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【旅とラジオ】名古屋AM各局が強い|滋賀県大津市

    こんにちは、ラジオと地理です。
    これまで、全国各地でラジオを聞いて参りましたが、実際に行って聞いてみないと分からないことが、必ずありました。
    いわば、地図では読めない「新たな発見」ですね。
    今回も、このような体験が出来た場所として、滋賀県大津市での受信に触れたいと思います。

    なぜ大津なの?

    大津は滋賀県の県庁都市として知られていますが、位置的には京都市に隣接し琵琶湖の一番南、滋賀県としては南西の端となりますね。
    今年2月にここでラジオを聞く機会があったのですが、地図上では断然近いハズの在阪AM3局より、東方向の名古屋各局が強く聞こえ、不思議に感じたのです。
    これは、距離の常識だけでは説明し切れない、かなり地理的なテーマですね。なぜこのような現象が発生するのでしょう?
    なお、当記事での名古屋各局とはCBCラジオ、TOKAI RADIO、名古屋のNHK-R1(現AM)とR2(既に廃止)、在阪AM3局とはABCラジオ、MBSラジオ、OBCラジオを指します。

    大津から名古屋西部までの地形

    まず確認しておきたいのは、名古屋各局の送信所がある名古屋市の西側から大津へ至るまで、経路が平坦ではないということ。
    両地域の間には鈴鹿山脈が横たわり、標高1000メートルを超える峰々もありますね。(御在所岳など)
    つまり、名古屋からの電波はこの山間部を乗り越えて、大津に到達していますから、単純に「広い平野だから有利」という説明は成り立ちません。
    それでも名古屋各局が良好に受信できる背景の一つは、送信所の立地条件が関係しているのでは?…と思うのです。
    名古屋各局の送信所は、名古屋中心部より西側の低地、あま市・弥富市・桑名市に位置しています。(下図の青丸付近)
    この地域は河口に近い沖積低地で、地面の電気的な性質(導電率)が高く、地表に沿って進む電波が弱まりにくい。
    さらに、送信所から大津市(下図赤丸)の方向は、ビル等の人工構造物が多い都市部を通らないので、余計な損失を受けにくいのは?と思うのです。

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    大津(赤丸)から名古屋各局の送信所(青丸)と在阪AM3局の送信所付近(緑丸)

    大津から堺・高石までの地形

    一方、在阪AM3局の送信所は、堺市や高石市付近の臨海低地にあります。
    地形的には良好な場所であり、大津までの間に高い山間部がブロックするワケでもありません。
    ただし経路全体を見ると、大阪湾岸の大都市圏から送信された電波は、都市部や丘陵地帯が連続するエリア(JR学研都市線や京阪線沿線)を通り、北東へ進みますね。
    こうした地表面の変化や人工構造物の多さは、距離の中で少しずつ減衰を積み重ねる要因になるのでは?と思えるのです。

    つまりこの現象は「山が有るか無いか」「距離が近いか遠いか」といった単純な比較では説明できません。
    あくまでも地理的な観点から察するに、送信所周辺の開け方、更に経路上で障害物がどれだけ連続するか?といった、条件の積み重ねが影響していると考えています。

    大津へKBS京都滋賀局(彦根市)を、停波前に聞きに行きました(下記事)

    参考記事のご紹介

    こちらに一通りございますので、参考までにどうぞ。


     
     
    ラジオ受信から、地理・地形・文化を読み解いています。 なぜ海岸で遠くの局が聞けるのか? なぜ山一つで聞ける局が変わるのか? 「電波で地理を見る」面白さを発信。 ラジオ関連記事執筆100本以上(三才ブックス等) /英国ラジオ受信愛好会(BDXC) /日本地図学会/地理学専攻

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