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なぜ『超かぐや姫!』はNetflixで成立したのか

    配信前から話題で、期待もしてて以前記事も書いた超かぐや姫!を見た。

    本投稿では感想はほどほどに主に本作がインターネットカルチャー、ボカロ文化、Netflixの中でどのような位置づけになるかを書いていこうと思う。

    ※めっちゃ長いし、ネタバレありです。

    ・感想

    率直な感想は良かったです。
    ここまで王道でストレートな作品が生まれてくるとは思ってなかったし、特に音楽アニメで……。

    ぼざろ、ガルクラ、MyGo!!!!!にAve Mujica…陽キャ主人公の王道アニメとは真反対がウケにウケてるこの時代にどストレートな作品が生まれたのが良かったですね。

    全く予想してなかったが立川が舞台だったのも、よく行くので親近感あって良かった。
    スタンプラリーは富士市だったし、そっちが舞台だと思ってた。

    曲の話(ネタバレあり)
    RememberとReplyは参加ボカロPで最古参にあたるkzから最も歴の浅いyuigotに引き継がれる構成なのが非常に良い。

    そしてこれが逆にyuigotからkzに引き継がれるとも取れる秀逸な作りで、この2曲を真崎エリカの詩が繋げてるのも良い。

    かぐやがRememberを子守唄で聴き、未完成音源を引っ張り出し最終的に完成したのがReplyである。

    逆にReplyの記憶を持って、月で聴いて8000年前に着いたことによって完成したのが現代のRememberでもある。

    未完成音源自体は恐らくRememberもReplyも聴く前の彩葉と父親が作った曲であり、ここが初出ってことになる。
    親子で作った曲がかぐや、ヤチヨを引き寄せたとも言えるし、大きな影響を与えたのはよい関係すぎるよね。


    感想はまた今度ゆっくり書こうかね。
    後半部分を先に書いてこの時点で6000字超えてるんです…感想もっと書けとコメントくれるとやる気出ます。下書きに眠らせてしまいそう。

    と言うことでここから先は私が本作を見て感じた作品外の時代背景や事柄についてダラダラと書いていく。
    言語化が非常に難しく、まとまりのない部分があるかと思うがご了承願いたい。


    ・インターネット動画とボカロ20年の総決算

    インターネットで動画を見ること自体は20年以上前からあるのだが、今年はニコニコ動画誕生から20年と言う節目の年であり、その後のYouTube日本語対応と合わせて世間一般にインターネットで動画を楽しむと言う文化が定着して約20年となる年である。

    そのインターネット動画の黎明期を支えたのが初音ミクをはじめとするボーカロイド(以下、ボカロ)でありボカロPの存在である。

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    もはや00年代中盤以降の
    インターネットカルチャーの象徴と言っても良い

    ここからの話を進めるにあたり、ボカロと動画配信サービス等の歴史をザックリとまとめた。

    2005年02月14日:YouTubeサービス開始(アメリカ)
    2006年12月12日:ニコニコ動画サービス開始
    2007年01月16日:Netflixサービス開始(アメリカ)
    2007年03月06日:おっくせんまん!/ ゴム(HoneyWorks) リリース
    2007年06月01日:GyaO Next(現U-NEXT)サービス開始
    2007年06月19日:YouTube日本語対応
    2007年08月31日:初音ミク発売
    2007年09月20日:みくみくにしてあげる♪/ika リリース
    2007年09月25日:Packaged / kz リリース
    2007年12月07日:メルト / ryo(supercell) リリース
    2008年05月31日:ワールドイズマイン/ryo(supercell) リリース
    2008年07月11日:iPhone日本上陸
    2008年07月15日:Spring / 40mP リリース
    2009年05月20日:お姫様は電子音で眠る/ハチ(米津玄師) リリース
    2009年07月10日:HT-03A(日本初のAndroidスマホ)発売
    2010年07月29日:トリノコシティ/40mPリリース
    2011年09月01日:Huluサービス開始
    2012年01月18日:Tell Your World / livetune(kz) リリース
    2012年08月01日:ロリババアに恋をした/HoneyWorks リリース
    2012年09月28日:竹取オーバーナイトセンセーション/HoneyWorks リリース
    2014年03月12日:ray / BUMP OF CHIKEN配信 リリース
    2015年09月01日:Netflixサービス開始(日本)
    2015年09月24日:Amazonプライムビデオサービス開始

    2018年12月08日:Sleeping Awake / Aqu3ra リリース
    2019年04月06日:ロンリーユニバース / Aqu3ra リリース
    2020年04月26日:夢をみる島 / yuigot リリース

    頑張って調べたけど、間違ってたらすまんね


    ・ボカロの歴史

    今回の超かぐや姫に参加してるボカロPに加えて時代感がわかるようにika、ハチを挙げてみた。
    ピックアップし続けるとキリがないのでこのあたりまでにしておきたい。

    この年表で表すのが非常に難しいのだが、ボカロの配信プラットフォームは緩やかにニコニコ動画からYouTubeへと移ることとなる。
    個人的な見解ではあるがこれはスマホの普及と共にプリインストールされているYouTubeの利用率が上がったことにあると思う。
    ちなみにニコニコ動画の有料会員がピークアウトしたのは2016年ごろです。

