
「伝わらない」がデフォルト
冒頭の2行を読んだ瞬間、
すっと頭のなかが整理されていく感じがした。
伝えたいことが、伝わった。
それはきっと、共通する前提が多かったということです。
その言葉を目にしたとき、散らかっていた思考が、すっと一列に並んでいくようだった。
伝わらないことは日常の中にいくらでもある。
そんなことは、皆が知っている。
それでも、「伝えなきゃ」「理解してもらわないといけない」と必死になって言葉を重ねる。
「わかってほしい」と思えば思うほど、相手との距離が浮かび上がる。
そして、伝わらなかった時の小さな落胆が、積み重って心の隅にたまっていく。
人と人とは、同じ世界を見ているようでいて、まったく違う風景を見ているのだと思う。
同じ言葉を使っていても、そこに流れている記憶や感情の色はそれぞれ違う。
だからこそ、「共通の前提をつくる」という発想に深く頷いた。
相手の世界に無理やり入りこむのではなく、少しずつ重なりを見つけていくような静かな作業。
「伝える」とは、理解を強要することではなく、分かりあえなさを抱えたまま、寄り添おうとする姿勢なのかもしれない。
「伝わらない」がデフォルト。
その意識を持つだけで、世界の見え方が少し優しくなるような気がする。
