
性の実技教材の実演で何度も見た、最初のひと触りの失敗
こんにちは。
性典研究家のプリアポスです。
実技教材を、これまで数百本検分してきました。
そのなかで、何度も同じ場面に出会っています。指導する側が手本を見せている実演なのに、最初のひと触りで、相手の表情が一瞬だけ変わる。
声は出ていません。それでも、その瞬間を境に反応が落ちていくのが、画面越しにも分かります。
これは技の失敗ではありません。準備の失敗です。今日はその話を書きます。
何が起きていたのか
場面はいつも似ています。
唾液も、愛液も、ローションもついていない乾いた指で、いちばん敏感な場所に触れる。それだけです。
1本や2本の教材の話ではありません。私は同じ失敗を、何本もの教材で見ました。手順の説明はていねいで、技には名前もついている。それなのに、最初のひと触りでつまずいている。
この失敗が厄介なのは、技をいくつ覚えていても防げないところです。どれだけ良い技を知っていても、乾いた指で始めれば同じことが起きます。
「濡れている」と「よく滑る」は別物です
ここを取り違えている人は多いと思います。
「濡れているから大丈夫」と考えて触れる。けれど本当に大事なのは、濡れているかどうかではありません。指がよく滑るかどうかです。
理由は摩擦です。敏感な場所ほど、摩擦の刺激が強すぎると、快感ではなく痛みとして届きます。相手が濡れていても、こちらの指が乾いていれば、触れた瞬間の摩擦は強くなります。
それに、いつも同じ順番で進むとは限りません。口での愛撫のあとなら唾液で濡れているかもしれませんが、手から始める日もあります。
判断の基準を「濡れているか」から「滑るか」に変える。 それだけで、最初のひと触りの失敗はかなり減ります。
滑りを作る手段は3つ
1. ローション
自宅なら、いちばん確実です。選ぶときは、粘膜に使えると明記されている製品にしてください。
2. 唾液
すぐに使えるのが利点です。ただし、乾きます。水分が蒸発すると、かえって摩擦が強くなる。唾液で始めた場合は、乾いてきたら足す前提で使ってください。
3. コンドームの潤滑剤
外出先で使える方法です。コンドームの表面には潤滑剤がついているので、それを指に移して使えます。ローションを持ち歩くより手軽です。
コンドームを使う方法には、教材でよく勧められている別のやり方もあります。私はそのやり方にいくつか注意が要ると考えていて、『性技大全』の第10章にまとめました。
気をつけてほしいこと
ラテックスにアレルギーがある人がいます。発疹、かゆみ、腫れが出たら、すぐに中止して受診してください。 ラテックス以外の素材の製品もあります。
もうひとつ。油分を含むローションやオイルは、ラテックスを劣化させます。 コンドームと一緒に使うなら、水性かシリコン系を選んでください。手元にあるマッサージ用のオイルで代用するのは、避けたほうが安全です。
最初のひと触りを決める、もうひとつのこと
滑りと同じくらい、最初のひと触りの印象を左右するものがあります。手の温度です。
冷やすと感覚が鈍り、温めると戻る。怪我をしたときに患部を冷やすのは、痛みを取るために、あえて感覚を鈍くしているからです。触れられる側の感じ方も、同じ仕組みで変わります。
ところが、手の先は冷えやすい場所です。風呂上がりでも、しばらくするとすぐに冷めます。冷たい手で触れられると、体は気持ちよさより先に、驚きで身構えてしまいます。
手が冷たい自覚がある人は、触れる前に湯で手を洗ってください。それでも冷めるなら、カイロで温めながらでも構いません。
私は、これを軽く見ないほうがいいと思っています。新しい技を1つ覚えるより、効き目が大きいことがあるからです。
なぜ、技より前に置いたのか
『性技大全』では、この話を技のパートより前に置きました。
技を100個覚えても、ここが抜けていれば、最初のひと触りで同じことが起きるからです。逆に言えば、ここを押さえるだけで、すでに知っている技の効き方が変わることがあります。
新しい技を探す前に、次の機会に一度だけ、触れる前に「滑るか」と「手が温かいか」を確かめてみてください。 かかる手間は数秒です。
次はこれをどうぞ
ローションを選ぶとき、温度の話も知っておくと役に立ちます。
「あったかい」で快感UP:温感ローションのススメ
この記事の続きは、『性技大全』の第10章に書いています
コンドームを使う方法の注意点と、指で触れる前の準備は、第2部「触れる前に」にまとめました。
『性技大全〜46の技と9の体位、そしてその手前にあるもの〜』は、技の手順書です。
技そのものに加えて、技の手前(触れる前の準備と痛みの扱い)と、技のあと(やめどきと終わったあと)まで書きました。