
【旅日記#15-3】関東初進出!ぐんまパワー100%の推し活旅(2日目・前編)
この秋、母との初めての本州旅行として北海道から群馬へと飛んだ私。
前回は県内に足を踏み入れて間もなくぐんまちゃん達に魅せられながら、高崎駅を存分に楽しみ尽くして初日を終えた。
(前回はこちら↓)
そんな浮かれ気分の中、翌朝は再び列車に乗ってBUCK-TICKのお膝元こと藤岡市へ向かう。今回はその様子を中心に、2日目の午前中の出来事をお伝えしたい。
2026年10月11日(日)
7:00 起床
昨日散々歩いた疲れを一切ものともせず元気に目を覚ました2人。今日も群馬はよく晴れていて、天気予報の降水確率はなんと県全土で0%と、あまりの恵まれぶりに早くも良い1日になる予感しかしない。
今回泊まった東横INNの無料朝食はおにぎりで、私は鮭2つと鶏そぼろ1つにした。そのほか味噌汁などもあり朝にはちょうど良いラインナップ。
7時頃はみんな続々と起きてくる時間らしく、1階から2階に行きたいだけなのに混んでいてなかなか乗れないエレベーターに若干のもどかしさを感じつつも、部屋に持って行ってゆっくり頂いた。

オレンジジュースを持ってきたが、
おにぎりには少々ミスマッチだったか
ここで朝食のお供にとテレビを観ていたところ、またもぐんまちゃんが登場!さすが群馬県宣伝部長、メディア露出にも余念がないようである。
今回出会った『ピコラネ』は群馬テレビで土日の朝に放送されている教育番組であり、ぐんまちゃんと一緒に県内の各市町村の特色について学ぶことができる。子ども向けではあるものの、さまざまな地域に興味を持つきっかけになるので、群馬初心者の旅人という立場で観ても結構面白い。
そして何よりひたすらぐんまちゃんが可愛いのがポイント。YouTubeでも観られるとはいえ、現地で推しの番組をリアタイすることには大きな意義がある。昨晩の花火中継といい超ベストなタイミングでチャンネルを合わせられたようで、つくづく運が良かった。
8:00 2日目スタート
寝ても覚めてもぐんまちゃん尽くしで朝からハッピーな気分になり、張り切ってホテルを出発。10月の朝8時だというのに長袖の出番はやはり全くなく、2日目に入っても道民の肌感覚には未だ混乱が見られる。

歩道の緑とベンチにほっとする

通勤や通学で賑わうのだろうが、今日は日曜日。
昨日の人波はまるで嘘のよう
高崎駅にはまた後で戻ってくるから一旦スーツケースを置いていく。西口近くのロッカーは完全キャッシュレス仕様であり、空き状況がランプによって一目で分かるのがなんともハイテク。こういうのを見るたびに都会はやはり進んでいるなあと感じる。
ちなみに、東西自由通路の途中には普通のコインロッカーもあったので現金派の方も安心してほしい。

失くしたら開けられないため要注意
売店もまだ開いていない所ばかりの中、本屋さんだけは早くからやっていて、本のラインナップも群馬に関連したものが多くここでも旅情に浸れて楽しい。
昨日買い損ねたアニメぐんまちゃんのファンブックをしっかりと確保し、スーツケースのみならずリュックの中も着々とぐんまちゃんで満たされてゆく。

閉まっている時しか見られないレア物!
さて前置きが長くなったが、本日の目的地である藤岡市へはJR八高線で向かう。
こちらはいわゆるローカル線で、およそ1時間に1本というゆったりした運行間隔は我らが北海道の田舎にも近いものがある。あのBUCK-TICKのメンバー達もこの路線を普段使いしていたと思うと、途端に親近感が湧いてきた。

ここで埼玉県の地名が登場し、
北海道にはない県境という概念にテンションが上がる
八高線が発着する3番ホームは、他にもたくさんの在来線が乗り入れるこの駅においてはやや追いやられ気味の存在であり、階段を下りてから2番・4番ホームを通り過ぎた先にようやく乗り場がある。
もし時間ギリギリに慌てて乗り込む羽目になったら困る立地だけれども、そんなひっそりとした立ち位置もまたこの路線の味と言えよう。