    年表にはスマホの日本上陸時期も合わせて記載したが、kzやryoがニコニコ動画に現れたのはスマホが日本で売り出されるよりも前のことであり、ハチ(米津玄師)もAndroidスマホより前にインターネット上にいたと思うとなんだか不思議な感覚になってくる。

    若い人には信じられないかもしれないが、スマホ無いからガラケーとかで見てたわけです。
    実際ガラケーは画質も良くなければ、画面も小さいのでスマホ登場以前は動画はPCで見るものでした。

    プラットフォームの移行の影響もあってボカロの再生数の伸び方も変わり、ニコニコ→YouTubeになる。
    例えばミリオン達成まで要した時間がニコニコ動画では砂の惑星(ハチ)が6日5時間19分だが、YouTubeではモニタリング(DECO*27)の6時間40分と桁違いになったり、モニタリングの再生回数はニコニコ動画で400万超え再生なのに対してYouTubeでは1億再生を超えている。

    時代の流れに合わせて視聴者の多いプラットフォームへと以降して来た。

    だがボカロ自体の知名度が上がり、地上波への露出も増えてもボカロのメインストリームがテレビに移ることは無く、インターネットカルチャーとして20年近く定着してきた。

    ボカロPの新曲がネットでは無く地上波で先行解禁なんて話はほぼほぼ聴いたことがない。

    この様にボカロとインターネット動画(インターネットカルチャー)は今も昔もかなり深い関係にあり、超かぐや姫が劇場では無くネットで配信される意味も非常に理解出来る。
    もちろん機会さえあれば劇場公開したかっただろうが、配信だったからこそボカロとネット特有の親和性が生み出した力もあると思っている。


    ・映画と動画配信サービス

    ボカロから離れて次は映画と配信サービスの話に移る。

    本作のような映画において、現在のボカロとYouTubeの関係と同じく一番視聴者が多いのはどこだろうと考えたとき現れるのが映画館では無く、Netflixである。(まぁ、アマプラでも良いけど)

    世の中にはNetflixに対していいイメージを持ってない人が多くいる。
    例えば直近ではWBCがNetflixで独占配信が決まった際に、元々無料のTV放送を有料にするのはいかがなものかと言う論争があった。

    今回のケースも映画館で上映せずに配信にするのはもったいないとか言われてる。
    しかし、そもそも有料である映画をNetflixで有料配信する分にはWBCのケースとは異なると言える。
    なぜなら配信時点での契約者1000万世帯に関しては実質無料で見ることが出来るからです。 
    1000万と言う数字は契約世帯なので視聴できる環境にある人は2000万人を超えると見積もっても良いです。

    対して映画館だと実施無料で見れる人はポイントの無料鑑賞が出来る人くらいのもので、基本的に1500〜2000円程度を支払ってみる必要があります。 

    Netflixは契約してない人は見れないが、映画は誰でも見れるから映画が上という人もいるだろうが…まぁ、上とか下じゃないんですけどね。
    仮に映画館で公開して日本人口1億2000万人全員平等に見れる機会を与えたとして1000万人見てくれるか?って話です。

    ちなみに国宝が1000万人を超えたときの報道文はこんな感じ、『動員数は1013万人、興行収入は142.7億円を記録した』です。
    この数字を超えているのは歴代でも20本程度しかなく、映画館で公開した=多くの視聴者に届くというのは全くもって話が違う。
    実際のところ視聴者が多いのはTV>YouTbe>配信サービス>映画館って感じだと思う。

    ボカロ文化がインターネットを中心に展開していることと、一番開かれている有料プラットフォームを合わせて考えるとNetflixでの配信は必然であったなと思います。

    劇場クオリティなので映画館で流して欲しいって意見には同意ですし、出来れば映画館でも見たい。


    ・Netflixらしい映画であり、新時代の映画

    少々主語がデカい書き方ではあるが、本作がNetflixの日本の代表的映画になる可能性を大いに感じた。

    章の名前からNetflixの次の作品への小ネタがあるって思われる方もいると思いますが、それがはないのでその話はここでは置いときますね。
     
    私は過去にこんなことを書いている。
    これはオリジナルアニメ映画の公開初日の着席率が5%を切っていると言う問題です。

    ちょっと古いデータどけどオリジナルアニメの打率ってこんなもんなので劇場で流すのは結構リスクあると思う。
    初監督作品&2時間20分の長尺となると尚更なわけで、超かぐや姫を映画館でバンバン流すのってそんな簡単な話では無かっただろうな。 https://t.co/bi7ieVTmt0

    — しょう (@note_sho) January 22, 2026

    今のアニメ映画の筆頭は鬼滅、呪術、ハイキューなどのジャンプアニメやジブリ、エヴァ、ガンダムシリーズなどの強いIP。
    監督としては新海誠、細田守といった感じでこれ以外は興行収入10億に届く作品はほとんどない。
    人気が盤石だと思われた細田守でさえ果てしなきスカーレットを外し、監督に名前だけで客が呼べるわけではないことが分かった。

    映画館としてはリスクが大きいと言える。
    先ほども書いたが映画館というのは1本見るのに2000円という安い動画サブスク3ヶ月分くらいかかる非常に閉じた空間です。

    本作は初監督作品で140分超えという長尺と考えるとさらにリスクは大きい。

    140分作品と90分の作品では1スクリーン占拠しても1日の上映回数に2回ほど差が出る。
    140,120,90分の映画を朝から夜まで回したスケジュールはこんな感じになる。

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    9〜24時まで1スクリーン独占で上映した場合
    この図要らんかったな……

    そう言った意味で超かぐや姫は劇場公開作品としてはあまり優良物件とは言えない。
    だからこそのNetflix!

