
【フライパンのふたの話】

フライパンで煮物を作るって
今では当たり前の光景ですが
私が家庭料理研究家になった30年ほど前は
全然あたりまえではなく
フライパンで煮物を作ると
えっ!?フライパンで作るんですか?
って驚かれたものでした。
なぜ、世の人が
フライパンで煮物を作らなかったのかというと
煮物は鍋で作るという、昔からの習慣みたいなのが
まだまだ世の中に浸透していたというのが一つ。
それとは別に、
フライパンのふたというのがまだ普及していなかったのも
大きな理由だと思います
フライパンのふたがないと
上手く熱が回らないし、すぐに煮汁が蒸発してしまうので
煮物は作れないのです。
フライパンのふたがない、なんてことある?
って思うかもしれませんが
料理の仕事を始めた30年くらい前は
フライパンのふたは、当たり前にはなかったのです。
私は、その当時
キッチンスタジオで料理を作らせてもらう事も多かったのですが
当時のキッチンスタジオにフライパンのふたはありませんでした
そんなことある?って思うかもしれませんが
本当なのです。
その証拠として
私はいつも、自分のふたを持参していました。
それは、つまり、キッチンスタジオにふたがなかったからです。
そしてふたがないと
奥薗流の料理が成り立たないからなのです。
つい30年ほど前の話ですが
そんな時代だったんです。
更に当時は
おしゃれなホーローの鍋のブームで
料理研究家なら絶対に使っているって言われるほど
ホーローの鍋が人気で
煮物には、厚手のホーロー鍋を使われることも多かったです。
たしかに、その鍋を使えば
めちゃ美味しく煮物ができるし
形もおしゃれだし
レシピ本のプロセス写真を撮るのにも
めちゃ、おしゃれに撮れたりするんです。
そんな、煮物は鍋で煮るのは当たり前の時代に
わざわざフライパンで煮物を作る理由は
全くないように見えました。
そんな時代に
なぜ、私がフライパンにこだわったかというと
理由は2つあります。
1つめの理由としては
高価な高い鍋を買わなくても
どこの家にもあるフライパンで美味しく煮物を作れる
その方がうれしいと思う人は確実にいると思ったのです。
また、
どこの家にでもあるフライパンで美味しく煮物を作れる方法を考えたら
きっと助かる人がいるに違いないし
それを研究するのが家庭料理研究家の仕事だとも思ったのです。
2つ目の理由は
煮物を作るのに、
鍋よりフライパンの方が適していると確信していたからです。
フライパンは口径が大きいので
具材が重ならずにはいるし
炒めてから煮込む作業もスムーズにできるし
また、
深さがないので、蓋をすれば短時間で中が高温になり
熱の周りもいい
こんがりいい焼き色を付けてから煮るようなものだと
フライパンの良さはさらに生きてきます
ただ、問題になるのが蓋でした
当時、まだまだガラスのふたが、そこまで普及していなくて
パカッと上にのせるだけの軽いふたがかなり出回っていました
(どんなサイズのフライパンにでも合うやつね)
でも、そのタイプの蓋だと
軽過ぎで蒸気が漏れるし
蒸気が逃げるという事は、内部温度も上がりにくく
上手く煮えません。
それで、その当時は
私自身は自分のふたを持ち歩いていて
家にある重たい蓋を使って下さいと言う事、あちこちでお伝えしつつ
軽い蓋しかない場合は、どうすればいいかも考え
その場合は
蓋をギューッと押さえて蒸気が逃げないするやるかたをお伝えしていました
これで煮えるまでの時間を、かなり短縮できるのです。
でも、そうこうしているうちに
その後ガラスのふたも普通に手に入るようになり
フライパンで煮物も、普通になりました。
おそらく、その方がいいという事にだれもが気づいたのだと思います
良かった~~♪
今日は、鶏と大根の煮物を紹介したのですが
これも、一昔前なら
大根を炒めて煮込み鍋に移し、
鶏を炒めてそれも鍋に移し
鶏と大根の入った鍋に水を入れて煮込む
そんな、めんどくさい作り方をしていた時代もありますが
フライパンで大根をこんがり炒め
鶏もも肉をこんがり焼き
蓋をして煮れば
短時間で美味しい煮物が作れます。
まさにフライパンの良さを生かした煮物レシピなのです
フライパンで炒めて、そのまま煮込むことで
フライパンについた旨みごと全部だし代わりに使えるし
洗い物も増えないところも、しめしめなのです
ああ、そう言えば、
昔は、フライパンで炒めた具材を鍋に移して煮込んでいたわ
って思った人がいたら
それ、たぶん、私の同じくらいの年齢です。
いつの間にか当たり前になっているやり方も
かつては当たり前じゃなかったことがあって
そんなことを、たまに思い出したりするのもまた面白いですね。
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鶏と大根の煮物 ←レシピページはこちら

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