群馬からはるばる小田原に熱海とは、
これは確かに格が違う

降りる人も乗る人もちらほらといった感じ
車両は新型のきれいなものだが、電車ではなくこれまたローカル線の象徴たるディーゼル気動車である。軽く調べてみると走行にはモーターを使うハイブリッド形式らしく、乗客自ら押すタイプのドア開閉ボタンがあることも含め、最近JR北海道に導入されたH100形(DECMO)に似た印象。そのせいか、初めて乗る路線なのにどこか見慣れた感じを覚える。
そして列車は数えるほどの人々を乗せ、定刻通りに発車した。群馬藤岡までは3駅、時間にして15分ちょっとの短い旅だ。それでも風景はみるみるうちに変わっていき、目の前の現実がだんだんとステレオタイプな北関東のイメージに近づいてくる。

高崎とは隣町だがのどかな空気で、
遠くには山々もよく見える

辺りの家々にも瓦屋根が多く見られ、
何気なく車窓を眺めるだけでも地域性があって面白い
9:11 群馬藤岡駅
私も母もワクワクが止まらず、ただでさえ短い道のりは思った以上にあっという間だった。
ここ群馬藤岡駅こそが藤岡市の中心駅であり、市内に数あるBUCK-TICKの聖地でも特に重要な地のひとつ。特に母にとっては小学生以来ずっと憧れていた場所だけに、着いたそばからとても盛り上がっている。

八高線における県内最後の駅だが、
相変わらずぐんまちゃんの配備も抜かりない
駅は2面2線のコンパクトな造りで、レトロな駅舎も相まって人口6万を抱える街の中枢とは想像しにくいくらいに古き良き雰囲気に溢れている。頭上に架線がないこともあって、ホームから見えるすっきりとした青空が大変気持ち良い。

おかげで新型車両が余計に未来の乗り物っぽく見える

駅を出てすぐ単線になるのも地元そっくりで、
降り立って間もなく懐かしい気分になった

こうして昔のまま残っているのも今や珍しい
屋内と直接つながる改札をくぐり駅舎へ。
中はこじんまりとした待合室と切符売り場のみという潔いスタイルであり、椅子に敷かれたおばあちゃんの家のような柄の座布団がこの駅のムードをグッと引き立てている。

これが令和(しかも市の中心駅)の光景だとは思うまい。
しかし冬に列車を待つのは寒そうだなあ⋯
駅舎内を観察しているとちょうど制服姿の高校生が切符を買っていたが、この感じだと若き櫻井さん達が高崎へ出た時の光景とも大きくは変わらないのだろう。これほど素朴な場所からあのロックスターが羽ばたいていったとは、駅も見かけによらないものである。

入口上にある鬼瓦がアピールポイント
9:25 藤岡市を探索
それでは街に繰り出すとしよう。
天気予報で言っていた通り気温は昨日をさらに上回る勢いで、重ね重ね本州の夏の長さを実感する。群馬といえば冷たいからっ風もまた風物詩だけれども、どうやらその季節はまだ先らしい。

藤や桜のほか、上毛かるたにも詠まれる
三波石峡など美しい名所が多い
駅の外もやはり現代の喧騒とは無縁であり、小さなロータリーに時たまタクシーが発着して客を乗せるほかには目立った人の動きは見られない。良い意味で田舎らしくて親しみやすい空気感に、歩いているだけで自ずと穏やかな心持ちになっていく。

標識の地名もローカルなものが多く、
群馬のリアルな日常に触れている感覚がある
そんな一見何の変哲もない駅前通りだが、この風景の中にもBUCK-TICKの聖地が潜んでいる。
交差点の角でシャッターを下ろす「今井商店」はその名の通り今井寿さんゆかりの地として広く知られており、かつてはメンバー達の憩いの場であったという。残念ながらすでにお店は畳まれていたものの、残っている建物だけでも往時の雰囲気を感じるには十分だ。