    長尺ではあるが視聴する時間、視聴スピード(倍速が良いとは思わない)に縛られないNetflixは作品とマッチしている。
    スコセッシのアイリッシュマンなんて3時間半もあったわけですし…。

    じゃあNetflix映画は劇場映画とどう違うのかと言うのが、つい最近話題になりました。

    マット・デイモンがNetflixがこんなオーダーを受けたらしい。

    『最初の5分に大がかりなシーンを入れられないか? ユーザーに視聴を続けてもらいたい。それに視聴者は観ている間ずっと携帯をいじっているから、セリフでプロットを3、4回繰り返すのも悪くない』

    マット・デイモン、Netflixから映画『Rip/リップ』制作にあたり要求されたことを明かす

    恐らく過去に作ってきた作品や配信してきた作品のデータをもとにした制作方針なのだろう。
    これを見るとNetflixの洋画に大味のアクションが多いと言われるのもわかるような気がするし、超かぐや姫も実はこれに近いのではないかと思う。

    まず目を惹くツクヨミの世界、現代の1歩、2歩先を行った2030年のVR空間、そしてわかりやすい冒頭のナレーション。

    作画やアクションで魅せる作品であるというのも大きい、視聴者がスマホ片手に見てるならスマホを置かせて作品に集中させてやるって気概が見える。
    実際に軽い気持ちでみて画に惹きつけられた人も多いんじゃないだろうか。

    現代パートでも崩し絵やデフォルメを多用したシーンが多く、行動範囲が学校と家と海と花火大会くらいしかないのに引っ越しまで挟み前半後半では雰囲気が全然違う。

    何かのネトフリ作品のインタビューで「倍速視聴が流行ってるけど、絶対にこの作品でそんなことはさせない」みたいなこと言ってた作品があったが本作もその気概を感じる。
    挿入歌を多用することで倍速視聴も少なくなるのではないかと思う。
    セリフより歌のほうが倍速の時違和感あるからね。

    初監督、長尺アニメという劇場不向き、絵で魅せ視聴を止めさせず、曲をじっくり聴かせるために倍速視聴も阻止する作りはまさにNetflix向きの映画だったと言える。

    次のオススメ作品はブラックオニキスは小ネタであって、Netflixの作品としてポイントが押さえられたまさに新世代の映画かと思う。


    ・配信直前から当日のプロモーション

    本作の凄いところが過去のネトフリ作品とは全く別の角度でプロモーションを行い、配信前から人気爆発していたところである。
    前回の記事でプロモーションについてまとめたが、配信日当日にも色々投下されたので最後にまとめる。

    配信日当日もプロモーションの勢いは止まらず、EDテーマはray/BUMP OF CHIKENをTKAU INOUEがアレンジ、かぐやとヤチヨが歌うと発表。
    いや、そんなこと出来るんだ、やっていいんだ…って思うくらい情報量が凄かった。


    そして山下監督がいままでにOP/EDを務めた原作者からイラストとメッセージが発表された。

    .˚⊹/
     『#超かぐや姫!』
     本日1/22(木)17時 Netflix配信開始!
     超!豪華応援イラスト&コメント到着
    .˚⊹\

    ✧ 岸本斉史さん『NARUTO -ナルト-』
    ✧ 芥見下々さん『呪術廻戦』
    ✧ 藤本タツキさん『チェンソーマン』
    ✧ 十日草輔さん『王様ランキング』
    ✧… pic.twitter.com/rXK51veXnD

    — 『超かぐや姫!』公式@Netflix映画 (@Cho_KaguyaHime) January 22, 2026

    チェンソーマンは劇場版がロングヒット、呪術廻戦は1月から3期が始まり、NARUTOもタイミング良く配信開始日にアメトーークで特集を組まれるという奇跡。

    画像
    ここまでNARUTOの投稿が増えると
    岸本先生の絵も目に止まるだろう


    この当日プロモーションもあって、前回の記事から2週間も経ってないがXのフォロワーは2万人も増えていた。

    本当にインターネットがお上手で感心する。
    全ての作品がこれくらいプロモーション上手で届くべき人に作品が届くといいなと切に願います。


    ・まとめ

    文章力が皆無なのでまとまらず、過去一くらい長い文章になってしまった。
    Netflixとしても、オリジナルアニメ映画としてもこれから先に何か繋がるような作品になったことは間違えないと思う。

    途中から有料にしようとしたが区切るポイント考えるの辞めたので全文無料にします。
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