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陰陽師の隣で 第十一話『呼び寄せた母』

    母が亡くなった事を知らせる為、私は親戚中へ連絡をした。

    もちろん、母の実家にも。

    母方の親戚達はかなり驚いていたらしい。

    無理もない。

    ついこの間まで、元気に帰省していたのだから。


    陰陽師の先生の言葉は確かに怖かった。


    けれど、冷静に考えれば、母の身体はもう限界だったのだと思う。


    長年のアルコール依存症で、内臓も脳も、身体の殆どが蝕まれていた。


    どちらにしろ、寿命が尽きる頃だったのかもしれない。


    葬式は無事に終わった。

    納骨も滞りなく済ませる事が出来た。


    少し時間に余裕が出来た頃、私は再び陰陽師の先生の家へお邪魔した。

    母が亡くなった事を報告した。

    先生は私の顔を見るなり言った。


    「そうみたいやな」


    そして続けた。


    「ついて来とるで」


    ——え?

    私は思わず聞き返した。

    「四十九日も終わったのにですか?」


    先生は静かに頷いた。

    「本当に? なんでですかね?」

    すると先生は急に黙り込んだ。

    眉間に皺を寄せたまま、何かを考えている。


    重たい沈黙が流れた。


    五分くらい経った頃だろうか。

    先生はようやく口を開いた。

    「今日、お前。何しに来たんかわかるか?」

    「えっと……」

    私は改めて考えた。

    母が亡くなった報告?

    でも、それなら電話でも出来る。


    何故わざわざここへ来たのだろう。

    答えられずにいると、先生が静かに言った。

    「どうやら、お母さんはワシに用事があって来たみたいやな」

    私は思わず息を呑む。


    「ここへ来る為に、お前を呼び寄せたみたいや」

    「そうなんですか?」

    思わず聞き返した。

    「霊体になってるなら、自分で来れそうなのに……なんで私まで来させたんやろ」

    すると先生は当然のように答えた。


    「ワシの家、結界張っとるからな」


    「え?」

    「入ろうとしても、結界で入れんかったんやろ」

    なるほど。

    妙に納得してしまった。


    その直後だった。


    先生と聖さんが突然立ち上がった。


    先生は狩衣へ着替え始める。


    聖さんも、以前見た巫女姿へ戻っていた。


    二人は祭壇のある奥の部屋へ移動する。

    すると聖さんが、私へ声をかけた。


    「こっち来て。一緒に座って」

    私は言われるまま、祭壇の前へ座った。

    ——一体、何が始まるのか。

    母は先生へ、何を伝えに来たのか。

    その瞬間。

    身体中に、ゾクッと悪寒が走った。



     
     
    初めまして。noteを初めてまだ日が浅いので読みにくいかと思いますが、どうぞよろしくお願いします。

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