最近めっきり見なくなった
タバコの自販機が哀愁を誘う

あの今井商店に来た記念品にと
大喜びで飲み物を買う母
また、北海道から来た身として驚いたことといえば市街地の道路の狭さである。昔からの街の造りが残っているゆえか建物の間を縫うように道が走っていて、街中の県道なのに路側帯が全然ないのがある意味新鮮。
こんな道路状況では雪はどこに投げるのかとつい北国目線で考えてしまうけれども、この辺りはそもそもそんなに降らないから問題ないのだろうか。
しばし軒先で感慨とノスタルジーに浸り、続いては一度駅に戻ってタクシーに乗る。
まずは彼らが青春時代を過ごした高校跡地に赴く段取りとなり、BUCK-TICKが好きで藤岡に来たと言うといろいろ案内して下さることになった。そのために訪れるファンも結構いるようで、運転手さんも慣れた感じでハンドルを切っていく。
藤高こと藤岡高校は男子校であり、藤岡女子高校と統合して閉校した今は「藤岡市総合学習センター」として第2の役目を担っている。

ご当地ぐんまちゃんを発見。
藤岡市はやっぱり藤がモチーフ
BUCK-TICKの櫻井敦司さん・今井寿さん・星野英彦さん・樋口豊さんのほか、BOØWYの氷室京介さんも輩出したまさにロックの聖地と呼ぶにふさわしい藤高。
昭和当時はビー・バップ等の影響を多分に受けたヤンチャな若者で溢れていたのだろうが、今日は地域のイベントが開かれていて、これまた昔ながらのほのぼのとした賑わいがあった。

この時はシニアによるフラダンスの発表会を控えていた

市全体でレトロ感を徹底する条例でもあるのかというほど
祭りの雰囲気も和んでいる

標語やポスターも土地柄を味わう絶好の機会。
尾瀬といえば、朝の番組でも取り上げられていた
そして次に向かったのは「みかぼみらい館」。
母が事前に仕入れていた情報では藤高にメンバーの手形などの展示もあるとのことだったが見当たらず、施設の方よりこちらに移転したとお話をいただいて訪問することに。
中に入るとさっそくBUCK-TICKコーナーの案内があり、ビジュアルポスターのほか手形にマンホールと無料ながら貴重なものが揃っていた。

みかぼみらい館は市民会館のような存在。
プラネタリウムも併設する

奥のシルエットは母が着てきたTシャツとお揃い!

30年以上ずっと同じメンバーで活動してきた。
手形からもこの5人だからこそという重みが感じられる
それにしても自治体が運営する公共施設にこれだけのスペースが設けられているとは、冷静に考えれば結構すごい事である。長年にわたる市とバンドの強い結びつきが見て取れるようで、今後も語り継がれていけばいずれは県の指定文化財あたりになるかも知れない。

こちらで売られているのは藤岡限定とあって、
またも母の財布が緩んでいた
憧れの地で展示に買い物と楽しんでさあ満足と思っていたところ、お会計を済ませた流れで「あっちのサインは見ましたか?」と聞かれる。
どうやらサインは先ほどの一角とは別の所にあるらしく、危なく気付かずに帰ってしまうところだった。まだ見ていないと答えると場所まで教えて下さり、親切な対応に感謝である。
タクシーの運転手さんや総合学習センターの窓口の方といい、一介の旅人にすぎない我々に対しても藤岡の人はみんな揃って優しい。もともと人柄の良い市民性もあると思うが、これも地元に広くBUCK-TICKが愛されている証拠と言えるのではないだろうか。

その後の車内でもエピソードには事欠かず、「あそこが櫻井さんの同級生が働いてるお店で〜」などと次々に関連スポットを紹介していただきつつ駅まで戻ってきた。全ての出来事を書くときりがないので割愛するが、道中の寄り道も含め思い描いていた以上の体験となり、改めて運転手さんのご厚意にお礼申し上げる。
するとまるで図ったかのようなタイミングで高崎行きの列車が停車して、これはラッキーと急いで切符を買って藤岡市に別れを告げた。
正味1時間ちょっとの短い滞在ではあったものの、たくさんのBUCK-TICK成分に加えて田舎の温かさも摂取でき母も感無量といった様子。死ぬまでに一度は行きたいと言っていたから、元気なうちに一緒に来られて良い親孝行になったと思う。

