
「(327の4)専用通行帯」は「(327の5)優先通行帯」の上位互換ではない!?~ 専用の場合は「通行義務」あり
町中のバス通りで見かける、いわゆる「バスレーン」。青い案内標識や路面に大きく描かれた「バス」という文字を目にすることがあるだろう。このバスレーンには「専用通行帯」と「優先通行帯」の2種類ある。バスレーンに対して一般車両はどのように走ればいいのか、また、専用通行帯によっては自動二輪など他の車両も含まれることがあり、その場合は実は気をつけないと違反になってしまうことがある。この記事では、これらについて解説する。
バスレーンの目的と背景
バスは都市交通の大きな柱である。しかし自動車の交通量が多い都市部では、一般車両と同じように渋滞に巻き込まれやすく、時刻表どおりに走れないことも少なくない。そこで導入されたのが「バスレーン」である。
バス専用の走行スペースを確保することで、
定時運行を守りやすくなる
渋滞時でも公共交通の利便性を維持できる
マイカー利用の抑制につながる
といった効果が期待される。結果として、公共交通の利用促進や都市交通全体の効率化につながることが期待される。
バスレーンの設定をする区間には、バスレーン設定時間帯に留まっている車両がいないように同じ時間帯に駐停車禁止規制が敷かれていることが多い。詳しくは以下の記事を参照されたい。
「専用通行帯」と「優先通行帯」の違い
専用通行帯(専用レーン)

「専用通行帯」は、その時間帯はバスなど特定の車両しか走ってはいけないレーンである。標識や路面表示で「専用」と明記されており、一般車両は通行できない。自動二輪車等の特定の車両の交通量が多く、他の車両と分離して、交通の安全を確保する必要がある道路でも指定される。
標準形は「バス」のシンボルとなっている。標識によっては「二輪」のシンボルや「バス・タクシー・二輪」などと表示され、バス以外の車両も対象に含まれる場合がある。また、本標識では「バス」のシンボルになっていても、補助標識でタクシーや二輪も指定されている場合は、バスだけでなくタクシーや二輪の専用通行帯にもなるため、補助標識の車両の種類などの内容もよく読むことが必要となる。
通常は第一通行帯 (一番左側のレーン)がバス専用レーンに指定される。ただし、例外的に右左折のため、工事や緊急車両などでやむを得ない場合、短い区間だけバス専用レーンに進入することはできる。また、自転車・軽車両・原付・小型特殊は速度が遅く道路の一番左のレーンを通行する必要があるが、これらの車両は第一通行帯のバス専用レーンを通行可能である。
また、あまり知られていないが合わせて注意が必要な事項として、専用通行帯は「特定の車両が通行しなければならない」車両通行帯を指定するものであるため、専用通行帯以外の通行帯を走行すると違反になる。
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北海道では一方通行の大通りで第一通行帯、第二通行帯の2レーンがバス専用レーンになっている特徴的な区間が存在する。
名古屋では、「基幹バスレーン」と呼ばれる、中央分離帯に一番近いレーンがバス専用レーンとなっている特徴的な区間が存在する。

基幹バスレーンが一番真ん中寄りのレーンとなっているため、一般車両の右折レーンが中央から二番目のレーンになるという特殊な状況になり、他の地域からのドライバーは初見で戸惑うだろう。右折車の事故が起こらないように、信号は右折分離方式となっている。
バス専用通行帯の設置にあたっては、一般的に路線バス交通量が1方向1時間当たり50台以上で、交通混雑によりバス運行に支障が生じる場合に導入が検討されるといわれている。
優先通行帯(優先レーン)

「優先通行帯」は、一般車両も走れるが、バスを優先しなければならないレーンである。標識や路面には「優先」と書かれており、走行中に後方からバス等が接近してきた場合は、その正常な運行に支障を及ぼさないように、速やかに当該車両通行帯の外に出なければならない義務がある。つまり「走行禁止」ではなく「優先順位のある車線」と理解するとよいだろう。
右左折のため、工事や緊急車両などでやむを得ない場合を除き、バス等が後方から接近してきた場合に交通の混雑のため優先通行帯から出ることができないこととなるときは、当該車両通行帯を通行してはならないことに注意しよう。
標準形は「バス」のシンボルとなっている。また、補助標識で二輪も指定されている場合は、バスだけでなく二輪の優先通行帯にもなるため、補助標識の車両の種類などの内容もよく読むことが必要となる。
通常は第一通行帯 (一番左側のレーン)がバス優先レーンに指定される。ただし、第一通行帯を自転車又は二輪車の専用通行帯として指定した道路の区間では、原則として第二通行帯を指定する。
同じレーンが時間帯によって優先レーンになったり専用レーンになったりする区間も存在する。
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名古屋では、「基幹バスレーン」と呼ばれる、中央分離帯に一番近いレーンがバス優先レーンとなっている特徴的な区間が存在する。

