
「(324)最低速度」ってどこに設置されているの?
「最高速度」の規制標識は街中や高速道路などで良く見かける。一方、「最低速度」という標識もあるのはご存じだろうか。見たことがないというドライバーも多いかもしれない。この記事では最低速度標識がどういう理由でどういう場所に設置されるのかについて深堀する。

設置される理由
警察庁が発行する「交通規制基準」には、「自動車の低速走行を規制することによって、交通の安全と円滑を図ることを目的とする」と書かれている。原則として80キロメートル毎時以上の最高速度規制が行われている高速自動車国道以外の道路で特に必要と認められる区間に設置される。
設置される道路としては
● 高速自動車国道と接続する自動車専用道路において最低速度の連続性を担保する必要がある区間
● 橋梁部、観光地、名勝史跡等を通過する自動車の低速走行により、一般交通に著しく支障を及ぼす区間
とされている。

日高自動車道 沼ノ端西IC 国道235号
最低速度は可変標識
法律的根拠と設置される道路
ところで、一般道は一部標識で指定がある場合を除いて時速60kmが(法定)最高速度である。「低速走行」は、「最低速度の指定は、原則として50キロメートル毎時」とされていることからも、政令で最低速度が定義済みの高速自動車国道ではない自動車専用道路 (=一般国道自動車専用道路)への設置を想定している。
一般国道自動車専用道路は、一見すると通常の高速自動車国道と見分けがつかない、普通の高速道路である。
道路交通法では、第二十三条と第七十五条の四で最低速度について規定されている。前者は一般国道自動車専用道路が、後者は高速自動車国道の本線車道が想定されている。違いは、後者は標識の設置がなくても「政令で定める最低速度」が規定されており、これが50キロメートル毎時であるため、最低速度の標識を設置する必要はない。
(最低速度)
第二十三条 自動車は、道路標識等によりその最低速度が指定されている道路(第七十五条の四に規定する高速自動車国道の本線車道を除く。)においては、法令の規定により速度を減ずる場合及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その最低速度に達しない速度で進行してはならない。
(最低速度)
第七十五条の四 自動車は、法令の規定によりその速度を減ずる場合及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、高速自動車国道の本線車道(政令で定めるものを除く。)においては、道路標識等により自動車の最低速度が指定されている区間にあつてはその最低速度に、その他の区間にあつては政令で定める最低速度に達しない速度で進行してはならない。
また、標識一覧での最低速度の例示は時速30kmとなっているが、実際に時速30kmの最低速度が指定されている区間は日本全国に見当たらない。
実際に設置されている道路の例
日本全国に存在する一般国道自動車専用道路のうち、片側2車線、合計4車線以上の区間で特に必要と認められる区間に設置されている。天候で最高速度が80km、50km等に制限される場合もあるため、可変標識になっている場合も多い。
また、速度規制関係のめずらしい3連ダンゴも頻繁にみられる。

日高自動車道 沼ノ端西IC 国道235号
最低速度は可変標識

神戸淡路鳴門自動車道 神戸西IC 国道28号
最低速度は可変標識

神戸淡路鳴門自動車道 神戸西IC 国道28号
最低速度はアルミ板の固定型

瀬戸中央自動車道 児島IC西付近 国道30号
最低速度は可変標識

瀬戸中央自動車道 早島IC南付近 国道30号
最低速度は可変標識

仙台東部道路 仙台若林JCT北
最低速度はアルミ板の固定型

東水戸道路 ひたちなかIC南
最低速度は可変標識

西九州自動車道 補助標識や区間標識も可変標識となっている。

神戸淡路鳴門自動車道 淡路IC入口付近
最低速度の予告標識がある。
例えば、以下の道路で最低速度のアルミ板標識または可変標識が設置されている。
日高自動車道
三陸沿岸道路
仙台東部道路
東水戸道路
東海環状自動車道 (豊田東JCT~土岐JCT)
伊勢湾岸自動車道 (東海IC~飛鳥IC)
神戸淡路鳴門自動車道 (神戸西IC~西淡三原IC)
瀬戸中央自動車道 (早島IC~坂出北IC)
西九州自動車道 (周船寺IC〜前原料金所)
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