群馬県はそこら中に古墳があり、
国宝・重要文化財指定の埴輪は日本一の出土数を誇る
11:20 高崎駅で焼きまんじゅう
行く時はガラガラだった八高線も帰りになると一転して身動きが取れない混みようとなっていて、体感的には山手線にも匹敵する人口密度に面食らった。
東京では仮に乗れなくても5分かそこらで次の列車が来る一方、こちらは1時間に1本しか走っていないため、この機会を逃すまいとみんな揃って乗りにくるのだろう。

日曜日も昼間となると、朝の人出とは雲泥の差
さて、藤岡ツアーが思いのほか早く終わったのでレンタカーの予約時間まではまだいくらか暇がある。となればここは昼食がてら、あの焼きまんじゅうを試してみようではないか。県内各所で猛烈に推されているソウルフードの筆頭だけに、これはどんなものか是非触れておきたい。
昨日も行った高崎オーパを再び上っていき、タワレコと同じく7階の「CAFE 高崎じまん」へ。ここでは一般的な味噌味のほかチーズにきな粉、果てはパフェのようなものまでと多彩なバリエーションが楽しめる。
焼きまんじゅうを愛する県民の間ではよく餡入り・餡なし論争が巻き起こるというものの、どうやらその派閥争いはよそ者の知らない所で進化を遂げつつあるらしい。

初めてで変化球に挑むのは時期尚早ということで、
2人とも普通の焼きまんじゅうにした
ブザーが鳴って受け取り口に向かうと、いよいよ対面の時である。トレイには大ぶりのまんじゅうが4つ並んでおり、焼き色とたっぷり塗られた味噌ダレが合わさってすごく茶色い。今時のカフェのメニューとしては破格の250円(学生は210円)という値段もあって、全身から田舎のローカル文化という雰囲気を強く醸し出しているようだ。

中に果肉が丸ごと入っていて、
梅の風味が濃く感じられて美味しかった
店内飲食だと串から外して提供され、箸を使って頂くことに。焦げ目のついた表面は案外歯応えがあり中との食感の違いが面白く、まんじゅうというよりはパンに近いとの声も聞かれるが、確かにどちらとも断定しがたい独自の舌触り。味噌の甘じょっぱさも絶妙で、これはハマれば日常的に食べたくなるのも分かる。
しかし小麦の塊であるがゆえにだいぶお腹が膨れ、少食の母は2個でギブアップ。私も6個食べるとさすがに苦しくなってきて、これを気軽に平らげる群馬県民の胃袋の広さはさすが小麦大国といったところ。
また、今回は最もプレーンな焼きまんじゅうを食べてみたけれども、このタレにあんこを合わせるとどのような感じになるのかが気になった。お店ごとにも細かな違いがあるだろうし、この1回にとどまらずもっと色々な味を知りたいと思う。
それから高崎駅に戻り、売店を見物して時間を潰す。たった今実物を食べたので焼きまんじゅう味のお菓子などの味も大体イメージが湧くようになり、昨日よりお土産売り場の解像度が上がって見えた。
ただし、なまじ味が分かってしまうがために、チロルチョコに関しては今まで以上に想像したくなくなったが⋯(北海道でいうジンギスカンキャラメルのようなもの?)。

群馬エディションは全て群馬県産の小麦を使用し、
パッケージも紙袋もぐんまちゃんデザインなのが最高

まさかのトイレにも進出していた
そうこうしているうちにようやく良い頃合いとなり、朝に預けていたスーツケースを回収してレンタカー屋へと向かう我々。
次回はここから頭文字Dの舞台である榛名山を経由し、伊香保温泉で2泊目の夜を迎えるまでを書いていきたい。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
北海道を拠点に旅や温泉の記録を書いておりますので、よろしければこちらもご覧いただけると幸いです。