「火山の噴火がフランス革命を起こした」「ローマ帝国は鉛中毒で滅んだ」。一度聞いたら誰かに話したくなる、歴史の意外な因果関係。でも、その説明はどこまで確かなのでしょうか。このマガジンでは、広く知られた歴史雑学や魅力的な仮説を、史料や研究を手がかりに読み直します。否定された説、証拠が足りない説、いまも議論が続く説を分けながら、「なぜその話が広まったのか」まで探ります。目指すのは、通説を笑うことでも、逆張りの正解を押しつけることでもありません。わかりやすい物語を少しほどいて、複雑な過去のおもしろさに出会うこと。知っているつもりの歴史が、ちょっと違って見えてくる読み物です。歴史は、疑ってからが面白い。
ドラゴンはどうすれば火を吐けるのか。その肉はどんな味がするのか。形を変え、分裂するスライムは、何をもって「同じ一匹」と呼べるのか。おなじみのモンスターを入口に、物理学、生物学、哲学、文学史を横断するマガジンです。怪物の身体を科学で検討し、物語の系譜をたどり、人間が引いてきた境界を問い直す。「架空だから何でもあり」で済ませず、わかることと想像に委ねることを丁寧に切り分けます。『ベーオウルフ』に描かれた竜の炎と財宝の関係から、スライムが揺さぶる生命と人格の条件まで。存在しないものを真面目に考えることで、現実世界と私たち自身の輪郭が見えてくる。空想を楽しみながら、知識と思考の射程を広げる怪物探究へ。
「イドラ」「社会契約」「見えざる手」。高校の倫理・政経で覚えたあの言葉を、大人になったいま、もう一度。AIは善悪を判断できるのか。民主主義はどう変わるのか。豊かさはなぜ偏るのか。教科書で出会った思想や仕組みを入り口に、哲学、政治学、経済学の最前線へと進む、学び直しのシリーズです。毎回ひとつの概念を取り上げ、生まれた時代の背景から最新の研究や論争までたどります。働き方やお金の悩みも、ニュースの向こうの世界情勢も、先人の問いとつなぐことで違って見えてくる。かつて暗記した言葉を、社会を読み解き、自分の頭で考えるための道具へ。懐かしい教科書の先に広がる、まだ答えのない世界を、一緒に探っていきましょう。
「会議」「退屈」「待ち時間」「におい」「修理」「推し活」——身近すぎて、学問の対象とは思わなかったものにも、研究の蓄積と名前がある。本マガジン「学問がある」は、近年生まれた新しい学問、まだ輪郭を結びつつある研究領域、既存分野の境界で育つ小さな知の島々を紹介する総覧。学会や専門誌の誕生から、独自の方法や言葉が育ち、一つの分野になる過程にまで丁寧に目を向ける。何を測り、どんな問いを立て、なぜ今それを研究するのか。専門用語をほどきながら、世界の見え方を少し変える学問の入口を案内する。新しい対象ではなく、見慣れた日常を新しく見ることから、学問は始まる。
ここには、あなたの知らない「学問がある」。
この論集が目指すのは、人文学の無条件の弁護ではない。人文学の名で提示されたすべての言説が知識であるわけではなく、人文学の制度がつねに批判的であったわけでもない。学界には閉鎖性、権威主義、排除、政治権力への追随、戦争への協力の歴史がある。
だからこそ問う必要がある。何が人文学的成果を知識として成立させるのか。どのような条件のもとで、その知識は社会的価値へ変わるのか。どのような制度が批判と自己修正を可能にし、また不可能にするのか。
「人文知/人文学論集」は、人文学を称揚するためではなく、その価値、責任、失敗、存立条件を、検討可能な言葉で記述するための論考集である。