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ー離婚後の子育てで決めておきたいことー

 離婚するとき、親権や養育費について話し合う方は多いと思いますが、離婚後の子育てでは、それ以外にも決めておきたいことがあります。
 例えば、子どもはどこで暮らすのか、離れて暮らす親とはどのように会うのか、進学や引っ越しについてはどう決めるのか、といったことです。
 こうした取決めを文書にまとめたものが『共同養育計画書』です。
 今回は、共同養育計画書に何を書くのか、いつ作成するのか、作成するときに気をつけたいことを解説します。



1 共同養育計画書とは?

 共同養育計画書とは、離婚後や別居中の子育てについて、父親と母親が話し合って決めた内容を文書にまとめたもので、ここでいう「共同養育」とは、父母の双方が、それぞれ適切な形で子どもに対する責任を果たすことをいいます。
 必ずしも父母が同じ家で子どもを育てたり、子どもが両方の家を行き来したりするという意味ではありません。
 また、共同養育計画書は、共同親権を選んだ場合だけに作成するものではなく、単独親権の場合でも作成できます。
 大切なのは、親権の種類にかかわらず、子どもの生活や養育について必要な取決めをしておくことです。


2 共同養育計画書には何を書く?

 共同養育計画書に記載する内容に、すべての家庭で共通する決まった形があるわけではなく、父母の生活状況や子どもの年齢などに応じて、主に、次のような内容を取り決めます。

① 親権者

 離婚後、父母のどちらが親権者になるのか、または父母の両方が親権者になるのかを記載します。
 共同親権の場合は、子どもの重要な事項について、父母がどのように話し合って決めるかも考えておきましょう。

② 子どもが暮らす場所

 子どもがどこで暮らすのかを決めます。
 例えば、母親の住所地で暮らすのか、父親の住所地で暮らすのか、父母それぞれの家で一定期間ずつ生活するのか、といったことです。
 子どもの住所を決めておくと、住民票や学校などの手続を進める際にも役立ちます。
 父母それぞれの家で暮らす場合には、通学や習い事に支障がないか、子どもに過度な負担がかからないかも考える必要があります。

③ 養育費

 養育費については、金額だけでなく、支払期間、支払日、支払方法なども決めておきます。
 大学などの入学金や、急な病気による入院・治療費など、大きな費用が発生した場合の負担についても、話し合っておくとよいでしょう。
 養育費の金額や法定養育費については、別の記事で詳しく解説しています。

④ 親子交流

 親子交流とは、子どもと離れて暮らす親が、子どもと会ったり、電話や手紙などで連絡を取ったりすることで、取決めをするときは、以下のような事項を決めます。

・会う回数や日時
・子どもの受け渡し場所
・誰が迎えに行き、誰が送り届けるか
・宿泊を伴う交流を行うか
・予定を変更する場合の連絡方法

 子どもの年齢や学校生活、本人の気持ちなどを考えながら、無理のない方法を決めることが大切です。

⑤ 重要なことを決める方法

 子どもの進学や引っ越し、医療など、将来に大きく関わる事項について、どのように話し合うかも決めておくとよいでしょう。
 共同親権の場合、子どもの転居や進学先の決定、心身に重大な影響を与える医療などは、原則として父母が共同で決めます。
 一方、日常的なことや、子どもの利益を守るために急いで対応する必要がある場合などは、一方の親だけで決められることもあります。
 父母が意見を一致させられない場合に備え、どのように連絡を取り合い、話し合うかも考えておくとよいでしょう。

⑥ 計画書の見直し

 子どもの成長に合わせて、計画書の内容を見直す方法も決めておきます。
 例えば、小学校への入学や中学校への進学によって、生活時間や親子交流の方法を変更する必要が生じる可能性もありますので、子どもの状況が変わったときに、改めて話し合えるようにしておくことが大切です。


3 共同養育計画書はいつ作成する?

 共同養育計画書は、離婚や別居をする前に作成することが望ましいとされており、あらかじめ子どもの生活や養育について決めておけば、離婚後に必要なことを一から話し合う負担を減らせる効果があるためです。
 ただし、離婚前に作成できなかった場合でも、離婚後や別居後に作成でき、また、作成した時点では適切な内容であっても、子どもの成長や生活環境の変化によって、取決めを変更した方がよい場合がありますので、一度作成したら終わりではなく、必要に応じて見直すことも大切です。


4 共同養育計画書の作成方法

 共同養育計画書は、父母が話し合い、合意した内容を文書にまとめて作成した書類になります。
 法務省では、共同養育計画書の作成方法を解説したパンフレットや、必要事項を入力して計画書を作成できるウェブサイトを公開しています。
 初めて作成する場合は、こうした資料や作成支援ページを活用すると、必要な項目を整理しやすくなります。
 作成した計画書には、父母双方が署名・押印しておくことが勧められていますが、共同養育計画書を作成しただけで、記載した内容のすべてを直ちに強制できるわけではありません。
 例えば、養育費の支払いが滞った場合に備えるのであれば、合意内容や必要な手続に応じて、公正証書などの作成を検討することも重要です。

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 また、父母だけで話し合っても合意できない場合には、家庭裁判所の調停などを利用する方法があります。


5 話し合いが難しい場合はどうする?

 共同養育計画書を作成するには、父母が子どもの生活について話し合う必要がありますが、離婚の原因やこれまでの関係によっては、冷静に話し合うことが難しい場合もあります。
 特に、DVや虐待がある場合、相手に意見を伝えること自体が危険につながることもある場合には、無理に直接話し合う必要はなく、安全を確保したうえで、家庭裁判所や配偶者暴力相談支援センター、弁護士などの専門家に相談することが大切です。
 共同養育計画書を作成すること自体が目的ではなく、子どもの安全と健やかな成長を守ることが最も重要です。


6 当事務所のサポート

 当事務所では、離婚に際して決めておきたい事項の整理や、父母が合意した内容を書面にまとめる手続をサポートしています。
 離婚後の生活を見据え、子どもの養育に関する取決めを整理し、合意した内容を書面に残しておきましょう。
 ただ、この共同養育計画書は字のとおり子どもに関することだけですので、離婚する・した際に取り決めしたことは、後のトラブルを防ぐためにも公正証書を作成することを強くお勧めいたします。
 公正証書作成のサポートも行っておりますので、お気軽にご相談ください。

※具体的な事情によっては、弁護士などの専門家への相談が必要となる場合があります。


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行政書士坂部義之事務所
坂部 義之

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