
コンドームを着けると萎えてしまう人へ〜原因は根性ではなく、段取りとサイズ〜
こんにちは。
性典研究家のプリアポスです。
さっきまで十分だったのに、コンドームを着けようとした途端に萎えてしまう。
焦って急いで着けようとして、うまくいかない。
そのあいだに、ますます元気がなくなる。
結局その夜は挿入できずに終わり、「自分はもう駄目なのか」と考え込んでしまう。
こういう経験がある人に、最初に伝えたいことがあります。
それは、あなたの体が弱いからではありません。 勃起の仕組みから考えると、コンドームを着ける場面は、もともと萎えやすい条件がそろっている場面なのです。
今日はその理由と、萎えにくくするための段取りを書きます。
勃起は、リラックスしているときの仕事
まず仕組みの話です。
勃起は、体がリラックスしているときに働く神経の仕事です。逆に、緊張や不安、焦りで体が「戦う側」の状態になると、勃起は引いていきます。
これは、私が勉強してきた講座や医師の解説で、ほぼ例外なく一致している原則です。
「立たなきゃ」と思った瞬間に萎える、という経験がある人は多いと思います。あれは気持ちの弱さではなく、立たせようと力むこと自体が、緊張の側のスイッチを押してしまうからです。
コンドームの場面に、萎える条件がそろっている理由
では、なぜコンドームを着けるときに、それが起きやすいのか。理由は3つあります。
1つ目は、中断です。 袋を探し、開けて、向きを確かめる。そのあいだ、それまで続いていた触れ合いがいったん止まります。刺激が途切れ、意識が自分の手元に移ります。
2つ目は、焦りです。 暗い中でうまく開かない。表裏が分からない。相手を待たせている気がする。この「早くしなきゃ」が、まさに緊張の側のスイッチです。
3つ目は、予期です。 一度でも萎えた経験があると、「また萎えたらどうしよう」と考えながら着けることになります。考えた時点で、体はもう身構えています。
中断と、焦りと、予期。この3つが一度に来るのが、コンドームを着ける数十秒です。萎えるほうが自然な場面だと言っていいくらいです。
段取り: 萎えにくくする3つの準備
原因が分かれば、対策は根性ではなく段取りになります。
1つ目は、ひとりのときに練習しておくこと。 着ける動作を、手が覚えるまで繰り返しておく。表裏の見分け方、開け方、空気を入れずに着ける感覚。本番で頭を使わずに済むようになれば、焦りの大半は消えます。練習のときに、着けたあとの感覚にも慣れておくと、本番で「いつもと違う」と気を取られずに済みます。
2つ目は、サイズを確かめること。 合わないコンドームは、締めつけが気になったり、ずれたり、破れたりします。違和感があると、意識はそこに向き続けます。サイズは長さより太さで合わせるもの、と説明する講師もいます。きつい、ずれる、と感じるなら、まず別のサイズを試してみてください。
3つ目は、置き場所を決めておくこと。 手を伸ばせば届くところに、すぐ取り出せる形で置いておく。探す時間がなくなるだけで、中断はずっと短くなります。
それから、着けるあいだも、相手との触れ合いを完全には切らさないことです。片方の手で相手に触れたまま、キスを続けたまま、という形でもかまいません。相手の前で着けるか、見えないところで着けるかは、好みが分かれるところです。相手に手伝ってもらうのを好む二人もいます。どちらが正解かではなく、二人で決めておくことが、焦りを減らします。
それでも萎えたら
準備をしても、萎えるときは萎えます。大事なのは、そこで慌てないことです。
萎えたら、いったん挿入から離れてください。 無理に立たせようとして自分の手を動かし続けるほど、緊張の側に引っ張られます。
相手には「ちょっと休憩しよう」と一言伝えれば十分です。黙って焦っている姿のほうが、相手を不安にさせます。
挿入できないからといって、その夜が終わるわけではありません。手で触れる、口で触れる、全身をゆっくり撫でる。こうした時間に戻ると、こちらの体もリラックスの側に戻ってきます。そのうちに、また勃起が戻ってくることもあります。戻ってこなくても、相手が満たされる夜にはできます。
「萎えてもいい」と最初から思えていれば、萎えにくくなる。これも、多くの講師が口をそろえて言うことです。
やってはいけないこと
最後に、萎えるのが怖いからといって、やってはいけないことを書いておきます。
着けずに済ませる、途中で外す。 避妊と感染症の予防は、萎えるかどうかより優先されます。相手の同意なく外すのは、同意そのものを踏みにじる行為です
2枚重ねる。 摩擦で破れやすくなるとされ、勧められません
オイル系の潤滑剤を使う。 ラテックスのコンドームを傷めます。水溶性か、コンドームに使えると書かれたものを選んでください
そして、コンドームの場面に限らず萎えることが続く場合や、朝の勃起も減ってきた場合は、気持ちの問題だけではないかもしれません。そのときは、ひとりで抱え込まずに泌尿器科に相談してください。
次はこれをどうぞ
萎えた夜に戻る先のひとつ、指の話です。入れる前に知っておきたい順番を書きました。
膣は筒ではなく、閉じている。指を入れる前に知っておきたい順番
挿入できない夜の組み立ては、『性技大全』に書いています
勃起そのものは医療の領分なので、『性技大全』では扱っていません。
その代わり、挿入に頼らずに満たす流れを、第4部(全身の愛撫)・第7部(クンニ)・第8部(指)に順番どおり並べています。
『性技大全〜46の技と9の体位、そしてその手前にあるもの〜』は、技の手順書です。
技そのものに加えて、技の手前(触れる前の準備と痛みの扱い)と、技のあと(やめどきと終わったあと)まで書きました。