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「自分でやった方が早い」は、いつまで正解なのか。人に任せる判断基準

    先日、マネーフォワードのインタビューで、「何でも自分でやるタイプですね」という話になりました。

    確かに私は、「お金を払うくらいなら自分でやってみよう」と考えがちです。例えば、自宅の網戸も自分で張り替えます。

    ところが会社の税務について、
    「あ、そこは税理士さんに頼んでいるんですね」
    と言われて、ちょっとハッとしました。

    私は、何を基準に「自分でやる」と「人に任せる」を分けているんだろう。

    これは、マネージャーになったばかりの人が悩む「自分でやるか、部下に任せるか」にも似ています。


    「自分でやった方が早い」は、たぶん正しい

    新任マネージャーほど、

    説明するより自分でやった方が早い
    あとで出来栄えをチェックするくらいなら自分でやった方が早い

    と感じます。

    そして実際、その1回だけを見れば正しいことが多い。
    ただ、問題は、「今日の30分」だけで判断していることです。


    目の前の「支払額」だけで判断すると、視野が狭くなる

    例えば、網戸を自分で張り替えた時の材料費は、2,496円でした。

    ※このページはAmazonアソシエイトの広告を含みます。

    業者に頼む費用と材料費だけを比べれば、「自分でやった方が安い」と考えられますが、実際には、

    1. ホームセンターまで行く

    2. 材料を探す

    3. YouTubeで貼り方を調べる

    4. きれいに張れずにやり直す

    という時間も使っています。

    そのため、
    「業者に払う費用 vs 材料費」
    ではなく、
    「業者に払う費用 vs 材料費+自分の時間」
    が正しいです。


    でも、初めてなら自分でやる価値もある

    ただ、「新しい経験」という付加価値を計算に入れると、また変わってくるかもしれません。

    個人的には、
    「自分でやってみたいなら、一度自分でやってみればいい」
    という考えです。

    網戸を一度自分で張り替えると、
    「手間がかかるし、面倒だから、1万円払っても次回は頼みたい」
    なのか、
    「慣れれば次は20分でできそうだし、Amazonで買えば、わざわざ買いに行かなくてもいい」
    なのかが分かります。

    初めての経験には、作業成果とは別に「学習」というリターンがあるので、これも計算に入れてもよいと思います。


    私なら、この4つで「任せるか」を考える

    ① 自分がやってみたいか

    興味がある、学びたい、経験してみたい。
    → 一度やってみる価値がある。

    ② 一度経験したあとも、自分が続ける価値があるか

    繰り返すことで上達や楽しさがある、今後も必要なスキルになる。
    → 自分で続ける価値がある。

    ③ 自分にしかできない仕事か

    自分でなくてもできる仕事に時間を使うことで、自分にしかできない仕事が後回しになっている。定型作業でそれほどスキルアップもしない。
    → 人に任せる候補になる。

    ④ 失敗したときのコストが大きいか

    税務、法務、専門工事など。
    → 「勉強になるから」で自分でやるより、専門家へ頼んだ方がよいことがある。

    この4つが基本です。

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    マネジメントでは、もう一つ判断軸が増える

    私生活ではなく、マネジメントの場合は、
    「その仕事を任せることが、相手の成長になるか。」
    という判断軸が加わります。

    たとえば、

    自分なら30分でできる。
    部下に任せたら、説明30分+作業60分+チェック30分。

    今日だけなら、自分でやった方が圧倒的に速い。
    でも、3回目には部下が40分でできるかもしれない。
    チェックも時間がかからなくなるかもしれない。

    「自分でやった方が早い」は、今日の生産性。
    「人に任せる」は、未来の生産性。

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    一度しか発生しない仕事、引継ぎが難しい仕事、締め切り直前で時間がない場合は、自分でやる判断も正解です。

    しかし、そうでない場合は、最初にかけた説明やチェックの時間が、将来の時間短縮につながります。また、いつまでも自分でやり続ければ、本人が忙しくなるだけでなく、チームが経験する機会も増えません。


    AIエージェントは「自分でやった方が早い」を延命する

    最近、この話を少し難しくしているのが、AIエージェントです。

    以前なら人にお願いしていた情報収集、資料のたたき台作成、データ整理なども、AIに指示すれば短時間で進められるようになりました。

    私自身も、誰かに仕事の背景や進め方を説明してお願いするより、AIを使って自分で進めた方が早いと感じる場面が増えています。

    これは悪いことではありません。
    ただ、マネージャーとAIだけで仕事を完結させれば、本人の生産性は上がっても、チームの経験は増えません。

    今回だけ早く終わらせたいなら、AIに任せる。
    今後チームで繰り返す仕事なら、人に任せ、AIの使い方も含めて共有する。

    「自分でやるか、人に任せるか」だけでなく、「AIに任せるか」という第三の選択肢も加わったのだと思います。


    「この仕事に、自分の時間を使う価値があるか」で考える

    自分でやってみたいなら、やればいい。
    ただ、「お金がもったいない」「自分でやった方が早い」という理由だけなら、一度立ち止まります。

    • この時間で、もっと価値の高いことはできないか

    • 半年後も、自分がこの仕事を続けることにならないか

    • 誰かに任せれば、その人が次からできるようにならないか

    「自分でやった方が安い・早い」ではなく、この仕事に、自分の時間を使う価値があるかで考える。

    自分でやることも、人に任せることも目的ではありません。限られた時間をどこに使うかを選ぶための手段です。

    マネージャーに求められるのは、自分が一番速く仕事を終わらせることではなく、チーム全体がより速く仕事を進められる状態をつくることなのだと思います。

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