メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【短編小説】あしたは、くる

    塞ぎ込む日々に差す、一筋の光


    カーテンの隙間から
    かすかな光が漏れていた。
    でも、起き上がる理由はない。

    頭が痛いわけでも
    熱があるわけでもない。

    ただ、何もしたくない。

    呼吸をするのも面倒で、
    息を吐くたびに心が擦り減っていくような気がしていた。

    「今日も、生きてる……のか」

    ベッドに沈む身体。
    掛け布団が、まるで重たい岩のようだった。

    誰にも会いたくない。
    声を聞かれるのが怖い。
    笑えない自分が、世界にバレるのがいやだ。

    スマホの通知音が1つ鳴るたびに、
    胸がざわついて、手を伸ばせなくなる。

    ──置いていかれてる。

    そんな風に思ってしまうのは、
    自分が何もしようとしてないからだ。
    でも、分かっていても、できない。

    「がんばらなくていい」なんて言葉、
    がんばれない人間には、逆に苦しい。

    “がんばらないこと”すら、
    がんばらなきゃいけない気がして、
    もっと動けなくなる。

    ……そんな私の目に、ふと映ったのは、
    ベッド脇に転がっていた、くまのぬいぐるみだった。

    片耳がちぎれかけて、毛並みもボサボサ。
    でも、なぜだろう。
    見つめていると、少しだけ懐かしい匂いがした。

    「この子だけは、捨てられずにいたな……」

    ぬいぐるみを抱き寄せて、静かに目を閉じた。
    目の奥がじんわりと熱くなる。
    涙なのか、疲労なのか、よくわからなかった。

    ──でも、この瞬間だけは、
    “誰かとつながっている”気がした。

    私の中で、何かが小さく“ひらいた”。

    声に出してみる。

    「……あしたは、くるのかな」

    それは、願いではなく、確認のようだった。

    くまは、静かにうなずいた気がした。
    「くるよ」と、当たり前のように。



    🌱ここから先は、あなたの“心のラボ”です。

    この先には、
    ■ 主人公があしたを信じ始める、ほんの小さな勇気
    ■ 「生きること」に新しい意味を見出していく、静かな再生の記録
    ■ “誰でも一度は感じたことのある”あの無力さと、そこから生まれる光
    が描かれていきます。



    🔹もし、あなたがこんな人なら…
    • 朝が来るのが怖い
    • 「大丈夫」って言われると、かえって苦しい
    • 誰かの一言で、今日を越えられた経験がある
    • “言葉”に救われたことがある



    🔸この先を読むと…
    • 「自分だけじゃなかった」と少し安心できる
    • 静かに、心があたたまっていく
    • “あした”を少しだけ、信じてみたくなる
    • 読み終わるころには、深呼吸したくなる



    💌『心のラボ』メンバーシップ

    この作品を含め、
    • 鬱や不安、孤独に寄り添う物語
    • 心が整う“夜のことば”
    • 本では出会えない、小さくて深い気づき

    ──を、更新中です。


    👉 メンバーになる


    “あした”は、どこから来るのか?


    窓際に、足を伸ばした。
    ふらつく膝に手を添えて、そっと立ち上がる。

    窓を開けると、
    思っていたより空は青く、風がやさしかった。

    ああ──
    世界は、私が止まっていても、ちゃんと動いてたんだ。

    そう思うと、少しだけ、悔しくなった。
    私は何をしていたんだろう。
    いや、何もできなかったんだ。

    机の上には、埃をかぶったノート。
    開いたページに、昔の自分が書いた言葉。

    「来年の誕生日には、パンケーキを食べに行く」

    ……行けなかったな。
    でも、あのときの私は、
    たしかに“あした”を思ってた。

    「じゃあ、今年はどうする?」

    問いかけたのは、私自身だった。

    くまのぬいぐるみが、首をかしげた気がする。

    そうだね。
    何か、小さなことからでいい。

    パン屋の匂いをかぎに行く。
    ベンチに座って空を見上げる。
    コンビニで温かいお茶を買う。

    それだけでも、
    “今日を生きた”ことになるんじゃないか。

    私は、初めて自分に小さくうなずいた。
    できなかったことよりも、
    今日、できたことを数えようって。

    そしてまた、声に出した。

    「あしたは、くる」

    ──今度は、確信だった。


    【あとがき】


    “あした”は、いつも優しいわけじゃない。
    でも、“あした”がくるというだけで、
    人は少しだけ、前を向ける。

    この物語が、
    あなたの“あした”につながる橋になりますように。



    もし、この物語が少しでもあなたの心に届いたら、
    『心のラボ』で、次の“言葉”をお待ちしています。

    あなたのペースで、あなたのリズムで。

    この記事が参加している募集

     
     
    鬱も癌も、ダイエットも育児も……ぜんぶネタに変えて書いてます🤣 「笑ったらちょっと楽になる」を信条に、怪談から子育て、発信術まで幅広く発信中✍️ 日常のトラブルもユーモアに変換して、読んだ人がクスッと肩の力を抜けるような記事を目指しています。あなたのスキが、次のボケの燃料に⁉️

    あなたへのおすすめ