・ドリップポット:使用頻度 毎日
料理はしませんが、コーヒーだけは豆を挽くところから自分で淹れます。
こだわる場所とこだわらない場所の差が、ずいぶん極端な方です。
【冷蔵庫の中身】
ミネラルウォーター(ラベルの向きまで揃えて一列)
コーヒー豆 3袋(焙煎日を書いた付箋つき)
ハム 1箱(昨年のお歳暮・未開封)
以上です。
ちなみに年収7,000万円の方の冷蔵庫です。
ハムを一年近く開けなかった理由は、「食べる理由がなかった」からだそうです。

【寝室(約8畳)】
ベッド
サイドテーブル(読みかけの分厚い本が一冊、伏せてあります)
厚手のカーテン
リビングよりも、さらに物がないのが寝室。
本当に帰ってきて、眠るためだけの部屋です。……第3巻の途中までは。

【洋室(約8畳)】
用途:未定
現況:持ち帰った仕事の資料の段ボール置き場
本来なら書斎にも趣味の部屋にもできる、すごくいい部屋のはず。
それなのにこの部屋には、仕事の資料が放り込まれた段ボール箱以外は何も置かれていません。
周辺環境
徒歩圏内:月島もんじゃストリート
入居者様の利用歴:なし
隣町がもんじゃの聖地なのに、一度も行ったことがないそうです。
理由を聞かれたときの答えが、いかにもこの人らしいので、気になる方は本編で。
来客対応について
以前、入居者様のご友人の方(同じ会社の専務)が遊びに来られた際、玄関での第一声は次のとおりでした。
「用件は」
ご友人いわく、遊びに来ただけだったそうです。会社で部下が報告に来たときと、まったく同じ対応です。

よくあるご質問
Q. 自炊はできますか?
A. 設備上は可能です。入居者様の実績はありません。
Q. スーパーは近いですか?
A. 駅前にございます。入居者様の最後のご利用は、学生時代とのことです。
Q. 休日はどのようにお過ごしですか?
A. 「仕事だ」とのことです。
Q. それ以外で休日の過ごし方は?
A. 現在、検討中とのことです。
同じシリーズの物件と比べると
東雲蓮(社長):港区・40階建ての最上階、ワンフロア一戸のペントハウス(約300㎡)。窓からは東京タワー
東雲悠真(専務):目黒・タワーマンションの最上階。驚くほど整っていて、生活感が薄い部屋
黒崎蒼(常務):勝どき・高層階の角部屋、2LDK(約88㎡)。窓からは自分の会社
桜井花音(第3巻ヒロイン):清澄白河・築年数の経った五階建てのマンション。手入れの行き届いた、暮らしやすい部屋
同じ会社の役員でも、住まいへの考え方はずいぶん違います。
蓮の部屋が「東雲の社長の家」、悠真の部屋が「ほとんど帰ってこない人の家」なら、黒崎の部屋は「会社に通うための拠点」ですね。
最後に、作者から
私が以前勤めていた会社にも、いわゆる「仕事の鬼」のような人がたくさんいました。
会社に泊まり込んだり、万葉の湯のような温浴施設で数時間だけ仮眠を取って、そのまま翌朝出社したり。
「不夜城」と呼ばれることもあるような会社でした。
もちろん、そういう働き方が良いかどうかは別の話なのですが、それでも彼らは決して、お金を稼ぐためだけにそこまで働いていたわけではありません。
自分の仕事に責任を持ち、納得できる結果を出したい。
そんな想いを持った、本当に仕事そのものに一生懸命な尊敬できる人たちでした。
黒崎蒼は、そんな人たちを思い出しながら描いた人物です。
仕事が好きで、つい100点を追い求めてしまう。
他人にも厳しいけれど、その厳しさは誰よりも自分自身に向いている。
だからこそ、黒崎の自宅を考えるとき、私はあまり生活感のない部屋が似合うと思いました。
35歳で、年収7,000万円。
その気になれば、もっと豪華な家具も、趣味の道具も、いくらでも買えるはずです。
でも、黒崎のリビングにあるのは、ソファとテーブルと仕事の本ばかり。
冷蔵庫には水とコーヒー豆。
本人は、それで何も困っていません。
この人は、自分のために家で何かを楽しむということを、ほとんど知らない人なんです。
そんな部屋に、ある日、桜井花音がやってきます。
それまでほとんど使われていなかったキッチンで料理をして、二人で同じテーブルを囲む。
そして仕事の話ではなく、休日の話をする。
黒崎にとっては、どれも今まで必要だと思っていなかった時間です。
第3巻は、仕事にすべてを注いできた男が、仕事以外にも大切なものを見つけていくお話でもあります。
だから、最初は少し殺風景な部屋ではありますが、2人の関係が進むにつれてここがどんな場所になっていくのか。
ぜひ、そんなところにも注目して読んでいただけたら嬉しいです。

📖『東雲ホールディングスの男たち』第3巻
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