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武士道 第2章 はじめに 原典を読む利点とは

    英文訓読法・・この名前から気づかれた方もいらっしゃると思うが、これは漢文の訓読の応用である。
     我々の祖先は中国語で書かれた難解な文献を読むに当たり、「訓読法」を編み出した。
     中学、高校で習ったあの漢文の脇に振られた、レ点、一二点や片仮名の送り仮名である。時に漢字にルビも振ってある。
     このようなちょっとした工夫で漢文を「原典」で読むことが出来るのである。

     皆様はすでにご経験済みであろう。中学、高校の国語の漢文の時間に、論語や漢詩、史記などを読まれたと思うが、あれは中国の文献の中でも相当レベルが高く難解なものである。それを中国語をまったく知らなくても我々は読めたわけである。

     私の「英文訓読法」はこれの応用である。 
     英文でも漢文でもやはりただの日本語訳を読むよりも「原典」を読んだほうが良い。
     それはよく言われるし、「それはそうだろうな」と私も皆様もきっと思っているはずだろう。
     ただそれは常人にとっては至難の技である。

     しかし、英文訓読法を使って読むということは、日本語と、そして、英語両方で同時に読むということになる。
     すると非常に不思議に思われるかもしれないが、英語と日本語の双方で理解することになるので、お互いにその理解を補い合い、両者合い絡み合い、理解のロープがより頑丈なものになるような気がする。

     英文訓読法で英文を読み出してすぐにこのことに私は気がついた。それは不思議な感覚であった。
     しかし私自身 英語でも手一杯であり余裕もない。そのようなことが起こるわけがないと思っていたわけである。
     それでも次第にいろいろな英文を読み進むと、読み進めば進むほど、この「不思議な感覚」は確信に変わっていった。今はそのようなことは当たり前のことと自分では考えている。

     武士道のような難解な英文を読む場合、英語で読むのも難解だが、日本語訳を読むにしてももかなり難解である。
     これを同時に読むと、日本語だけで読むよりもよりしっかりと理解できるものだということを私は体感している。
     これこそが原典を読む、という利点なのだろう。 

     皆様にもこの「不思議な感覚」を本書をお読みになり体験していただきたいと願っている。 

    令和6年6月24日 橋本英樹 識



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