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トマトは野菜かくだものか。

    たとえばトマトは野菜と果物のどちらに分類されるのか。

    ――『言語の人類史』p.329

    答えはどちらでもない、です。
    トマトはスパイスなのです、タンザニアのおばちゃんによると。
    あれは暑い晴れた日のことでしたit was hot and shiny day。

    私は市場(ソコ)でトマトとタマネギとニンニクを買って、家路に就いていました。
    買い物袋を見たおばちゃんが私を呼び留めて「もっと野菜を食べなさい」と言ったのです。
    ですが私はたくさんのトマトを持っています。タマネギとニンニクは議論の余地がありそうですけど、トマトが野菜以外のなんだというのでしょうか。
    アメリカ最高裁もそう判決しています。
    <Nix v. Hedden, 149 U.S. 304 (1893)>
    けれどおばちゃんは反論した私をかわいそうな子を見るような目で見て(というのは被害妄想かもですけど)言いました。

    「それらはスパイスである」と。

    ……たしかに一般的には、そして私も、トマトは煮込んでスープ(ムチュジ)のベースにします。タマネギやニンニクもいっしょです。
    と考えれば、トマトは「スパイス」かもしれません。

    しかし、しかしです。
    タンザニアでも、カチュンバリという、トマトとタマネギを薄くスライスしてライムと塩で和えたサラダがあります。串焼き肉(ムシカキ)や、揚げたポテトの卵とじ(チプシナマヤイ)のつけあわせとして定番です。
    と考えれば、やっぱりトマトは「野菜」ではないでしょうか。

    ……なんてことは、おばちゃんの迫力の前では思いつきませんでした。
    私は次から野菜を買いますと誓わされたのでした。ぐぬぬ。

    あ、トマトもスワヒリ語では「ニャニャ」なので繰り返し言葉ですね。ザンジバルでは「トゥングレ」ですけど。
    『言語の人類史』はなぜかスワヒリ語がたくさん例に引かれているたいへんよい本でした。

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    やさい
     
     
    本を読む人。ノンジャンルで本の感想を書いたり雑記を放流したりしています。写真は基本的にすべて自分で撮影したものです。

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