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誕生美|駅のホーム|地図にない灯り|ショートショート|短編小説

    ふふふ。

    きたわね。この日が。

    あたしのお気に入りの子猫ちゃんが

    新しい企画を始めたのよ。

    ショートショート企画『地図にない灯り』


    今、noteではショートショート界隈が

    ものすごい勢いで盛り上がってるわ。

    しばらく前は急上昇トピックは

    ショートショートのお題でいっぱい。


    それもあって、note側がアルゴリズムを

    変更したくらいの勢いなのよ。


    そこへ、あたしの子猫ちゃんが

    昨日から殴り込みをかけたのよ!!

    ふふふ。

    ここで成果を残したら。。。

    すごいことになるわよね。


    あたしから、みんなに言うことは一つよ。

    参加しなさい!!!

    とにかく参加してみることよ。


    今は秘密だけどね。

    参加すると良いコトあるかもしれないわよ?

    その良いコト。

    後で、あたしがしっかりと伝えるわ。

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    参加方法

    1. 「駅のホーム」を舞台に、作品を書く。

    2. タイトルに「駅のホーム|地図にない灯り」を入れる。

    3. 記事の本文に、このお題記事のリンクを貼る。

    4. ハッシュタグ「 #地図にない灯り 」をつけて投稿する。 

    長さは、2,000字くらいまでを目安。
    小説、詩、エッセイ、日記。
    かたちは自由。


    さっそくあたしも書いたわ。

    ジャンルはエッセイ。短編小説なのかしらね?

    参加方法の詳しいことは、ここをごらんなさい。

    じゃぁ、このあとはあたしのエッセイよ。

    題して「誕生美」

    あとは、そうね。

    参加しましたってコメントがあると嬉しいわ。

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    誕生美


    駅のホームには

    いつもと変わらない朝が流れていた。


    電車の到着を知らせるアナウンス。

    線路の向こうから吹き抜けてくる風。

    足早に歩く人々。

    スマートフォンを眺めながら電車を待つ人たち。


    誰もが、それぞれの目的地へ向かっていた。


    その中に、ひとりの男が立っていた。

    二十代後半。

    がっしりとした体格で

    ほどよく筋肉がついている。

    街を歩いていても

    特別に目を引くような男ではない。


    まさか

    この男がドラァグクイーンになるなんて。

    本人の顔を知っている人間でさえ

    想像できないかもしれない。


    まだメイクはしていない。

    衣装も着ていない。

    髪も、

    顔も、

    身体も、

    いつものままだ。


    ただ、今日はいつもとは違っていた。


    これから向かうのは

    ドラァグクイーンたちが出演するイベント。


    そこで、新人として初めてステージに立つ。


    電車がホームに滑り込んできた。

    車輪の音が響き、風が吹き抜ける。

    電車が止まると

    扉が開き、人々が降りてくる。

    続いて、待っていた人たちが乗り込んでいく。


    男は、その流れの中に身を置いた。


    指先が落ち着かない。

    胸の奥がざわついている。


    怖かった。

    これから何が起こるのか

    すべてわかっているはずなのに

    現実味がなかった。


    一度、ステージに立てば

    もう昨日までと同じ自分ではいられない気がした。


    もちろん、何も保証されてはいない。

    うまくいくかどうかもわからない。

    自分がどんな姿になるのか、

    その姿を人々がどう受け止めるのかさえ、

    まだわからない。



    それでも、ここまで来た。

    自分の人生を変えたい。

    自分自身を変えたい。

    その思いを抱えて、男は電車に乗った。


    ホームには

    いつもと変わらない時間が流れていた。


    誰かが笑い、

    誰かが時計を確認し、

    誰かが次の電車を待っている。

    その日、ひとりの男が

    人生の岐路に立っていたことなど、誰も知らない。

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    会場に着くと

    そこには駅のホームとは

    まるで違う時間が流れていた。


    メイク道具が並び

    衣装が広げられ

    人々が慌ただしく動いている。


    鏡の前に座る。

    顔に色が重ねられていく。

    いつもの顔が

    少しずつ変わっていく。


    目元が強調され

    輪郭が描き直され

    唇に色が差される。

    衣装を身につける。


    鏡の中にいるのは

    さっきまで駅のホームに

    立っていた男と同じ人間だ。


    なのに、もう同じには見えなかった。


    そこにいるのは

    まだ名前も知られていない

    新人のドラァグクイーン。


    そして、これから名前を持つことになる存在だった。


    出番が近づく。


    舞台の向こうから、

    音楽が聞こえてくる。

    観客の声が響く。

    ライトの熱が、

    幕の向こう側にまで届いているようだった。


    逃げ出すことだって

    できたかもしれない。


    けれど、男はそこにいた。

    やがて、名前が呼ばれた。

    一歩、踏み出す。


    ライトが視界を白く染めた。


    目の前に広がる景色。

    聞こえてくる音。

    自分に向けられる視線。

    もう、駅のホームではない。


    いつもの自分のままでは立てない場所。

    そこに、彼は立っていた。


    その瞬間、ロザンナ・リップスが生まれた。


    誰かに認められたからでも

    拍手をもらったからでもない。

    完璧な姿になれたからでもない。


    自分を変えたいと願っていた男が

    自分の足でステージに立った。

    それが、ロザンナの始まりだった。


    駅のホームに立っていた男は

    まだ知らなかった。

    あの日の一歩が

    これからの人生を変えていくことを。


    あの場所で生まれたロザンナが

    どんな景色を見ることになるのかを。


    ただ、あの日を境に、

    彼の人生は確かに変わった。

    そして初めて、

    自分自身の人生を歩き始めた。


    今でも、ときどき思う。


    あの日、駅のホームに立っていた男は

    これから自分がどこへ向かうのか、

    本当にわかっていたのだろうか。


    きっと、わかっていなかった。

    ただ、自分を変えたかった。

    それだけだったのかもしれない。


    駅のホームでは、

    今日も誰かが電車を待っている。


    行き交う人々の中に、

    誰にも知られず、

    人生の岐路に立っている人がいる。


    その人がこれから何者になるのか、

    まだ誰も知らない。

    本人でさえ、知らないのかもしれない。


    電車が来る。

    扉が開く。

    そして、誰かが乗り込んでいく。


    いつもと変わらない駅のホームで。

    人生が変わる、その一歩を踏み出すために。

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    どうだったかしら?


    え?本当の話かって?

    ふふふ。

    教えないわよ。

    秘密にしとくほうがいいでしょ?💛

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    #駅のホーム
    #地図にない灯り
    #ショートショート
    #短編小説
    #エッセイ

     
     
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