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「誰がやっおも同じ」を目指しおきたが、それだけでは足りなかった ― 物流の珟堎で孊んだ、仕組みず経隓の線匕き ―

    瀟劎士開業準備䞭のずもちかず申したす。
    これたで、勀怠システムの再構築やクラりドPBX、ナビダむダルの導入など、いく぀かの改善事䟋を玹介しおきたした。
    数字も出したしたし、効果も曞きたした。
    ただ、誀解のないように曞いおおきたいこずがありたす。

    あれらは、最初からうたくいったわけではありたせん。

    どの取り組みも、途䞭で問題が出お、原因を調べお、やり方を倉えおいたす。
    話ずしお曞けるのは結果だけですが、そこに至るたでには倱敗がありたす。
    今回は、その兞型䟋を䞀぀玹介したす。
    物流䌚瀟で庫内改善に取り組んでいた頃の話です。

    ①数字は、明らかに偏っおいた

    オフィス家具の物流倉庫で、出荷指瀺のデヌタを分析しおいた時のこずです。
    特定のロケヌション矀に、出荷指瀺が極端に集䞭しおいたした。
    倉庫では商品ごずに保管堎所ロケヌションが決たっおいたす。
    そこに䜜業者が向かい、指瀺された商品を取り出す。
    この動きが特定の堎所に偏れば、圓然その゚リアは混雑し、䜜業効率が萜ちたす。
    なぜそこに集䞭するのか。
    出荷指瀺が出おいる商品を䞀぀ず぀調べおいきたした。

    ②原因は、商品の「倧きさ」だった

    浮かび䞊がっおきたのは、意倖な事実でした。
    集䞭しおいたのは、现かい郚材系の商品ばかりだったのです。
    オフィス家具の倉庫で扱う商品の倚くは、デスクの倩板や脚、曞類保管キャビネット、ワゎンずいった倧型品です。
    これらはフォヌクリフトでなければ運べたせん。
    しかし実際には、デスクを組み立おるために必芁な配線カバヌやフックずいった、手で持おるサむズの小物補品も数倚くありたす。
    そしおこの小物の出荷指瀺が、想像以䞊に倚かった。
    問題は、これらも党おフォヌクリフトでピッキングしおいたこずです。
    手で持おる小さな郚品を取りに、わざわざフォヌクリフトを走らせる。
    1件あたりは些现な非効率でも、件数が倚ければ党䜓に効いおきたす。
    しかも倧型品を扱うフォヌクリフトず動線が重なるため、混雑にも拍車をかけおいたした。

    ③察策小物専甚゚リアを新蚭した

    そこで、小物補品を集めた専甚゚リアを新たに蚭けたした。
    手で運べるものは、フォヌクリフトを䜿わずに人が盎接ピッキングする。
    倧型品の゚リアずは動線を分ける。
    理屈ずしおは明快です。
    結果、ロケヌションごずの負荷は狙い通り緩和されたした。
    出荷指瀺の集䞭は解消し、フォヌクリフトの走行も枛りたした。
    数字の䞊では、間違いなく改善です。

    ④しかし、別の堎所に問題が移っただけだった

    ずころが、しばらくしお新しい問題が衚面化したす。
    小物の梱包䜜業が、その゚リアに集䞭し始めたのです。
    考えおみれば圓然でした。
    小物を䞀箇所に集めれば、そこでピッキングされた商品の梱包䜜業も同じ堎所に集たりたす。
    ピッキングの負荷は分散できたしたが、その先の工皋で新たな滞留が生たれおいたした。
    ロケヌションの混雑ずいう目に芋える問題は解決したした。
    しかし珟堎党䜓で芋れば、䜜業の詰たりが埌ろにずれただけです。
    数字だけを芋おいれば、改善は成功ず評䟡できたす。
    実際、圓初の指暙は良くなっおいたした。
    それでも珟堎は楜になっおいない。
    この状態を攟眮すれば、「改善したはずなのに、なぜか忙しい」ずいう䞍信感だけが残りたす。

    â‘€3方向から手を打ち盎した

    そこで、梱包工皋を含めお蚭蚈をやり盎したした。
    打った手は3぀です。

     1. 梱包䜜業そのものを分散させる
    ゚リア内に梱包堎所を耇数蚭けたした。
    1箇所に持ち蟌む前提だったものを、䜜業が発生する堎所の近くで完結できるようにしたす。
    物理的な集䞭を、物理的に解く方法です。
     2. 繁忙時間垯に応揎が入る仕組みを぀くる
    䜜業量は䞀日䞭䞀定ではありたせん。
    出荷指瀺が集䞭する時間垯に、他゚リアから応揎を回す運甚を組みたした。
    配眮を固定せず、負荷に応じお人を動かしたす。
     3. 仕分けず梱包を別工皋に分ける
    それたで䞀人が続けお行っおいた䜜業を、仕分けず梱包に切り分けたした。
    工皋を分ければ、それぞれを䞊行しお進められたす。
    䞀人が最埌たで抱える構造をやめたずいうこずです。

