
終わったトレードより、終わってない含み損の方がずっと頭に残る
含み損のまま夜をまたいだポジションだけ、何日たっても頭から消えない。決済し終わったトレードは、勝っても負けてもわりとすぐ忘れるのに。
今日、日銀は政策金利を0.25%引き上げて1.25%にすると発表した。9人いる政策委員の賛成多数での決定で、6月の会合から3カ月ぶりの利上げになる。植田総裁は会見で「引き続き政策金利を引き上げる」と述べていて、市場はもう今日の結果より"次はいつ上げるか"の方に目を向け始めてる。
日経平均は65,018円95銭(前日比+882円70銭、+1.38%)で取引を終えた。3日連続の上昇で、9月10日以来となる6万5000円台を取り戻した形だ。半導体関連の株が中心に買われたのに加えて、利上げのニュースが出たのに円が対ドルで強くなりきらなかったことも、輸出企業の株には追い風になったらしい。
理由がどうであれ、今日の分の相場は、これでちゃんと"決着"がついてる。株も動いて、金利も動いて、答えは出た。でも、自分の中で決着してないポジションを抱えてる人は、相場がどれだけ決着しても、それをそのまま今夜に持ち越すことになる。
心理学に「ツァイガルニク効果」という名前がついてる。難しそうな名前だけど、中身は単純だ。「終わったことより、途中で止まったままのことの方が、頭に残りやすい」というだけの話。テストで最後まで解けた問題より、時間切れで手が止まった問題の方を、家に帰ってからも何度も思い出してしまう。あの感覚とほとんど同じ仕組みが、そのままポジションにも働く。
利益確定したトレードは、その日のうちにだいたい忘れる。損切りしたトレードも、痛いけど"もう終わった"という区切りがあるから、意外と早く記憶から薄れていく。一番しつこく残り続けるのは、決済しないまま持ち越した含み損のポジションだ。チャートを閉じても、布団に入っても、頭の隅でずっと点滅してる。
含み損を持ち越した日は、トレード以外のことにも集中できなくなる。仕事中にふと数字を思い出したり、家族と話しててもどこか上の空になったり。ポジションが1つあるだけで、その日1日の質がまるごと落ちる。
しかも今はスマホがある。頭の隅で点滅してるだけなら我慢もできるけど、実際にはそこにアプリが1つあって、いつでも開ける。20分に1回だけ確認するつもりが、気づくと同じ数字を何十回も見て、1時間くらい溶けてる。
しかも今日は金曜日だ。週明けまで動かせないポジションを抱えたまま週末に入る人もいると思う。月曜の朝まで丸2日、何もできないまま含み損だけが頭に居座り続ける。これは"ツァイガルニク効果"が一番強く出る条件が、そろってしまっている状態だ。
昔の俺は、-15pipsくらいの含み損を持ち越した夜ほど、関係のない別の通貨ペアまで気になって、意味もなくチャートを何十分も開いてた。頭の中で決着してないことが1つあるだけで、それとは無関係な判断まで一緒に巻き込まれる。ある夜は、その状態のまま別のペアに手を出して、さらに-20pips増やしたこともあった。
初心者がよくやるのも同じパターンだ。3万円の含み損を抱えたまま「他のところで取り返そう」と別のペアに手を出す。でも頭の中はまだ最初のポジションのことでいっぱいだから、2つ目の判断はいつもより雑になる。1つの未決着が、もう1つの負けを連れてくる。
今の俺は、含み損を持ち越すと決めた時点で、"今日はこのポジションの分だけ、自分の判断力が削られている"と先に見積もるようにしてる。だから、その後の新しいエントリーの基準は普段より一段厳しくする。具体的には、いつもならロット1のところを半分にする、というくらい単純なルールだ。頭の中の未決着そのものは消せなくても、それが暴れる範囲は自分で狭くできる。
この"頭に残り続ける未決着"をどう扱うかは、実はポジションのサイズの決め方と根っこでつながってる。感覚で「今日はなんとなく我慢する」んじゃなくて、毎回同じ手順で扱う。俺が実際にどこで線を引いてるかは、手法noteの方にまとめてる。
相場は今日の分、ちゃんと決着した。あなたの中の"未決着"は、まだ相場のせいにできる話じゃない。
この話が刺さったなら、これも。
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