
【海外現地ラジオ】なぜ英国BBCラジオは人気がある?
こんにちは、ラジオと地理です。
この正月休みに、今年(2026年)はどこに行こうか?行くべきか?プランを練っていました。
その際、以前の記事「なぜ日本はラジオ局が少ないのか?(私見ですが)」を偶然見返したのですが、やっぱり日本と「対極的」なラジオ事情の国が、候補になりますね。(まだ行先は悩んでいますがw)
一つの例として、昨年(2025年)に行った英国と似た国が面白いのかな?と感じました。
そこで、少し古い話とはなってしまいますが、常に英国のラジオ界をリードする公営局「BBC」について、改めて書いてみたいと思います。
私が感じている「英国的」なラジオのスタイル
これまで何度も記事の中で触れてきましたが、欧米には本当に多くのラジオ局がありますね。
その中でも私は、ラジオのあり方に「英国っぽいスタイル」と「北米っぽいスタイル」があるように感じています。
あくまで個人的な印象ではありますが、一つの切り口としては有り得るのかな?と思っています。
英国的と感じるスタイル
私が思う英国的スタイルとは、公共放送が中心にありながら、とても多彩なチャンネルが用意されているところが特徴の一つ。
英国BBCは、ニュース、音楽、トーク、若者向け、落ち着いた大人向けなど、目的ごとにラジオ系統(チャンネル)がキッパリ分かれています。
しかも全国向けだけでなく地域ごとの放送や、ウェールズ語やスコットランド語など、ローカルな言葉を使った番組までありますね。
(ネットでも聞けますが、日本からは一部制限がかかっています)
昨年(2025年)9月にBBCは何と23年振りに3系統を追加し、さらに選択の幅が大きく広がりました(下の画像)
実際に欧州の大きな街でラジオをつけると、FMの周波数帯は多くの局でギッシリ埋まっていて、「こんなに入るの?」と驚くことも珍しくありません。
こうした状況が、ヨーロッパでデジタル地上波ラジオ(DAB/DAB+)が広まった理由のひとつなのでしょうね。

北米のラジオは、少し違った仕組み
一方で「北米的」なラジオは、少し雰囲気が違います。
日本のNHKのように、全国を一気につなぐ大きな公共ラジオ局はありません。米国では「NPR」という組織があり、各地の公共ラジオ局を後方支援する「緩やかなネットワーク」で支えられています。
各地域の局はそれぞれ個性を持ちつつ、ニュース番組などはNPRから提供される、というイメージです。
北米では、DAB/DAB+とは別の方式である「HD Radio」というデジタル地上波ラジオも使われていますが、ここでも背景にあるのは「電波が足りなくなってきた」という背景が大きいですね。
ラジオとの距離感の違い?
こうして見ていくと、欧米は昔から「音声を楽しむ文化」が生活の中に根づいているのかもしれない、と思うようになりました。
家事をしながら、車を運転しながら、仕事をしながら……ラジオが自然に流れている、そんな風景です。
一方の日本は、テレビや映像メディアが中心になって発展してきた国なのかな?とという気がします。
「ラジオを聴く習慣」が、欧米ほど日常に溶け込んでいない部分もあるのかもしれません。
以前の記事でも書きましたが、こうした文化や生活スタイルの違いが、ラジオ局数やラジオの位置づけの違いになっている…背景の一つだとみています。
英国がラジオ大国と呼ばれる理由
英国はBBCのような公共放送だけでなく、商業局や地域密着型のラジオ局がとても多いのも特徴です。
地上波ラジオ局の数は、ローカル局やコミュニティ局を含めると、500局以上あると言われていますね。
移民が多く、スポーツ観戦が盛んといった国民性の違いはあるにせよ、国全体の人口はおよそ6,800万人で、日本の半分ほど。
それでもこれだけの数のラジオ局が成り立っているのですから、ラジオ大国と呼ばれるのも納得ですね。
BBCは、やはり特別な存在
BBCは英国内だけでなく、世界的にも知られた公共放送です。
ラジオにもとても力を入れていて、全国向けだけでも多くのチャンネルがあり、NHKラジオとは全く比較になりません。
最近では「BBC Sounds」という名前で、ラジオ番組だけでなく、様々な音声コンテンツを纏めて楽しめる形になっています。
ラジオが「電波で聴くもの」から、ポッドキャスト等も含め「好きな音声を選んで楽しむもの」へ、変わってきている象徴のようにも感じます。
少し古いデータにはなりますが、2014年、BBCラジオは過去最高のリスナー数を記録しました。
「1週間に5分以上ラジオを聴いた人」の割合(週間接触者率)は、67%にも達したそうです。
しかもこの数字は、民間局も含めた中でのトップだったとのこと。
BBCラジオが、いかに多くの人に支持されているかが分かります。
ちなみに、NHKラジオの週間接触者率は20%を下回っています。
国も文化も違いますから単純な比較はできませんが、数字だけを見ると、ラジオが生活に占める存在感には、かなり差がありますね。
(参考:『デジタル時代のラジオの未来』NHK放送文化研究所年報 2016年)
カギは「番組の質」と「デジタルの使い方」
同じレポートによると、BBCラジオが多くのリスナーを集めた理由は、大きく分けて2つあるそうです。
ひとつ目は、番組の質。
内容のクオリティを大切にしつつ、時たま企画やイベントなどの「ちょっとした驚き」を取り入れていたこと。
そして二つ目は、デジタルメディアの活用です。
特に若い世代を意識して、「聴く(Listen)」「見る(Watch)」「共有する(Share)」という、行動を意識した展開を行っていたとされています。
例えばYouTubeやSNSを使って音声や楽曲をアーカイブ配信したり、スタジオの様子やDJの姿を映像で届けたりと、ラジオの枠にとらわれない取り組みを積極的に進めていたそうです。
こうした話も、今から見ると10年以上前のもの。
現在では、日本のラジオ局でも当たり前になっている取り組みが多いかもしれません。
それでも、世界を代表する公共放送であるBBCでさえ、試行錯誤を重ね、地道な努力を続けてきたことが分かります。
私なんぞがとやかく言える立場ではありませんが、日本のラジオ各局にも、ぜひ頑張って欲しいですね……
参考記事
こちらに一式ございますので、参考とされて下さい