
RHODIA N° 11 モノとルキ#18
いつからだろう、と考えてもはっきり思い出せない。
2000年代のある日、
伊東屋の棚に並んでいたオレンジ色のメモ帳を手に取った。
RHODIA。その頃はただ、
ちょっとオシャレなメモ帳、くらいの認識だった。
N°11。A7サイズ。手のひらに収まる小さな相棒は、
もちろん、日常でも大いに活用しているが、
特に旅に出るときは必需品。
スーツケースに入れるのではなく、ポケットかバッグの、
すぐ取り出せるところに入れている。
一度、ひとつ上のN°12も試した。
大きいと、一ページにいろいろ書けてしまう。
それはそれでいいのかもしれないが、なかなか減らない。
使う期間が長くなれば、表紙も消耗していく。
それに、買い物メモひとつ書くにも、余白がもったいない気がしてくる。
ベリッと切って、財布に挟むにもN°11がちょうどいい。
ポール・スミスは10日で一冊を使い切るという。
心を動かしたもの、面白いと思ったもの、服の細部やひとつのフレーズ、
そういうものをロディアに書き留めながら創造性を養ってきた。
さすがにそのペースには遠く及ばないけれど、
同じツールを手にしているというだけで、少し背筋が伸びる気がする。
書くときは少し気負ってしまう。
何気ないメモが、それとなくアートになるような気がして。
そうなるように、ペンを走らせる。
スマホでメモを取るより、ずっといい瞬間がここにある。
