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渾身の外角低め真っ直ぐにめからあせ~石川投手の引退試合に寄せて~

    石川投手へのおもいのたけと感謝はココに書いたので。

    今回は石川投手の引退試合のあれやこれやです。

    小林和公審判

    石川投手の話の前に。メンバー表交換の際に、池山さんがドラゴンズの井上一樹監督と小林和公主審を抱きしめていました。

    退任を表明した井上監督はこの日が最後の試合。池山監督はセ・リーグで同時代を生きた6学年下の井上監督を労ったのでしょう。では小林審判は?現在59歳で池山さんの1学年下。試合後には審判団で記念撮影もしており、この日が現役最後の出場だったのでは?

    小林和公さん。1988年ドラフト外でスワローズに入団した元投手。一軍での登板がないまま1991年に引退。1993年から審判となり現在に至る。

    小林さんの引退時に池山さんは全盛期。選手時代にたどり着けなかった神宮球場で、雲の上の存在であったろう池山さんに抱きしめられて、数え切れない球を見てきたはずの石川投手の引退試合を最後に、(たぶん)一線を退く小林審判。華やかな石川投手引退の裏で、静かに去っていく小林審判の後ろ姿。これはこれで忘れられない風景になりました。

    審判の引退を意識したことはなかったな。もっと敬意を払われるべき存在です。

    田口麗斗投手

    石川投手の話の前に。田口投手がユニホーム姿でセレモニーに参加。戦力外通告がありながら、あの場にいられたのはなかなかの異例?そりゃ功労者なので。でも驚きました。観客からも田口投手に歓声が上がり、田口投手にとってもファンにとっても大切な別れの機会になったのではないでしょうか。

    コブシのファンにも挨拶

    試合前にコブシ球場での練習とメディア対応が終わった後に、ギャラリーのファンの方まで歩み寄ってご挨拶をしてくれた石川投手。人柄がにじみ出てるよなあ。これぞ石川投手だよなあ。きっとクラブハウスへの引き上げの時もそんな感じだったのでしょう。見てないけど。

    Continue

    石川投手の登場曲と言えば、すっかり安室奈美恵さんのイメージが定着しているけれど、私が最も好きなのはSEAMOの「Continue」。モチーフがクラシックの「威風堂々」で、小さな大投手にはこの言葉がぴったりです。私にとってのベスト登場曲。イニング間に流れた時には、よくぞやってくれたと心の中で拍手喝采。

    監督3人衆

    古田さん、髙津さん、真中さんは放送席とグランドを往復して、期待通りの存在感でした。石川投手のプロ野球生活がこの3人とともにあったこと、長年のファンとしても、その幸運を感じずにはいられません。

    じゅんじさんもメッセージ出演があって嬉しかったですね。あえて言えば若松さんの姿がなくて残念だったけれど、お年もお年ですし、控えめな方ですし。きっとどこかで見守っていたはず。

    ムーチョ、やっくん、いしちゃん、てつと

    おかえりムーチョ。やっくんは最後のキャッチボール。マウンドではてつとが号泣。でも一番目を奪われたのは胴上げの時に泣きじゃくっていたいしちゃんです。いしちゃんのあんな姿見たことない。いつも控えめで静かないしちゃんの溢れ出る想いに心打たれました。

    神宮の怪物

    さすがさださん。いい言葉だったな。怪物感がなさすぎて怪物だなんて思ったことなかったけれど、石川投手が積み上げてきた数字を考えると、まさに怪物という言葉がふさわしい。でも誰よりも身近で親しみのある怪物です。

    黒いグラブ

    現地では認識できず後々気づいたのだけれど、いつもの浅葱色のグラブではなくクラシックミズノマークの黒いグラブでの登板でした。これルーキーイヤーのグラブですよね。当時のものだったのかな。石川投手がどんな想いで、この日のマウンドに立ったのかを感じられる黒いグラブでした。

    陰の主役

    そこに彼はいたけれど、そこにいない彼がずっと神宮を飛んでいました。イニング間に流れるあの人この人のメッセージを超えて、何の言葉もないあの親友との思い出の数々に心えぐられました。セレモニーでのムービーも始まりは彼。あの彼はだれだったんだろう。そこにいる彼のはずだけれど、あの彼にしか見えなかったな。そして石川投手の親友へのメッセージは短くも珠玉の言葉でした。

    渾身のアウトロー

    肩のケガもあり、今の石川投手にどれくらいのパフォーマンスができるのか本音は心配でした。ところがそんな心配を吹き飛ばす初球。外の真っ直ぐでストライク。何度も見てきたあのストライク。

    そして最後も129キロの最高の外角低め真っ直ぐ。美しかった。かっこよかった。ただただ見惚れた。あの一球を私は決して忘れません。

    石川投手が感極まった二つの瞬間

    ずっと朗らかに高らかに感謝の言葉を伝え続けていた石川投手が、この日、感極まった表情を見せた瞬間が二つあったように思います。一つ目は最後の一球を投げ終わった後。何とも言えない、見たことのない、せつない表情。

    そして二つ目はスピーチの中でチームメイトへの言葉を紡いだ時。あのスピーチで唯一、言葉に詰まった瞬間だったのではないでしょうか。

    「感謝」は明るく伝えようとしていた石川投手も、きっとマウンドとチームメイトとの「別れ」にはやはり受け入れがたい淋しさがあったのではないかと思いました。感謝にはまだ未来があるけれど、別れに次はない。私たちファンにとっても石川「投手」とのお別れです。

    みんないなくなった

    ぜいたくな一日。ことあるごとにめからあせが止まりませんでした。あの神宮登板から引退発表、引退試合まで怒涛の日々でした。私も書きたかったあれやこれやを書いて、まさに自分なりの自己療養だったはずなのだけれど、石川投手への感謝とともに淋しさが募るばかりです。

    ビジターユニホームの「5」、プリントユニホームの「22」、ホームユニホームの「19」、みんないなくなってしまいました。私の次のユニホームは誰になるんだろう。今はまだわからないけれど、いつか誰かに心を貫かれるときがきっとある。はず。

     
     
    東京ヤクルトスワローズを中心に。その周辺に飛び火します。書くことは自己療養の一つであり、Qへの感謝と想い出の結実であり、未来への希望の光だ。

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