
【療育探偵01】「できない」と決めつけない。親の物差しを捨てて垣間見えた息子の世界
はじめまして、emcOmi_in_progress と申します。
このページに立ち寄っていただき、ありがとうございます。
このnoteでは、家族を守るために
「仕組み」で戦ってきた私の実体験を綴っています。
先日の記事では、療育4年間の歩みを纏めました。
今回の記事は、療育最初の3ヶ月のお話です。
子育てにおいて、親が不安になるのは
「理由がわからないこと」ではないでしょうか。
なぜ、うちの子にはできないのか。
なぜ、言葉で伝えてくれないのか。
4年前、児童発達支援に通う前の私は、
息子が軽度知的障害という診断(レッテル)を
受けたことで、
息子の愛おしさが社会に
分かってもらえなかったかのような悔しさと、
この先にどんな未来が待つのか……
「ブラックボックス」に手を入れるような
不安を感じていました。
しかし、児童発達支援の最初の3ヶ月の
モニタリング期間を経て、
私は一つの確信を得ることになります。
「息子ができないのではない。
私たちが『自分の世界』から
彼を見ていただけだったんだ」
療育レッスンで今の『彼の世界』を観察し、
『彼の世界』を広げられるように育てようと
考えるようになりました。
何気ないお風呂上がり。
「ここはどこだ?」
「て(手)」
「正解! じゃあ、ここは?」
「おなか」
パパだけ盛り上がるクイズタイム。
これまでは無意識に
タオルで体を拭いていた時間が、
息子との「対話」の時間に変わりました。
息子に言葉の種を意識的に伝えていく。
私たちが彼の世界を広げようと
動き出したワンシーンです。
今回は、息子の個性を学び、
私たちが『新しい仕組み』を作り始める
きっかけとなった3ヶ月間を振り返ります。
児童発達支援に通い始めて最初の3ヶ月。
それは、親である私が
「息子の個性」を紐解く探偵になるための
研修のような時間でもありました。
それまで、なぜ言葉が出ないのか、
歯痒さを感じていた日常が、
専門家の視点を通すことで、
少しずつパーツが組み合わさり、
「図面」に変わっていく感覚があったのです。
1. 1対1のレッスンで見えた「意思」
基本的に先生とマンツーマンのレッスンでした。
画面越しにレッスンを観察して驚いたのは、
言葉は出なくても、
息子は驚くほど饒舌だったことです。
「うん」と頷き、「ううん」と首を振る。
OKサインや指差し、
時には手で大きく「×」を作る。
そこには、「僕はこうしたいんだ」という
確かな意思が溢れていました。
さらに安心したのは、
先生の指示に対して適切な行動がとれていたこと。
「将来、家族以外と対話できるのだろうか」
という私の不安は、彼が見せてくれた実績によって
「知っている言葉なら大人の言うことを
ちゃんと理解できているんだ」
という安心に塗り換えられました。
2. 「修飾語」が足りなかった会話
先生がおもちゃを使いながら、
「赤、青、黄色」「ブドウ、カエル」「手、足」と、
一つひとつ語彙を確認していく様子を見て、
私はハッとしました。
「あぁ、私自身、息子のジェスチャーに甘えて、
会話が端的になりすぎていたかもしれない。
もっと言葉を届けてあげられたはずだ」
それからの私は、
意識的に「実況中継」をするようになりました。
「緑の 葉っぱだね、よく見ると、
赤くて 小さい 丸い 実が くっついてるよ
緑と 赤が きれいだね」
目の前の光景を、
あえて過剰なほど詳細に言葉にする。
息子の中に言葉の種をまく日々でした。
3. 「目で学ぶ」スタイル
3ヶ月の観察で得た最大の収穫は、
彼の学習スタイルが
「圧倒的な視覚優位」であると分かったことです。
わからないことは、先生のお手本をじっと見て、
その動きをコピーして学ぶ。
レッスンの最後におもちゃを片付けるサイクルも、
先生の背中を見て、
いつの間にか自分の習慣に取り入れていました。
「言葉で教え込む」のではなく、
「お手本を見せる(仕組みを見せる)」。
これが彼に伝わりやすい教え方なのではないか、
未来に向けた一つのピースを得た感覚でした。
4. 画面越しに、彼の「プライド」に触れる
一つ、忘れられない光景があります。
休憩中に一生懸命作ったレゴの作品。
レッスン再開の合図があっても、
彼はそれを片付けることができませんでした。
「せっかく作ったんだもん、壊したくないよな」
画面を見ながら、
私は心の中で彼に深く共感していました。
彼は作品をテーブルに置いたまま、
レッスンを再開することができました。
「片付けられない」という問題行動ではなく、
「自分の成果物を大切にしたい」という
彼の自尊心。
それに気づけた時、私はまた一歩、
彼の「通訳者」に近づけた気がしました。
5. 当時を振り返って
先生のフィードバックを受けて始めた、
お風呂上がりの「体の名前クイズ」。
ほんの数分のやり取りでしたが、
彼の言葉が育っていくプロセスを感じられる
愛おしい時間でした。
もし今、
お子さんとの意思疎通に「壁」を感じているなら。
絵本に興味を持ってくれないと悩んでいるなら。
絵本の読み聞かせに疲れたなら。
生活の「実況中継」から
始めてみるのはいかがでしょうか。
次回は、療育4〜6ヶ月目頃の話。
モニタリング期間を経て作られた
初めての支援計画書、
計画に基づいたレッスンについて綴ります。
私の言葉が、
日々、大切な人を支えるため
不安と闘っている誰かの、
足下を照らす小さな灯火になりますように。
emcOmi_in_progress
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