
「タコと人間の再生物語」~暖簾をくぐった先にあったのは?~
「人間やっていくのも大変だけど、タコやってくのも大変なんだね」という有名なテレビCMのセリフがあります。(サントリー樹氷:1983年)
タコも大変ですが、私達もまた出口のないトンネルの中にいるような、閉塞感を日々感じて生きています。この状況を抜け出すのは、本当に容易ではありません。どうしたら希望の明かりを見出すことができるのでしょうか?
そのヒントは非日常 (異界) の空間や時間を体験することだと思うのです。私はお酒が好きで、時々居酒屋に立ち寄りますが、店の前の暖簾をくぐる行為は非日常の空間に入るための儀式だと思っています。
店内では、外界の喧噪や仕事でのストレスを忘れ、酒と肴を愛でる時間に身を任せます。ほんのわずかなひとときですが、心の鎧を脱ぎ棄てた空間では、思いがけない発想や生きるための活力が生まれるのです。
同じことは神社を訪れた時にも経験すると思います。鳥居に一礼して境内に入る行為は、非日常という空間に入るための儀式です。手水舎で手と口を清め、その後にご神前へ進んで参拝をします。清々しい空間で身を清めたためか、心身共にリフレッシュした自分を発見するでしょう。

非日常を通り抜けて再生する物語は、文学や映画でも見られます。村上春樹の小説『海辺のカフカ』では、主人公のカフカが四国の深い森 (異界) での経験を経て、新しく生まれ変わる物語です。
また、映画『千と千尋の神隠し』では、八百万の神々が集う「油屋」という異界へ迷い込んだ千尋が、様々な困難を乗り越えて成長する物語です。両作品ともに、異界を体験することによって生きるための活力を得るのです。
非日常の体験と言っても、そんなに難しいことではないのです。趣味に没頭したり、旅行をしたり、また異文化交流での出会いも、新しい視点 (再生)を手に入れるという意味では異界への参入なのです。皆様方もどうか、リフレッシュ (再生) するためにも、非日常の体験を積極的に取り入れて下さい。

再生と言えば、タコには驚異的な再生能力があるのです。天敵に脚を食いちぎられても、残った部分から新しい組織が再生するのです。しかし、再生が可能とはいえ、命がけの生存戦略なのです。本当に「人間やっていくのも大変だけど、タコやってくのも大変なんだね✨」
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