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【旅とラジオ】海の近くでAM(中波)とFMを聞いたら?|青森県八戸市

    こんにちは、ラジオと地理です。
    今回は、青森県八戸市での受信についてご紹介してみましょう。

    なぜ八戸なの?

    一番の理由は、地元の民放AMである青森放送(RAB)ラジオが、AM(中波)送信を来年(2026年)1月から2月にかけて順次休止し、6局全部が止まってしまうのです。なので、それ迄に聞いておきたかったから。
    私の以前の記事でも触れましたが、今年(2025年)12月から、いわば「第二弾」となるAM休止の「実証実験」が始まり、同社も参加します。
    実は昨年、青森市に行ったのですが、カード型ラジオだけで函館からのFM、AM双方が強く聞こえて驚いたので、八戸ならどうなのか?気になっていました。
    そこで、ここから北海道局がどこまで聞こえるのか?をチェックしたかったのです。
    逆の方向となる岩手県との県境が近いので、同県の局がどの位入るのか?といった興味もありました(下の地図)

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    AM休止のPR(青森放送サイトより)

    八戸の地形的な特徴って?

    まずは下の地図をご覧ください。
    八戸は青森市と同様に港町ですが、陸奥湾ではなく外洋(太平洋)に直接面しており、日本海からは遠くなります。
    更に、八戸から函館まで直線を引いてみると、途中は陸奥半島がブロックする形になります。
    その一方で、青森市から函館までの間は殆ど海(津軽海峡と陸奥湾)だけですね。
    なお、八戸から北海道の方向は、苫小牧付近から襟裳岬までの間(日高地方)が、海だけとなります。
    実際に八戸港から苫小牧西港まで民間のフェリー(シルバーフェリー)が就航していますが、青函航路より倍の8時間もかかります。
    地図を見れば納得って所でしょうか。
    つまり、青森市と八戸は同じ県とは言え、海岸線を中心とした地形的な条件が、大きく違っている印象ですね。

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    八戸から各方向

    電波は陸上より海上の方が遥かに伝わりやすいので、電波の観点で八戸との相性を簡単に整理すると、次のような感じでしょう。
    【良好】八戸近隣及び岩手県でも青森県との県境付近(二戸や久慈など)辺り、北海道は苫小牧から襟裳岬まで
    【普通】青森県の青森市より東側、岩手県北部(盛岡より北)、北海道の函館より南西側(上図の青線)
    なお、青森県西側と秋田県は間に高い山地があって、厳しそう
    【難しい】それ以外

    距離感ですが、八戸駅から新青森駅まで新幹線で二駅、直線距離で約70kmもありますから、結構離れていますね。
    北海道だと函館が約155km、苫小牧は約235km、札幌だと約280km。
    南方向は岩手県の二戸市まで約30km、盛岡まで約95km、仙台が約255kmとなります。

    どんな所で受信した?なぜここを選んだ?

    今回は、八戸市役所別館・10階にある「展望回廊」を選んでみました。
    東北新幹線が通る八戸駅は市街地の西端なので、中心部から最も近い駅は、ディーゼルの八戸線に乗り換えて二つ目「本八戸」駅でして、市役所はここから歩いて10分以内です。
    市役所なので場所が分かりやすいのですが、八戸は地形が比較的平坦ですし、FM受信に適した高い所が意外と少ないのでは?と思ったのです
    実際、少し高台にあって海まで見渡せましたから、かなりの好条件だと言えますね(下の各写真)

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    使ったラジオ(受信機)
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    市役所別館の外観(最上階が展望回廊)
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    展望回廊からの眺め(海の方向・海まで約4km)
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    展望回廊からの眺め(青森市の方向)

    結果はどうだった?

    前回と同様に日中帯(15時頃)の受信です(2025年9月)が、これは地上波の伸びを知りたいので、混信が発生しやすい夜間を避けたいから。
    また、同じ県内の各局は当然強力ですので、県外局のみ記します。
    受信機は気軽に持ち運んで簡単に楽しめる、ソニー製のカード型ラジオ(SRF-T355)のみです(これも私のポリシー)
    【FMの受信結果】
    左から周波数(MHz)、局名、送信地、電波の強さ、の順
    77.0  エフエム岩手 (岩手県野田村) 普通
    80.5  岩手放送(IBC)ラジオFM補完(岩手県二戸市)強い
    82.2 エフエム岩手 (岩手県二戸市)かなり強い
    84.9  NHK-FM 盛岡 (岩手県二戸市)かなり強い
    【AMの受信結果】
    左から周波数(kHz)、局名、送信地/出力、電波の強さ、の順
    531  NHK第一 盛岡 (岩手県盛岡市 / 10kW) 普通
    567  NHK第一 札幌(北海道江別市 / 100kW) やや弱い
    639  札幌テレビ放送(STV)ラジオ(北海道函館市 / 5kW)弱い
    675  NHK第一 函館 (函館市 / 5kW) 弱い
    684  岩手放送(IBC)ラジオ(岩手県久慈市 / 0.1kW) 普通
    747 NHK第二  札幌 (北海道江別市 / 500kW) 普通
    774  NHK第二 秋田 (秋田県大潟村 / 500kW) 強い
    864 北海道放送(HBC)ラジオ(北海道室蘭市 / 3kW)弱い
    891  NHK第一 仙台 (宮城県仙台市 / 20kW) 弱い
    900 北海道放送(HBC)ラジオ(函館市 / 5kW)弱い
    936  秋田放送 (秋田市 / 5kW) 弱い
    945  NHK第一 室蘭 (室蘭市 / 3kW) 弱い
    1260 東北放送(tbc)ラジオ (仙台市 / 20kW) 弱い
    1287  北海道放送(HBC)ラジオ(江別市 / 50kW)かなり弱い
    1386  NHK第二 盛岡 (盛岡市 / 10kW) 普通
    1440 札幌テレビ放送(STV)ラジオ(室蘭市 / 1kW)弱い
    1503  NHK第一 秋田 (秋田市 / 10kW) かなり弱い
    ※NHK第二放送は、2026年3月に廃止

    興味深い結果はあった?

    やはり海に近い場所柄、AMとFMの差がクッキリと出ましたね。
    海面に沿ってジワジワと伝わるAMは、弱めながらも北海道各局が続々と入りましたが、逆にFMではカスリもしません。
    FMの電波は光の性質に近くなり直線的に飛ぶので、間が海上でも150km離れてしまうと、ハードルが高くなるのでしょう。
    (受信側か送信側のどちらか or 双方が高い所、送信出力が高い、指向性が向いている etc)
    冒頭で、青森市内では函館のFM局が強く聞こえたと書きました。
    直線距離は100kmを少し越える程度ですが、送信所が函館山(標高約330m)にあって、かつ間は完全に海面のみ(陸奥半島にはかからない)とった好条件だからでしょう。
    NHK第二放送は来年3月末で廃止予定ですが、国内では最高出力(世界的にも有数の高出力)となる、500kWのスーパーパワー送信所!札幌局(747kHz)と秋田局(774kHz)は、安定して聞こえていました。
    秋田局は、日中でも山陰の日本海沿岸まで聞こえますね。

    引き続き、全国各地で聞いた内容を書いてまいります。

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    ラジオ受信から、地理・地形・文化を読み解いています。 なぜ海岸で遠くの局が聞けるのか? なぜ山一つで聞ける局が変わるのか? 「電波で地理を見る」面白さを発信。 ラジオ関連記事執筆100本以上(三才ブックス等) /英国ラジオ受信愛好会(BDXC) /日本地図学会/地理学専攻

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