
フィラメントの湿気対策で造形トラブルを避ける方法
最近、3Dプリントの仕上がりにどうも納得がいかない日が続きました。細かい積層割れが目立ち、表面には細かいプツプツとした気泡のような跡が出始めていたのです。当初はスライサーの設定をあれこれ触って解決しようとしましたが、ノズル温度を変えても、リトラクションを見直しても全く改善しません。
ふと思い立って、半年ほど前から棚の隅に置きっぱなしにしていたPLAのフィラメントを指で曲げてみました。すると、「パキッ」という乾いた音とともに折れてしまったのです。本来なら少ししなるはずの素材が、まるで乾いた枝のようになっていました。

これが湿気の正体だと気づいたときは、少し呆然としました。長期間空気に触れたことで水分を吸収し、それがノズル内で急激に気化して造形を乱していたのです。特に湿気の多い梅雨時期や、換気の悪い部屋で管理していると、PLAであっても案外あっさりと水分を含んでしまうことを実感しました。
この失敗を経て、今ではフィラメントを使い終わるたびに、小さな除湿剤と一緒にジップ付きの密閉袋へ入れることを徹底しています。もし開封して時間が経ったものを使う場合は、一度フィラメントドライヤーにかけてからプリントするのが今の習慣です。
乾燥を行う際は、50度から55度の温度設定で、最低でも4時間から6時間は熱を加えるようにしています。もし半日以上経ってしまっているものなら、念のために8時間ほど回すこともあります。

ただ、ここで一つ注意点があります。ドライヤーを使えば万能というわけではなく、あまりに高温で長時間加熱しすぎると、フィラメント自体が柔らかくなりすぎてスプール上で癒着してしまうことがあるのです。私も以前、一度だけ温度設定を間違えて、フィラメントが団子状になってしまった経験があります。あくまで「湿気を飛ばす」ことが目的ですから、機種ごとの設定範囲を守ることは最低限の守りです。
また、Amazonなどで安価なフィラメントを購入する際も、出品者が「未開封品をしっかり梱包しているか」をレビューで確認するようになりました。価格の安さだけで選ぶと、実は湿気を吸った状態に近い品質のものに当たる可能性もあるからです。
フィラメントの乾燥と保管は、地味ですが造形の質を左右する最も重要な基礎だと痛感しています。機材の設定をいじる前に、まずは材料が「健康な状態か」を確かめる。この判断基準を持つだけで、無駄な試行錯誤に時間を費やすことがぐっと減りました。
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