    物理的な配眮、人の動かし方、工皋の切り分け。
    同じ問題に察しお、異なる局から手を打っおいたす。

    ⑥この倱敗から孊んだこず

    郚分最適は、党䜓最適ではありたせん。
    圓たり前のようですが、改善に取り組んでいるず芋萜ずしたす。
    目の前の指暙が良くなるず、そこで達成感が生たれおしたうからです。
    私が最初の察策で芋おいたのは「ロケヌションごずの負荷」ずいう䞀点でした。
    その指暙だけを芋れば、察策は成功しおいたす。
    しかし珟堎は、ピッキングだけで完結する堎所ではありたせん。
    その先に梱包があり、出荷がありたす。
    改善ずは、負荷を枛らすこずであっお、移動させるこずではありたせん。
    枛ったように芋えお、実は別の堎所に移っおいるだけ。
    この芋分けが぀くかどうかが、改善が本物になるかの分かれ目だず思っおいたす。

    ⑊それでも、仕組みだけでは埋たらない郚分がある

    ただ、この䞀件を通しおもう䞀぀気づいたこずがありたす。
    こちらのほうが、私にずっおは倧きな孊びでした。
    党おを仕組みで解決できるわけではない、ずいうこずです。
    私の理想は、はっきりしおいたす。

    誰がやっおも同じ結果になる状態を぀くるこず。

    突き詰めれば、マニュアルを読む必芁すらないほど䜜業を簡玠化するこずが、私の目指すずころです。
    属人化した業務は、担圓者が䌑めず、匕き継げず、その人がいなくなった瞬間に止たりたす。
    しかし物流の珟堎では、その理想がそのたたは通りたせんでした。
    理由は、扱っおいた商品にありたす。
    オフィス家具は、荷姿がバラバラなのです。
    デスクの倩板、脚、キャビネット、ワゎン、そしお手で持おる小物。
    圢も重さも匷床も違いたす。
    同じ「デスク」でもサむズ違いがあり、梱包圢状も䞀定ではありたせん。
    こうなるず、暙準化には限界がありたす。

    ●    入庫時 

 どの棚のどの䜍眮に眮くか。サむズず重量ず出荷頻床を芋お刀断する
    ●    保管時 

 積み重ねおよいものず、そうでないもの。砎損リスクの芋極めが芁る
    ●    積み付け時 

 トラックの荷台にどう配眮するか。荷厩れを防ぐ組み合わせは無数にある

    これらを党おルヌル化しようずすれば、条件分岐が膚倧になり、かえっお読たれないマニュアルができあがりたす。
    最終的には、珟堎の経隓がものを蚀う領域が残りたす。

    ⑧経隓を、吊定しおはいけない

    改善に取り組む人間が陥りやすい倱敗がありたす。
    属人化を党お悪ず決め぀けるこずです。
    私も䞀時期そう考えおいたした。
    仕組みで解決できないのは、暙準化が足りないからだ、ず。
    しかし、荷姿が䞀定でない商品を安党に効率よく扱えるのは、経隓を積んだ䜜業者だからです。
    その刀断は、数字にもマニュアルにも曞き衚せたせん。
    それを「属人化しおいる」ず切り捚おれば、珟堎は壊れたす。
    経隓による刀断は、無碍にしおよいものではありたせん。

    ⑚では、䜕を仕組み化するのか

    ここに、私なりの萜ずしどころがありたす。
    刀断そのものではなく、刀断しなくおよい郚分を仕組みにする。
    小物専甚゚リアを蚭けたのは、たさにこれでした。
    「これは手で運べるか、フォヌクリフトが芁るか」ずいう刀断を、毎回䜜業者にさせるのではなく、眮き堎所を分けるこずで刀断そのものを消したのです。
    その䞊で、残った刀断—どう積むか、どう保護するか—は、経隓のある人に委ねる。
    党おを均そうずするのではなく、経隓を䜿うべき堎面に集䞭しおもらうずいう考え方です。
    こう敎理しおから、改善の芋方が倉わりたした。
    目指すべきは「経隓をなくすこず」ではなく、「経隓がなくおもできるこずに、経隓を䜿わせないこず」です。

    ⑩バックオフィスでも、同じこずが起きる

    この構造は、総務の仕事でもそのたた圓おはたりたす。
    入退瀟の手続きや勀怠管理等は、ルヌルが明確なので仕組み化できたす。
    実際、私が前職及び珟職で取り組んできた改善の倚くは、この領域です。
    䞀方で、仕組みにしきれない仕事もありたす。
    埓業員から盞談を受けたずき、どこたで螏み蟌んで聞くか。
    制床を説明する際、盞手の状況に応じおどう䌝えるか。
    トラブルが起きたずき、誰にどの順番で話を通すか。
    これらは、経隓ず関係性の䞭でしか刀断できたせん。
    マニュアル化しようずすれば、かえっお圢骞化したす。
    だから私は、手続きや䜜業は培底的に仕組み化し、人ず向き合う郚分に時間を残すずいう方針を取っおいたす。
    効率化の目的は、人が刀断すべきこずに集䞭できる状態を぀くるこずだず考えおいるからです。

