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【簡単あらすじ】むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。(微ネタバレ)【青柳碧人/双葉文庫】


    『 祇園精舎の鐘の声-諸行無常の響きあり-』


    青柳碧人さんの人気シリーズ「日本昔ばなし×ミステリー」です。

    今作は「安楽椅子探偵」も登場する等、様々な設定のミステリーで飽きません。

    是非ご一読ください。





    ―

    『はじめに』
    日に日に夏に近づき、夏日となる日が多くなっています。しかし、梅雨の時期にも近づいているからか、突然の雨と涼しくなり激しい気温差によって体調を崩している方も多いです。
    そうすると、部屋で過ごすことが多くなり、現在は読書が捗る時期とも言えます。
    このように、読書をするための絶好のシチュエーションを得られる時期ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

    ーー

    青柳碧人さんの人気シリーズ「日本昔ばなし×ミステリー」です。

    本作は、以下の五編になっています。

    ー

    1.こぶとり奇譚|こぶとりじいさん

    『 鬼のしわざと申すか 』

    雨落山に住む鬼は、「生き物を殺さずにその体の一部をもぎ取り、他の生き物にくっつける」ことが出来るという。

    その山の近くにある紫蘇野村で起こった殺人事件の解決に、「黒頬かむりの甚五」という二つ名で呼ばれる役人が派遣された。

    2.陰陽師、耳なし芳一に出会う。|耳なし芳一

    『 芳一、どこへ行った!』

    由緒正しき陰陽師一族蘆屋家で、女性ながらも陰陽道を継いだ桃花。

    継いだ後も陰陽道に邁進してきた桃花だったが、ある夜、二年以上も顔を見ることが無かった兄が僧に折檻を受けている夢を見る。

    これは何かの凶兆だと思い、兄が住む漁村へ向かう。

    3.女か、雀か、虎か|舌きり雀

    『 迷うのう‥‥‥』

    村に住む・作兵衛というおじいさんがいた。

    作兵衛は、相手が目の前に居ようとも、自分のどんな気持ちであっても口に出してしまうほどの正直者だった。

    ある時ネコに襲われ傷ついた一羽のすずめを保護した作兵衛。

    体調は回復したものの、おばあさんに舌を切られてしまい逃げ出した。

    そのすずめがいるというすずめのお宿に辿り着いたおじいさんは、
    一晩の歓待を受け、その帰りにお土産を貰えることになった。

    虎の絵が描かれた大きなつづらか
    雀の絵が描かれた中ぐらいのつづらか、
    女の絵が描かれた小さいつづらか、

    作兵衛は選択を迫られていた…

    4.三年安楽椅子太郎|三年寝太郎

    『 雪女の話は嘘だ 』

    村の少女・なえ。

    なえは、家族にも「口から生まれてきたんでねえのか」と言われるほどのおしゃべり好きである。

    ある時なえはお殿様に呼び出され、昨年秋に出会った、山の小屋に住む不思議な男・太郎の話をすることになる。

    5.金太郎城殺人事件|金太郎

    『 青鬼の右腕の話をはじめよう 』

    太郎の話をしたところ、お殿様に気に入られ、隣国のお殿様との知恵比べの舞台に呼ばれたなえ。

    その舞台となった金太郎城にはなえを含め10名が集まった。

    知恵比べの問題となる「謎かけ歌」を聞き、宴が開かれた翌朝、金太郎城主の死体が発見された。


    ―

    大好評&シリーズ化された、青柳碧人さんの「日本昔ばなし×ミステリー」作品ですが、今作も安定の面白さでした。

    個人的には、

    虎か、雀か、女か、

    がおススメです。

    仕事で、学生に授業を行うなど交流があるのですが、学生との雑談の際に
    「正直なことが(無条件で)褒められることは、学生時代までだよ」
    という話しをすることがあります。

    この話をすると、学生は「大人がそんな話をしていいのかよ~」などと言いながら盛り上がりますし、文字だけで見ると「そんな話を大人がすべきではない」と考える方もいらっしゃると思います。

    当然ですが、私も(基本的には)人間は正直者であることが望ましいですし、そういう過ごし方をすると、業務や人間関係においてプラスになったことが多くあります。

    しかし、「無条件で正直者であるべき」という意見には全く賛成出来ません。

    社会人の皆さんであれば納得して頂けるでしょうが、人間関係について・業務遂行において、よりよい結果を得るためには、正直者であることが邪魔になることも多いです。

    特に、会話については、真実とは違ったことを話す必要も出てきます。

    これについて、私は「嘘をついている」というのではなく「真実を話さない」と言っているのですが、大人になるにしたがってこの考えが重要になります。

    この作品はそれが出来ない人間について、ifをまじえての進行になります。
    正直者である(正直者すぎる)おじいさんの行く末はどうなるのでしょうか。

    ※巻末の解説では、青柳碧人さんの作者年表?のようなまとめもありますので、ファンの方・もっと青柳碧人さんを知りたい方に読んで頂きたいです。

    昔ばなしから、学びを得ることも出来る一作。
    是非ご一読ください。


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