
猫はオフトンネルがお好き
羽毛布団をしまう前に、
お布団を干しておかないと。
そう思って、
布団をわっせわっせと2階へ上げる。
まだ布団を干すには少し早い。
ここで待機、と思っていると
「きゅるっ」
いつの間に来たのか、
足元で猫が甘えた声を出す。
「どしたん」
あまりに可愛さに微笑みながら、
猫を見下ろせば、
訴えるような猫の瞳にぶつかって。
あぁあ、やっぱり。
やっぱりそうなん?
「しゃーないなぁ」
心の中で、腕まくり。
「ちょっと待ってや」
猫に言い置いて、
隣の部屋へと急ぐ。
持ってきたのは、
私の膝より、少し高めの椅子2脚。
椅子をバランスよく
縦長に配置して、
その上に、布団をファサっとかける。
布団の裾を整え、
猫が出入りしやすいように
出入り口付近をしっかり開けたら、
即席お布団トンネル=オフトンネルの完成だ。
「出来たで」
言うが早いか、
猫はするするっと吸い込まれるように
トンネルの中に入っていく。
はや!!
よいしょっとオフトンネルの中を覗き込むと、
猫は早速ぺちゃんと床に体を預け、
顔だけあげて、
満足げにぺしょぺしょ自身の白いおててを舐めている。
「気に入ったん?」
私の掛け声に反応はなし。
ぺしょぺしょ、ぺしょぺしょ。
床に伸ばした片手を舐めている猫のお尻で、
ご機嫌そうに、
ゆら、ゆらと揺れるふわふわ尻尾が愛おしい。
どうやら、ご満足いただけたらしい。
小さいころから、潜るのが大好きで
畳んだ布団を掘っては、その間に潜っていた猫は、
今ではすっかり大きくなって、
そんなことはできなくなった。
代わりに、
ふとんを見ると、
時々こうして、私にオフトンネルをおねだりする。
布団に毛がめちゃんこついちゃうし、
干そうと思ってたけど、干せないし。
だけど、猫が心地よさそうなのが嬉しくて。
実は、今日もおふとんねる作っちゃった。