
ヴァイツェンの歴史を深くたどる――バイエルンの君主、醸造特権、酵母の科学、世界の小麦ビール
ヴァイツェンの歴史を深くたどる――バイエルンの君主、醸造特権、酵母の科学、世界の小麦ビール
はじめに
ビールには、原料や製法によってさまざまなスタイルがあります。そのなかでも、わたしが気になったのがヴァイツェンです。
バナナを思わせる甘い香り、クローブのようなスパイシーな香り、ふんわりした泡。一般的なラガービールとは違う個性があり、小麦を使ったビールならではの魅力があります。
けれど、ヴァイツェンの面白さは、味や香りだけではありません。その歴史をたどると、16世紀のバイエルンの君主、穀物の価格と食料供給、貴族に与えられた醸造特権、領主の収入、そして19世紀の民間醸造家による伝統の継承へとつながっていきます。
さらに、世界の小麦ビールを見渡すと、ドイツのヴァイツェンとベルギーのウィットビールは、同じ小麦ビールでありながら、香りの組み立て方も歴史的な背景も異なります。
今回は、ヴァイツェンの歴史、醸造の仕組み、世界のビアスタイル、そして日本で飲める銘柄まで、わかった範囲で整理してみたいと思います。