
50歳からの「大器晩成」は一発逆転ではない。小さな改善を積み上げる「人生の複利」
YouTubeで大器晩成の動画が表示されたので、試しに見てみました。
「今うまくいっていなくても大丈夫」
「あなたは大器晩成型だから、これから花開く」
なるほど。私は若くして成功したわけではなく、この動画を見てほっとしました。これらの言葉に励まされる人は、きっと多いと思います。
私は現在51歳、就職氷河期世代。
いつか「あの人は大器晩成だった」と言われるようになれたらいいなと思っていますし、そのために今も努力している途中です。
ただ、動画を見ながら少し気になったこともありました。
「遅咲きは強い」
「苦労はすべて経験となり、報われる」
と考えるだけでは、うまくいかない気がしたのです。
「もっと大器晩成になれる可能性を高める考え方はないだろうか」
そんなことを、自分なりに考えてみました。
大器晩成の言葉は、人を励ましてくれる
「今から始めても遅くない」
「これまで苦労してきた分、これから花開く」
「あなたは大器晩成型なのかもしれない」
こう言われて、励まされる人は多いと思います。
若い頃は「まだ時間がある」と思っていても、30代、40代、50代と年齢を重ねるにつれ、焦りが出てくる。
周りを見ると、すでに偉くなっている。
起業したり、本を出版したり、YouTubeなどで配信を始めた人もいる。
自分より若い人が、ずっと先を走っているように見える。
そんなとき、
「自分は、何をやってきたんだろう」
と考えてしまうことがあります。
もう少し早く始めていれば。
あのとき別の選択をしていれば。
もっと才能があれば。
後悔しても変えられないと分かっているのに、つい考えてしまう。
だからこそ、
「大丈夫。あなたは遅れているのではなく、大器晩成なのかもしれない」
という言葉は、救いです。
特に就職氷河期世代は、バブル崩壊後の就職難で非正規や低賃金の割合が増え、報われていないと感じる人も多いと思います。その時に寄り添う言葉は、大事です。
しかし、私はそこで止まってはいけないと感じます。
励まされて「まだこれから」と思える。それは大事です。
でも、その次に行動を起こさないと、現実は変わりません。
「遅咲きだから、苦労したから、成功する」わけではない
「あなたは大器晩成だから大丈夫」と言われると、少し前を向けます。
ただし、大器晩成という言葉は、未来を保証してくれません。
50歳まで苦労したから、51歳から自動的に人生が好転するわけではない。
年齢を重ねたから、経験が勝手に知恵になるわけでもない。
大器晩成につながる第一歩が必要です。
また、嫌なこと、不幸なことが起こった時に、
「それは、今後いいことが起きるために必要だった」
という考え方があります。
これは、辛い出来事から自分を守る、いい考え方の一つだと思います。
ただ、私は「嫌な出来事が未来の幸福のために必要だった」と、最初から考えていません。
嫌なことは、嫌なこと。
不幸なことは、不幸なこと。
出来事に最初から意味はなく、その事実があるだけ。
その出来事をその後どう扱うかは自分で変えられる。
振り返り、改善できることを見つけ、次に生かす。
マイナスをプラスへ変えるのは、運命ではなく自分自身だと考えています。
そして、そこまでやって初めて、大器晩成になる可能性が少し上がるのだと思っています。
では、どうすればそれを積み上げられるのでしょうか。
人生にも「複利」がある、と考えるとしっくりくる
投資の複利は、利益を使ってしまわず元本に戻し、その元本がさらに次の利益を生む仕組みです。私は、人の成長も少し似ているのではないかと思っています。

大事なのは、次の改善はゼロから始まるものではないということです。
ちょっとよくなっているから、ちょっとだけチャンスが増える、できることが増える。
一回一回の改善は小さいままかもしれません。
でも、少し改善した自分が次の経験をする。その状態からまた改善する。
小さな改善そのものではなく、その積み重ねが後から大きな差になる。
これが、私が考える「大器晩成になる可能性を高める一つのやり方」です。
大器晩成を目指すなら、「大きく勝つ」必要はない
「いつか大きなチャンスが来る」、「一発当てる」、「人生後半で大成功する」を目指さず、「今日、一つ改善する」を目指す方が、上手くいくと感じます。
会議で余計な一言を言った → 次回は言わない
説明が伝わらなかった → 次は具体例を入れる
判断を誤った → なぜ誤ったかを書き残す
一つ一つは地味ですが、小さな勝ちを次の自分へ再投資し、これを繰り返すことが、複利の効果になります。
複利は、良い方向にも悪い方向にも効く
長く生きると自動的に強くなるわけではなく、長い時間の中で、改善した経験を積み重ねた結果、使える元本が増えていくと思っています。
ただし、複利は良い方向にだけ働くわけではありません。
仕事の経験、失敗、成功、人間関係、向き不向き、判断基準など、様々なことが元本になりますが、悪い癖や思い込みは逆方向に複利が効いてきます。
そのため、定期的に自分を修正する必要があります。
「今さら」ではなく、今日の改善を一つ増やす
「今さら」と思って何もしなければ、元本は増えません。
「今から」と思って一つ行動を変えれば、今日から複利を再開できます。
「今から」の価値は、前向きな気分になることではなく、次の改善を始める第一歩を踏み出すことだと感じます。
私が大器晩成になれるかどうかは、わかりませんし、それは、自分で名乗るものでもないと思っています。ただ、今日までの経験を振り返り、一つ改善し、その改善を次の自分へ持っていくことはできます。
大きく勝たなくてもいい。
小さな改善を、次の自分に再投資し続ける。
その積み重ねの先に、いつか誰かから「大器晩成だったね」と言われるような人生になれば嬉しい。
そのために、今日も小さな改善を積み上げていきたいと思います。
小さな改善を「どこへ積み上げるか」も大事
ここでもう一つ問題があります。
小さな改善を積み上げれば、それだけで人生が望む方向へ進むのでしょうか。

私は、そうとも限らないと思っています。
先ほど書いたように、複利は良い方向にも悪い方向にも働きます。
さらに、正しい努力でも、向かう方向が違っていれば、目的地には辿り着きません。
そこで必要になるのが、
「どこへ行きたいのか」
「いつまでに、どうなりたいのか」
「そのために、何をやるのか・何をやらないのか」
を決めることです。
私は、この考え方に、長年プロジェクトマネジメントで使ってきた「プロジェクト思考」がそのまま使えると考えています。小さな改善を続けるのが「複利」だとすれば、その複利をどの方向に効かせるかを決めるのが「設計」 です。
その考え方を具体的にまとめたのが、こちらの記事です。