
「指標は全モ」って本当? ドル円の主要指標を調べたら、そうでもなかったw【第4話】
どうも、佐平次です。
前回までは「フラクタル引力」を調べてきました。今回は少し寄り道して、FXの掲示板でおなじみの言葉を調べます。
「指標は全モ」
5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)などで見かける、あの言葉です。
指標発表でドーンと動いても、結局は元に戻る。そういう話ですね。
……それ、本当なら使えるのでは?
ただ、言われていることと、実際の値動きが同じとは限りません。
今回はドル円で、主要な米国指標のあとに本当に全モするのかを調べてみました。
まず「全モ」って何?
「全モ」は「全戻し」のこと。発表で上へ動いたあと、発表前の価格まで戻る。下へ動いてから戻る場合も同じです。

たとえば、150.00円から150.30円へ上がり、その後150.00円まで下がったら全モです。
途中で「少し戻った」だけでは足りません。今回は、元の価格まで戻ったかを見ます。
今回は、こう数えました
検証ルール
通貨ペア:ドル円
時間足:1分足
期間:2021年1月〜2026年9月
基準:発表直前の1分足の終値
対象:発表後15分以内に、基準から上か下へ30pips動いた回
判定:30pipsに達した足の次の1分足から、基準価格へ戻ったか
まず見る期限:発表時刻から4時間以内
ドル円の30pipsは0.30円です。
30pipsに届かなかった回や、同じ1分足で上下両方へ動き、先にどちらへ到達したか分からない回は対象から外しています。
また、30pips動いたその足の中だけで戻ったケースは数えません。1分足の高値・安値だけでは、動いた順番を確定できない場合があるためです。
ここでの「4時間」は発表からの時間です。30pipsに到達してから4時間、ではありません。週末は時計を止め、月曜へ繰り越します。
主要指標を比べた結果は?
雇用統計、物価、景気、金融政策。主要8種類を同じ条件で比べました。

分母は、全発表数ではなく「15分以内に30pips動き、方向を決められた回数」です。雇用統計の失業率・賃金など、同時に出る項目は1回の発表として扱っています。別の種類の指標が同時刻に出た場合は、それぞれに掲載しています。

※FOMC声明の30回中9回は、途中のデータ欠損で判定不能です。灰色部分を「戻らなかった」とは数えていません。会見は開始予定時刻を基準にした補助集計で、声明とは別に表示しています。
「PCEは6割超えか!」と目が行きますが、対象は16回。GDPは10回です。
件数も違いますし、FOMCのように判定できない回もあります。この表だけで、使える指標ランキングを作るのは早そうです。
一つの例として、雇用統計を見てみる
雇用統計・対象48回
全モした 23回
戻らず 25回
発表から4時間以内 / 全モ確認割合 47.9%
雇用統計では、約半分でした。
今回は、戻る回より、4時間以内に戻らない回のほうが少し多い結果でした。
もちろん、これで「全モなんてしない」と言うつもりもありません。23回は実際に戻っています。
ただ、「雇用統計なら戻ってくるだろう」と決めつけるには、心もとない数字でした。
もっと待てば、戻るのでは?
では、4時間で諦めず、もっと待ったらどうでしょう。ここでは雇用統計を例に見ます。
雇用統計・同じ48回
4時間以内 23回
24時間以内 27回
確認できた戻りは4回増えました。ただし、24時間の観測では、戻りを確認できない残り21回のうち19回にデータ欠損があります。
「24時間待っても戻らない回が21回」とは言えません。
週末は時計を止め、月曜へ繰り越して集計しています。ニューヨーク時間の金曜17時〜日曜17時を除いた24時間です。長く待つほど、その後の別の指標やニュースの影響も含まれます。
そして、待っている間が怖い
全モを考えるとき、戻るかどうかばかりに目が行きます。
でも、逆張りをするなら、こちらも気になります。
「戻るまでに、どこまで連れていかれるの?」

これは2022年11月10日のCPI発表時。30pips下へ動いたあとも、さらに大きく下落しました。
今回、4時間以内に戻らず、観測途中に欠測もない回のうち、30pips到達後の同じ方向への追加の動きが最大だった例です。追加の下落は、観測高安で422.8pipsでした。
極端な例を選んでいます。毎回こうなる、という意味ではありません。図の線は1分足の終値、追加の動きの数値は高安から計算しています。
ここで「そろそろ戻るだろう」と買っていたら、なかなかの修行です。
最終的に戻ることと、そこまでポジションを持っていられることは、別の話。
今回は価格が元へ戻るかを調べたもので、売買の損益テストではありません。戻った回でも、途中で損切りになれば負けです。スプレッドなどの費用もあります。
今回わかったこと
① 主要指標を調べても、「発表後は必ず全モ」とは言えなかった。
② 指標による違いはあるけれど、件数と欠測に注意。
③ 戻るかどうかと、トレードで勝てるかは別。
掲示板の言葉は短くて、妙に頭に残ります。
ただ、「指標は全モ」だけでは、どれくらい動いたときに、いつまで待つ話なのかが分かりません。
条件を決めて数えてみると、今回は「そうでもなかったなw」という結果でした。
相場の格言、なかなか手ごわい。
佐平次でした。
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