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自閉症の3つの誤解 その3

    3つ目は、「障害受容」という考え方です。
    我が子が自閉症と診断されたことを親が受容するのは、親が前を向く最初の一歩になるので好ましいことです。
    しかし、自閉症には多くの特徴があります。自閉症の特徴は、教育によって克服できるもの、恐怖を克服することで解消できるもの、変えることができないもの、という3つに分かれます。
    このことを知らずに自閉症の特徴をすべて受容してしまうと、ほとんどなにもできない大人になってしまいます。

    自閉症の子どもは恐怖の克服と教育をすれば、驚くような成果が生まれます。特に、自閉症の子どもは記憶力が良いので学習に向いています。自閉症の子どもは通常学級に入ることを目標に支援をする必要がありますが、そのような目標を掲げている本や療育施設はほとんどありません。

    自閉症研究の偉大な先駆者、アメリカのレオ・カナーは、1971年に、1953年以前に自閉症と診断した96名の自閉症の子どもの予後を調査しました。
    その結果、11名が「就労できるまでに社会に十分受け入れられ、明白な行動上の問題もなく人々の中に入っていき、そして家庭、仕事場、その他の相互交流の場においても人々に受け入れられている」(カナー1978, p.209)と評価されました。
    また、全員が車の運転をし、事故や交通違反の記録はありませんでした。そのうちの5名は大学を卒業していて、1名は経済学の修士号を持っていて会計士をしていました。
    1971年に96名中5名が大学を出ていたというのは、当時は大学を出ていた人が少なかったので、それほど悪い数字ではありません。

    9歳ごろから農家に4年預けられた子どもは、農耕馬をあやつって畑を耕したり、農家の仕事を手伝いました。そして、田舎の学校に通い、そこでかなりの学業面の進歩をとげました。大学ではフランス語を専攻し、地元の銀行の出納係になりました。それ以上の昇進は望んでいませんでした。趣味はゴルフで、地方の競技会で6回優勝していました。子どもを支援するキワニスクラブで会長を1期つとめ、長老派日曜学校の書記をし、地域住民から尊敬されていました。
    ひとりの女性は大学を卒業し、看護婦の訓練を受けましたが、看護婦としては融通がきかず不適格でした。そこで、実験技師になることを勧められ、病院で優秀な実験技師になりました。そして、音楽への興味をいかして、教会付属合唱団に入っていました。

    それに対して、州立病院に入院した自閉症の子どもは、全員がほとんど何もできない重度の障害者になっていました。通常は、病院に入院した子どもの方が農家に預けられた子どもよりも良くなるはずですが、自閉症の子どもは逆になりました。
    自閉症の子どもに優しい施設は、自閉症の子どもの恐怖を受容するので、自閉症の子どもの恐怖が重度になってしまいます。そして、ほとんど何もできない重度の自閉症の大人になってしまいます。

    自閉症は原因がわかっていなかったので、症状の解釈も推測の域を出ていませんでした。それで、療育の方針についても誤解がありました。
    原因がわかっていない腹痛を、医者が集まって協議し、痛み止めを処方するように決めたようなものでした。しかし、盲腸は痛み止めでは治りません。

    自閉症の子どもの療育には自閉症の正しい理解が不可欠です。次の本で自閉症の正しい理解を解説しています。自閉症に関心がある方はぜひ読んでください。


     
     
    『自閉症の原因と効果的な支援』と『幸せな子どもはいじめない』という電子書籍を出しています。自閉症の原因を明らかにし、自閉症の子どもへの効果的な支援を示しました。また、定型の子どもを対象にした「受け身の子育て」を提出しました。

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