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【国内ラジオ事情】なぜ日本はラジオ局が少ないのか?

    こんにちは、ラジオと地理です。
    海外で現地ラジオ受信を重ねると気になる・・・ことの一つが、当記事のタイトルである日本のラジオ局が少ないことです。
    もちろん単純な話ではなく、様々な背景が潜んでいることは容易に想像できますね。
    例えば法規制・地理的な特徴・政治力・歴史・資金面・他メディア(TVやネット)との比較・ラジオ(受信機)の普及度合い・国民性などでしょうか。
    しかしながら、一通りカバーしようとすると、本格的な論文になってしまいます。
    また、私のような単なる一個人が語るには僭越で、かつ重いテーマ。
    ですので、あくまでも私見の域を出ず恐縮なのですが、書いてみましょう。

    特に欧米は桁違いの局数

    これまで何回も書いて参りましたが、特に先進国である欧米や豪州を中心に、局数は日本よりダントツに多いです。
    特に都市部のFMはビッシリとオンエアしており、足の踏み場が無いほど混雑している場面は、決して珍しくありません。
    米国(USA)に限定しますと、2024年の数字ですが(中継のみの局を除き)地上波ラジオ局数は中波が約4300、FMが約11,000もありますね。
    (こちらの記事もご参照下さい)
    いくら米国は国土が広いとは言え、他にも衛星ラジオやネットだけのラジオを含めると、圧倒的な数字になるでしょう。
    欧州では中波の局数が減っているものの、それでも都市部のFMとデジタル地上波ラジオ(DAB/DAB+)は、相当数の局がオンエアしていることが一般的です。(こちらの記事もご参照下さい)

    さて日本ですが、民放中波と県域FM合わせて100を少し超える程度、コミュニティFMが330くらいなので、他にNHK・短波・衛星とかを含めても500社には至らないと思いますね。
    また、NHKはラジオの系統(チャンネル)が3つ(第一、第二、FM)しかありませんし、第二放送は2026年3月に廃止されます。
    しかし、例えば英国のNHKに相当する公営局「BBC」の、オンラインのみも含めたラジオ(Soundsと定義)系統数は15、豪州のABCは17ですし、地方向け・小地域向けも含めると相当な数に達するのですね。
    (こちらの記事もご参照下さい)

    もちろん「日本が異常で欧米が本来の姿だ!」と言いたいワケではなく、シンプルに「この違いは一体何なの?」と疑問を持ったのです。

    欧米の音声文化と日本の映像文化

    私なりに幾つか考えてみたのですが、一番基本的な所は欧米の音声文化と、日本の映像文化ではないか?と思うのですね。
    古くは浮世絵、現代ではアニメに代表される日本の文化は、音よりも視覚でコンテンツを楽しむいわば「視覚優位」の傾向がある気がします。
    ご存じの通り、基本的には単一民族で島国であった日本は、人々は似た価値観を持ち、独自の文化が発展しました。
    また、日本語は「ハイコンテキスト」な言語の代表格ですし。
    TVの普及によって、ラジオが下火になった「度合い」が、日本は大きいのではないか?という気がします。
    その一方で欧州は大半が陸続きの国で、様々な言語、民族、宗教、風習などが、長い歴史の中で興亡を繰り広げて来ました。
    よって、大抵は「ローコンテクスト」文化ですし、移民で成り立ってきた北米も同様でしょうね。
    つまり、口で伝えないとコミュニケーションが進まない、いわば「まずは話す」文化があるのでしょう。
    例えば演説・ディベート・トーク・コメディなど、話すことと聴くことが重視され、文字より「声で伝える」ことのベースが、古くから根付いているとも言えそうです。
    これがラジオの「見えない基盤」となり、プレゼンスを高める大きな推進力になっている気がしますね。

    ラジオを聞く習慣

    だいぶ以前にBDXC(私が所属する英国のラジオ受信愛好会)のメンバーから「英国人は常日頃からラジオを聞く習慣がある」と聞いたことがあります。
    ただし、今となってはネットとスマホの爆発的な普及で、主に若い世代はラジオ離れが進んでいるので微妙な感じがしますが、中高年を中心にまだ根強く残っているようです。

    特に北米は日本以上にクルマ社会ですから、通勤時の情報源として毎日聞かれる場面が多そうですね。
    また、国民性もあるでしょうが、政治や社会問題を専門に扱う硬派な局や番組も一般的です。
    更に、日本のコミュニティラジオに相当するローカル局も、多くの地域でオンエアしており、地元の生活に深く密着し支持を得ています。
    他にも、多民族国家や移民が多い国なら多言語局(例:豪州のSBS)がありますし、地域によって宗教専門(例:中東ではコーラン専門局)、音楽専門(例:クラシック、ポップス、民族音楽など細分化)、スポーツ専門(例:クリケット、サッカーなど)、ニュース・時事問題専門など、相当数の「専門局」がオンエアしています。
    幅広い選択肢があれば色々な局が聞ける分、ラジオの聴取時間も必然的に長くなりますよね。

    言うまでもなく、国によって独自の文化や法規制など、いわば「お国柄」があって一括りには語れませんが、一つの視点としては有り得るのかな?と思います。
    引き続き、ご愛読のほどよろしくお願いします。

    参考記事

    こちらに一式ございますので、参考とされて下さい


     
     
    ラジオ受信から、地理・地形・文化を読み解いています。 なぜ海岸で遠くの局が聞けるのか? なぜ山一つで聞ける局が変わるのか? 「電波で地理を見る」面白さを発信。 ラジオ関連記事執筆100本以上(三才ブックス等) /英国ラジオ受信愛好会(BDXC) /日本地図学会/地理学専攻

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