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なぜ、置いておくだけのお金は減っていくのか?「財布の中の氷は、静かに溶けている」

    なぜ、置いておくだけのお金は減っていくのか?
    「財布の中の氷は、静かに溶けている」

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    ここまで4回にわたって、銀行、保険会社、カード会社、投資信託と、お金の商売の裏側をのぞいてきました。

    今回は、視点を変えます。
    主役は、あなたの手元にあるお金です。

    銀行にも預けず、投資もせず、ただ置いてあるだけのお金。
    一円も使っていないのに、じつは少しずつ減っています。

    金額は、まったく変わらないのに
    怖い話です。

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    1. お金は「氷」でできている

    お金を、氷のかたまりだと思ってみてください。

    冷凍庫に入れておけば、形はそのまま。
    でも、テーブルの上に置きっぱなしにすると、目に見えない速さで、少しずつ溶けていきます。

    ここで大事なのは、「溶ける」のは金額ではない、ということ。
    100万円は、10年経っても100万円です。

    減っているのは、その100万円で買えるものの量のほうです。

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    2. 溶かしているのは「値上がり」

    犯人は、インフレです。
    今流行ってますね

    10年前に100円だったジュースが、今は150円になっている。
    同じ100円玉なのに、買えるものが減りました。

    これは、ジュースが偉くなったのではなく、お金のほうが軽くなったということです。

    仮に、ものの値段が毎年2%ずつ上がったとします。
    すると、今の100万円で買えるものは、20年後には67万円分ほどに目減りします。

    金庫の中身は減っていません。
    でも、ゆっくりと氷は3分の1ほど溶けてしまったのです。

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    3. 長いあいだ、日本の氷は溶けなかった

    ここ数十年の日本では、この話はあまり実感がありませんでした。

    ものの値段がほとんど上がらなかったので、現金で持っているだけで十分だったからです。
    言ってみれば、部屋全体が冷蔵庫のように冷えていた時代です。

    でも今、その部屋の温度が上がりはじめています。
    第1回でお話しした「金利のある時代」が戻ってきたのは、その裏返しでもあります。

    氷の置き場所を、そろそろ考え直すタイミングなのかもしれません。

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    4. でも、氷を全部しまう必要はない

    ここで、いつもの但し書きです。

    「じゃあ現金はダメなのか」と言われると、そんなことはありません。

    急な入院、家電の故障、仕事の変化。
    そういうときに、すぐ取り出せるお金があるかどうかで、人生の選択肢は変わります。

    すぐ使える現金は、溶けるかわりに、いつでも取り出せるという強さを持っています。
    手元の氷は、溶けることと引きかえに「いつでも使える」を買っているのです。

    問題なのは、使う予定のないお金まで、全部テーブルの上に置きっぱなしにすることです。

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    5. 冷凍庫にも、いろいろある

    では、残りの氷はどこに置けばいいのでしょうか。

    置き場所には、それぞれ性格があります。

    - 金利の高い預金や個人向け国債
     溶けるスピードを少し遅くする、冷蔵室のような場所

    - 株式や投資信託
     うまくいけば氷が大きくなるけれど、途中で形が変わることもある場所

    どれが正解かは、そのお金をいつ使うかで決まります。
    来月使うお金を株式にするのも、30年後の老後資金を全部タンスに置くのも、どちらも置き場所を間違えている状態です。

    大事なのは「増やすこと」より、「使う時期に合った場所に置くこと」です。

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    6. あなたの氷は、どこに置いてありますか?

    今日のお金は、明日も同じ重さとはかぎりません。

    一円も使っていないのに減っていく。
    これが、ものの値段が上がる時代のいちばん静かなルールです。

    だからこそ、全部を守ろうとしなくていい。
    「これは溶けてもいい氷」「これは冷凍庫に入れる氷」と、置き場所を分けるだけで、お金の通り道はずいぶん見通しがよくなります。

    溶けていることに気づけた人から、対策は始められます。


    年代別・「強い」と「弱い」のちょうどいい配分

    ここからは、実際にどれくらいの割合で混ぜればいいのかを、年代別に見ていきます。

    最初にお断りしておくと、ここに出す数字は「正解」ではありません。
    自分の配分を決めるときの、たたき台だと思ってください。

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    ■ 配分を決める、たったひとつの物差し

    年代の話に入る前に、いちばん大事な考え方をひとつ。

    配分を決めるのは、年齢そのものではありません。
    そのお金を使うまでに、あと何年あるかです。

    株式のような「強い資産」は、途中で大きく値下がりすることがあります。
    でも、回復を待てる時間があるなら、その揺れは怖くありません。

    逆に、来年使うお金なら、20代だろうと60代だろうと、置き場所は現金一択です。

    年代別というのは、つまり「残り時間の目安」の話だと思ってください。

    残りの時間って響きますね
    中年にもなってくると。

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