レーンの優先・専用走行の対象となる可能性のある車両の種類
「(327の4)専用通行帯」および「(327の5)優先通行帯」の本標識や補助標識で指定される可能性がある車両の種類には以下のものがある。
バス
● 路線バス
● 通学通園バス
● 通勤送迎バス
タクシー
● タクシー (実車)
● タクシー (3人以上乗車のもの)
自動二輪
● 自二輪
「二輪」からは通常は原付 (50cc)は除かれる。また、「普通自転車専用通行帯」は、327の4の2で別途定義されている。

都道府県毎に運用が違うバスレーン!~一般車両、特に自動二輪が気をつけるべきポイント
バス優先・専用レーンについては、車両の種類ごとに注意すべきポイントが異なる。これらを整理してみよう。
● 原付、自転車、軽車両、小型特殊: レーンの設定有無にかかわらず道路の左側を通行する必要がある。
● バス (乗合自動車): バスの種類など、自車が対象の車種になっているかどうか注意する必要がある。対象になっている場合は、専用レーンの場合これ以外のレーンを通行してはならない。
● タクシー: 客の有無や乗車人数など、自車が対象の車種になっているかどうか注意する必要がある。対象になっている場合は、専用レーンの場合これ以外のレーンを通行してはならない。
● 自動二輪 (51cc以上): 二輪が対象の車種になっているかどうか注意する必要がある。対象になっている場合は、専用レーンの場合これ以外のレーンを通行してはならない。
● その他の車両: 例外を除いて専用レーンは通行できない。優先レーンは通行できるが、対象車両に速やかに道を譲る必要がある。
以上見てきたことから分かる通り、専用レーンは優先レーンの上位互換にはなっていないことに注意しよう。専用レーンに指定されている車両には、専用のレーンが割り当てられるだけでなく、そのレーン以外の通行が禁止される。
また、交通規制基準のそれぞれの「規制目的」を見てみると、
優先レーン: 路線バス等の定時、定速走行の確保⇒マイカー利用者のバス利用促進による、都市における自動車交通量抑制。
専用レーン: 交通の安全と円滑を図る。
という違いもある。
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ところで、バスレーンにおける対象車両の指定の仕方が都道府県によって異なっているという指摘がある。一般社団法人日本自動車工業会によると、日本全国のバス専用レーンの運用は、バス専用、バス+二輪の2パターンに大別され、バス専用レーンを実施している全国36の都道府県のうち、15の都県で「バス専用」パターンが実施され、21の道府県で「バス+二輪」パターン が実施されているとのこと。

尚、筆者がGoogleストリートビューで各都道府県の主要なバス専用レーンを調査したところ、福井、山口の2県は二輪は対象となっていなかった。逆に栃木は二輪が対象となっていた。また、(実車)タクシーも対象になっているかも調査した。その結果によると、17の都県で「バス専用」パターン、11府県で「バス+二輪」パターン、9道府県で「バス+二輪+タクシー」パターンが運用されている。(新潟県は市によって「バス専用」パターンか「バス+二輪+タクシー」パターンを実施)

専用レーンの時間はバス+二輪、優先レーンの時間はバス+タクシーとなっている。

いずれもバス専用 (路線バス、通学通園バス、通勤送迎バス)の運用となっている。

車両の種類のシンボルでなく文字で「バス」「自二輪」が記載されている。

中央線遷移と合わせてバス専用の運用となっている。新潟市ではここだけが専用レーン。

こちらは「大乗・中乗・二輪・普通 (タクシー及び3人以上乗車のもの)」というように「バス+二輪+タクシー」だけでなく3人以上乗車している普通乗用車も対称になる珍しいケース

専用・優先レーン共、バス専用の運用となっている。

専用レーンはバス+二輪+実車タクシーの運用となっている。

専用レーンはバス+二輪+タクシーの運用となっている。
これは自動二輪のドライバーにとって分かりにくいため、全国で統一してほしいところである。

おまけ: 今は撤去された「TOKYO 2020 専用/優先レーン」
2021年に東京オリンピックが開催された際には、主に東京都内の大通りで、TOKYO 2020関係車両のための優先・専用レーンが設定された。現在は撤去されている。詳細は以下の記事を参照されたい。