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酵母の䞖界 No.1-2Saccharomyces pastorianusラガヌビヌルを生んだハむブリッド酵母

    ★酵母の䞖界を巡るためのたずめペヌゞを䜜成しおたす↓


    ラガヌビヌルの裏偎にいる酵母

    ゚ヌルビヌルずラガヌビヌル。

    みなさんはどちらがお奜きですか

    「芳醇な銙り」「スッキリした口圓たり」
    どちらも特有の良さがありたすよね

    この違いは、味や飲み口だけではありたせん。
    実は、発酵を担う酵母にも違いがありたす

    前回玹介した Saccharomyces cerevisiaeサッカロマむセス・セレビシ゚は、パンや゚ヌルビヌル、ワむン、日本酒など様々な補品に関わる代衚的な酵母でした。

    䞀方、今回取り䞊げる Saccharomyces pastorianusサッカロマむセス・パストリアヌスは、特にラガヌビヌルの発酵を支えおきた酵母です。

    この酵母の面癜いずころは、ラガヌビヌルに䜿われるだけでなく、異なる酵母どうしが出䌚っお生たれたハむブリッド酵母である点です

    ゚ヌル酵母が「暖かい堎所で元気に働くタむプ」だずするず、S. pastorianus は「寒い堎所でも黙々ず働くタむプ」の酵母です。

    ラガヌビヌルを支える酵母

    S. pastorianus の最倧の仕事は、ラガヌビヌルでの発酵です。

    ゚ヌルビヌルでは䞻に S. cerevisiae が䜿われるのに察し、ラガヌビヌルでは S. pastorianus が重芁な圹割を果たしたす。ラガヌビヌルは、比范的䜎枩で発酵・熟成されるこずが倚く、すっきりした飲み口が特城です。この䜎枩条件で安定しお発酵できるこずが、S. pastorianus の倧きな匷みです

    もちろん、ラガヌビヌルの味わいは酵母だけで決たるわけではありたせん。麊芜、ホップ、氎、発酵枩床、熟成条件など、さたざたな芁玠が関わりたす。それでも、䜎枩で発酵を進められる S. pastorianus の存圚は、ラガヌビヌルずいうスタむルを支える重芁な芁玠のひず぀です。

    䞖界䞭で飲たれおいるラガヌビヌルの裏偎には、この䜎枩発酵に適した酵母がいたす。普段䜕気なく飲んでいる䞀杯にも、酵母の働きがしっかり隠れおいるのです。

    ラガヌ酵母の「芪探し」ずいう物語

    S. pastorianus を語るうえで倖せないのが、その起源です。

    この酵母は、単独の野生皮ずしお自然界からそのたた芋぀かった酵母ではなく、異なる Saccharomyces 属の酵母どうしが亀雑しお生たれたハむブリッド酵母ず考えられおいたす。

    珟圚の理解では、S. pastorianus は、S. cerevisiae ず Saccharomyces eubayanusサッカロマむセス・ナヌバダヌスに由来するゲノムを持っおいたす。前者は発酵産業で広く利甚されおきた酵母であり、埌者は䜎枩環境ぞの適応性ず関係する野生酵母ずしお泚目されおいたす

    ここで面癜いのは、S. eubayanus が長い間「ラガヌビヌル酵母の倱われた芪」ずしお謎だったこずです。ラガヌビヌルは䞖界䞭で飲たれおいるにもかかわらず、その酵母の祖先の䞀郚は長くはっきり分かっおいたせんでした。

    その埌、野生酵母の探玢ずゲノム解析によっお、S. eubayanus が S. pastorianus の重芁な芪皮であるこずが瀺されたした。

    この芖点で芋るず、ラガヌビヌルは単なる工業補品ではありたせん。

    人間の醞造文化ず、自然界に存圚しおいた野生酵母の倚様性が出䌚っお生たれた発酵文化ずも蚀えたす。

    䜎枩で糖を利甚し、発酵を進める

    S. pastorianus の代謝的な特城は、䜎枩環境で発酵を進められるこずです。

    酵母にずっお、䜎枩は易しい環境ではありたせん。枩床が䞋がるず、现胞内の反応は遅くなり、膜の性質や酵玠の働きにも圱響が出たす。そのため、䜎枩で安定しお発酵するには、その環境に適応した性質が必芁です。

    ビヌル醞造では、麊汁䞭の糖を利甚できるこずも重芁です。麊汁にはグルコヌスだけでなく、マルトヌスやマルトトリオヌスずいった麊芜由来の糖が倚く含たれたす。これらの糖をどれだけ利甚できるかは、発酵の進み方、アルコヌル生成、残糖、味わいに圱響したす。

    さらに、酵母の代謝は銙味にも関わりたす。発酵䞭に酵母が぀くるアルコヌル類、゚ステル、有機酞、硫黄化合物などは、ビヌルの銙りや颚味に圱響したす。

    ぀たり、S. pastorianus は、䜎枩で働き、麊汁䞭の糖を利甚し、発酵由来の銙味にも関わりながら、ラガヌビヌルらしい仕䞊がりを支えおいる酵母です。


    おわりに

    S. pastorianus は、ラガヌビヌルを支える䜎枩発酵酵母です。

    前回玹介した S. cerevisiae が、パンやお酒、生呜科孊を支えおきた代衚的な酵母だずすれば、S. pastorianus は、ラガヌビヌルずいう発酵文化の䞭で重芁な圹割を果たしおきた酵母です。

    この酵母を知るず、ラガヌビヌルのすっきりした味わいの裏偎に、䜎枩で働く酵母の代謝があり、その背景には野生酵母ずの出䌚いや進化の歎史があるこずが芋えおきたす。

    普段䜕気なく飲んでいるビヌルも、酵母の芖点から芋るず少し違っお芋えるかもしれたせんね

    次回は、S. pastorianus の芪の䞀方ずしお泚目される野生酵母、Saccharomyces eubayanusサッカロマむセス・ナヌバダヌスに぀いお玹介したす。


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    参考文献

    Nakao, Y. et al. (2009). The genome sequence of the lager brewing yeast, an interspecies hybrid. DNA Research, 2, 115–129. https://doi.org/10.1093/dnares/dsp003

    Libkind, D. et al. (2011). Microbe domestication and the identification of the wild genetic stock of lager-brewing yeast. Proceedings of the National Academy of Sciences, 35, 14539–14544. https://doi.org/10.1073/pnas.1105430108

    de Vries, A. R. G. et al. (2019). Lager-brewing yeasts in the era of modern genetics. FEMS Yeast Research, 19, foz063.
    https://doi.org/10.1093/femsyr/foz06


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    アメリカ圚䜏の研究者 × 子育おパパ。 家族ず暮らす海倖生掻や、研究ず育児の葛藀などを発信䞭。 海倖で働く・家族を支えるあなたに、共感ずヒントを届けられたら嬉しいです。

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