
3Dプリンターの素材選び、PLAとPETGどっちを使うべきか
3Dプリンターを動かしていると、必ず突き当たるのがフィラメント選びです。「とりあえずPLA」で始めたものの、造形物の用途が広がると「もう少し熱に強ければいいのに」と思う瞬間がやってきます。
そこで多くの人が比較検討するのが、PLAとPETGという二つの定番素材です。今回は、この二つのどちらを選ぶべきか、僕が実際に数年間使い分けてきた経験から判断基準を書いてみます。

PLAは試作と造形のしやすさが武器
PLAは、初めて3Dプリンターに触れる人にとって最も扱いやすい素材です。ノズル温度は200〜210℃、ベッド温度は50〜60℃あたりで、反りも少なく安定して出力できます。
僕の場合、寸法の検証やデザインのモックアップには迷わずPLAを使います。積層した表面も綺麗に出ますし、何より失敗が少ないので、試行錯誤のスピードが違います。
ただ、熱には本当に弱いです。夏場の車内に置いておいたPLAの出力物が、見事にふにゃふにゃに曲がってしまった経験があります。直射日光が当たる場所や、機械の熱が伝わるパーツには絶対に使いません。
PETGは実用品の「ちょうどいい」中間地点
一方でPETGは、PLAの扱いやすさとABSの耐熱性の間を埋めるような存在です。耐熱温度は70℃前後あり、簡単な工具の柄や、少し温かくなる程度のガジェットケースなら余裕で耐えてくれます。
ABSのように強力な換気設備が必須というわけでもないので、家庭環境でも扱いやすいのが強みです。ただし、PLAよりも糸引きが発生しやすく、ノズル温度も230〜240℃と高め。最初は設定の追い込みに少し苦労しました。
僕が失敗したのは、冷却ファンを全開にしてPETGを出力した時です。層の接着力が極端に落ちて、指で押すだけでバリバリと割れてしまいました。PETGの場合は、冷却ファンの回転数を控えめにするのが成功の鍵です。
結局どっちを選ぶべきなのか
判断基準は「その出力物をどこで使うか」の1点に尽きます。
室内で飾るものや、寸法の確認が必要なプロトタイプならPLAで十分です。わざわざ扱うのが難しい素材に手を出す必要はありません。逆に、実際に手で握るものや、室温が上がりやすい場所で使うものならPETGを選ぶのが正解です。
素材選びで気をつけているのは、やはり販売元の信頼性です。極端に安いフィラメントは、湿気を吸っていたり、径が安定しなかったりと、結局ノズルの詰まりを招くことが多いです。レビュー数だけで判断せず、メーカーの表記や情報がしっかりしているかを確認するようにしています。
最初はPLAから始めて、もし出力物が熱で変形したり、もう少し柔軟性があればと思う場面が出てきたら、迷わずPETGを試してみてください。その時、冷却設定を少し落とすことだけ忘れないようにすれば、きっとうまくいくはずです。