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読めない夜に、やさしい夢をくれた本。― やなせたかし『人生なんて夢だけど』 ―

    仕事に追われ、子どもを追いかけ、
    気づけば一日があっという間に過ぎていく。

    読みかけの本が、いつの間にか枕元で眠っています。
    ページを開く時間さえ、少し贅沢に感じてしまうような日々。

    それでも、どうしても読みたくなった一冊がありました。
    やなせたかしさんの自叙伝『人生なんて夢だけど』。

    NHKの連続テレビ小説『あんぱん』は見逃してしまったのですが、この本を手に取ってからというもの、やなせたかしさんの言葉がずっと胸に残っています。

    「人生の楽しみの中で最高のものは、やはり人を喜ばせることでしょう。」

    やなせたかし『人生なんて夢だけど』より

    この一文を読んだとき、思わず息をのんでしまいました。
    やなせさんの人生は、決して順風満帆ではありません。
    戦争、貧困、失敗、そして挫折。

    それでも「誰かの笑顔を見たい」と描き続けた人。

    “正義とは、飢えた人にパンを分け与えること。”
    その信念は、彼の作品すべての根に流れています。

    私も、仕事で、母として、日々誰かに手を差しのべようとしながら、
    ときどき疲れてしまう。
    そんな夜にこの本を読むと、
    「それでも人のために生きたい」と思える不思議な力が湧いてきました。

    “人を助けること”は、特別なことじゃない。
    たとえ小さなことでも、目の前の誰かの笑顔につながるなら、それがもう「幸せ」なんだ――。
    そんなメッセージが、ページをめくるたびに優しく伝わってくるのです。

    忙しい日々の中で、自分のことで精いっぱいになってしまうとき、
    この本を読むと、また誰かに優しくしたくなる。
    そういう意味で、“読後に世界がやわらかくなる本”でした。

    “人を喜ばせる”って、特別なことじゃない。
    小さな「おはよう」や「ありがとう」にも、
    その想いはちゃんと宿っている。

    “誰かを喜ばせること”は、
    ほんの小さな日常の中に、もうあるのかもしれない。
    この本は、そんなやさしい夢をみせてくれました。

    あなたのほんの小さな勇気が、
    今日も誰かの心を救っているかもしれません。

    喜木 拝

    #本田健 さんの#ハッピーライティングマラソン第8回のお題によせて綴りました。
    読めない夜に、やさしい夢をくれた本。
    やなせたかしさん『人生なんて夢だけど』。
    「人を喜ばせることこそ、人生の最高の楽しみ」
    その言葉が、疲れた心をふっと温めてくれました。

    ここまで、お読みいただきありがとうございます💖

    第1回はこちら👇


    前回の「二十代のころに読んだ本」について綴った第7回はこちら👇


     
     
    本が好きなのに、今は読めないあなたへ。 本とことばで、忙しい毎日に小さな余白を届けます。 図書館司書/4歳娘の母/ブックシェアコーディネーター。 メンバーシップ「凛のことのはライブラリー」運営中。

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