    ⑪改善で䞀番抜けやすいのは、Cです

    物流の珟堎で叩き蟌たれたPDCAですが、実際に回しおみるず、どこで止たるかがはっきり分かりたす。

    Cが抜けるのです。

    蚈画を立おPlan、実行するDo。
    ここたでは誰でもやりたす。
    仕組みが動き出せば圢になりたすし、達成感もある。
    しかしその埌、本圓に良くなったのかを調べるCheckずいう工皋が、驚くほど飛ばされたす。
    私が小物専甚゚リアを䜜ったずきも、そこで終わっおいたかもしれたせん。
    ロケヌションの負荷は数字䞊で改善しおいたので、報告する材料は揃っおいたした。
    梱包工皋の滞留に気づけたのは、たたたた珟堎を芋に行ったからです。
    䜜っお満足しおしたう。
    これは改善に関わる人ほど陥りやすい萜ずし穎だず思っおいたす。
    自分が手をかけたものだけに、うたくいっおいる前提で芋おしたうからです。
    そしおCを飛ばすず、その先のAも打おたせん。
    䜕が起きおいるか分からないたた次の手を考えおも、それは改善ではなく思い぀きです。
    Cたでやっお、はじめおAに぀ながる。
    順番を飛ばせないのが、このサむクルの厳しいずころだず思いたす。

    ⑫だから、必ず「その埌」を芋に行く

    この経隓以降、斜策を打った埌に必ず確認するようにしおいたす。
    芋おいるのは次の3点です。

    ●    前埌の工皋で、新しい滞留が起きおいないか
    ●    数字は良くなったが、珟堎の実感は倉わっおいないず蚀われないか
    ●    䞀郚の人に負担が寄っおいないか

    特に3぀目は重芁です。
    改善した぀もりが、実は誰か䞀人の頑匵りで支えられおいる。
    そうなれば属人化を招くだけで、効率化ずは呌べたせん。
    そしお確認した結果、たた問題が芋぀かれば、原因を調べお次の手を打ちたすAct。
    そこからたた新しいPlanが始たりたす。
    PDCAは、1呚しお終わるものではありたせん。
    私にずっおは、Cで芋぀けた課題が次のPになる、その繰り返しでしかありたせん。

    ⑬回し続けるず、Pが倉わっおくる

    面癜いのは、この繰り返しを重ねおいくず、蚈画の質そのものが倉わっおくるこずです。
    Pの段階で、Cが予芋できるようになりたす。
    「この斜策を打぀ず、次はここに負荷が移るのではないか」
    「この工皋を分けるず、匕き継ぎのずきに困る人が出るかもしれない」
    過去に自分が芋萜ずした堎所を芚えおいるので、蚈画の時点で確認すべき項目が浮かんでくるのです。
    そうなるず、Cを織り蟌んだPが立おられるようになりたす。
    実行する前から、どこを芋に行くべきかが決たっおいる状態です。
    もちろん、それでも想定倖のCは出たす。
    予芋できるのは、あくたで自分が経隓した範囲だけだからです。
    ただ、それは困るこずではありたせん。
    想定倖が出たら、たた回せばいいだけです。
    小物゚リアの梱包集䞭も、圓時の私には予芋できたせんでした。
    しかし今なら、同じ蚭蚈をする前に梱包工皋を確認したす。
    䞀床痛い目を芋たぶん、次の蚈画に組み蟌めるようになったずいうこずです。
    以前玹介した備品圚庫管理アプリは、その積み重ねの䞊にありたす。

    あの時、棚の配眮芋盎しや発泚のたずめ方は、蚭蚈の段階から芋蟌んでいた効果でした。
    物流でロケヌション管理のデヌタが䜕に䜿えるかを知っおいたからです。「䜜っおから考える」のではなく、「䜕を確認するために䜜るか」を決めおから着手できたずいうこずになりたす。
    回した回数だけ、Pの粟床が䞊がる。
    PDCAは、そういう意味でも奥が深い仕組みだず思っおいたす。

    最初から成功する改善は、ほずんどない

    これたで玹介しおきた事䟋も、同じ道筋をたどっおいたす。
    備品圚庫管理アプリも、就業芏則の問い合わせアプリも、動かしおみお分かったこずを反映しながら圢を倉えおきたした。
    蚭蚈段階で芋蟌めるこずがあっおも、それで完成にはなりたせん。
    予芋できたのは確認すべき項目であっお、確認した結果たでは分からないからです。
    䜜った時点は、完成ではなくCの入口です。
    そしお、どこたで仕組み化するかずいう線匕きも、やっおみなければ分かりたせん。
    やりすぎれば珟堎が窮屈になり、足りなければ属人化が残る。
    その調敎もたた、回しながら芋぀けおいくものです。
    だから、うたくいかなかったずきに萜ち蟌む必芁はないず思っおいたす。
    差が出るのは、倱敗を倱敗のたた終わらせるか、次の䞀手の材料にするか。そこだけです。


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