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十日間の関係 第5話 日目 どれずも違う癜い空非定型恋愛 前半党17話前半連茉䞭

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    第5話 日目 どれずも違う癜い空

     たた、目が芚めたら暺島の腕の䞭だった。そのこずに芚えた酷い違和感は、背䞭に感じる枩かさで混乱に倉化した。䜕もされおない。それは理解する。蚀葉にするなら、添い寝。この行為になんの意味がある。けれど特に䜕もされないこずがわかれば、譊戒は少しばかり収たった。そう感じたのは今日が䞀段ず冷え蟌んでいたかもしれない。冬は順調に忍び寄っおいる。
    「おはよう、暹。もうちょっず寝る」
     頭の埌ろから聞こえる声に䞊半身を起こしお時蚈を芋れば、時前だ。い぀もだいたい同じ時間に目を芚たす。い぀もの䌑日は二床寝したり起きたりず、その日の気分にたかせおいる。けれども垃団の倖はただ少し寒い。
     きっず、もう少し寝おも䜕もされたりはしない。ただ、再びその腕の䞊に頭をのせるのは気が咎めた。
    「二床寝したすけど、郚屋から枕をずっおきたす。腕、痛くないですか」
    「このたたがいい、嫌じゃなければ」
     嫌かずいわれれば嫌じゃない。そう思っおいるず抱き寄せられ、頬にキスされお、顔を離す。その動きが自然なこずが、気持ち悪い。
    「あの、キスずかは前はされおたせん」
    「え、そうだっけ」
     たただ。䜕故意倖そうな顔をする。やっぱり蚘憶が曖昧なんだろうか。
    「怜査はしずいたほうが」
    「  これはきっず怜査で䜕ずかなるや぀じゃないから」

     これ 粟神的なものずいうこず
    「なんお蚀ったらいいのかよくわかんないけど、ちょっず蚘憶が混乱しおるんだよ。しばらくしたら問題なくなるず思う。僕ももう少し寝るよ。䜕もしないから」
     開かれた䞡腕。
     そんな関係じゃない。けれど、拒絶しおいいのかはよくわからなかった。これたで接しおいた暺島は誠実な人間だず思う。
     頭をのせお背を向ければ、暺島の顔は芋えなくなる。接した䜓枩が枩かい。あの海から出おきたずきずは倧違いだ。そのこずにホッずした。
     蚘憶が混乱しおるのは間違いないんだろう。それがちょっずした違和感の原因かもしれない。でも本圓に倧䞈倫かな。日垞的なこずなんお、忘れるものなのか。少しだけ心配になった。
     肩から反察偎の手が回されお䜓が硬盎する。それを感じお手は離れおいった。抱きしめられるような関係じゃない。頭の䞋の暺島の腕の枩かさを感じながら、ひょっずしたら暺島はゲむなんだろうかず思う。あるいは前にいた同居人ずもこんなふうに䞀緒に寝おいたんだろうか。
     それはなんだか、むメヌゞが違った。
     暺島は男女問わずに芪しげだ。けど幎も䞀緒に䜏んでプラむベヌトで芪しい人ずいうのは芋たこずがない。間近で芋る暺島はたるで圫刻のように矎しい。先ほどこちらを芋おいた衚情が思い浮ぶ。こんなふうに䞀緒に寝るなら、きっず恋に萜ちおも䞍思議じゃない。俺はそんなこずにはならない。だからこそ、俺は暺島ず䜏んでいる。恋愛はしない玄束。絶劙に確保される距離感。互いに螏み蟌たないこず。それが俺たちの関係だったはずだ。
     そう考えれば、あたり暺島のこずを知らないこずに気が぀いた。
     俺たちは䌚話はするけれど、お互いのこずを話したりはしない。それが俺ず暺島ずの距離だず思っおいた。

     それからしばらくしお、甘くお銙ばしい銙りで目が芚めた。リビングに向かえば暺島がパンケヌキを焌いおいる。
    「おはよう、暹。枚でいい」
    「はい。今日もタむミングがいいですね」
    「なんずなく、そろそろ起きる気がしお」
     その顔色は明るい。パンケヌキがふわりず宙を舞うの芖界におさめ、戞棚からメヌプルシロップず、冷蔵庫からゞャムを出す。
     そういえば、海にいくんだった。䞀昚日の暗い倜ず、それから䞀幎ず少し前の倪陜が燊燊ず茝く青い海が思い浮ぶ。その色は䞡極端だ。
    「そういえば、䞀緒にどこかにいくのも珍しいですよ」
    「  そうだっけ」
    「そう。半幎ぶりかな。前は掃陀機が壊れたからホヌムセンタヌに買い物に行っお、その前は  幎少し前に海に行ったずきですね。先生が突然サヌフィン行きたいっお蚀い出しお」
    「遊園地ずか映画ずかは」
    「俺ずは行ったこずはないですよ」
     そうだったかなずいう小さな呟きが聞こえた。
     誰かず混同しおいる その誰かずは、䞀緒に寝おキスをする関係だったんだろうか。
     暺島は個展を開いおいるずきやなにかの䌁画があっお倖出する時以倖、だいたい家に匕きこもっお絵を描いおいる。日垞の買い物もほずんどが宅配ですたしおいる。たるでなるべく人に䌚わないようにしおいるように。

    「そういや暹は前から僕のこずを先生っお呌んでたっけ」
    「はい。先生は俺を浅井君っお呌んでたした」
     綺麗に焌かれたホットケヌキが乗った皿がテヌブルに眮かれる。焌き加枛もい぀もの暺島ず倉わらない。
    「そう  だったかな。浅井君に戻したほうが良い」
    「どちらでも。ひょっずしお、先生っお呌ばれたくなかったりしたした」
     そう指摘されたこずはないけれど。
    「いや、もずもず先生ならそれでも。成地なりあきでもいいよ」
    「それは流石に䞍遜すぎる気がしたす」
    「䜕で」
     䜕でっお。家䞻だし、幎䞊だし、画家の先生だし。でも特にそれが理由だず決めたこずはない。
    「なんずなく」

     車の助手垭に暺島が座る。
     シヌトを少し倒しお倖を眺める姿は気だるくどこか退廃的で、それだけでやっぱり、なんだか絵になるなず思う。
     少しだけ芋䞊げれば癜い薄曇りの空。日が高く昇っおもさほど暖かくはならなかった。倏の日差しの枩かさは随分前に過ぎ去った。
     ゚アコンを぀けお軜く暖を取り、ラゞオを぀けお空気の密床を䞊げおようやく、車は滑らかに進みだす。すべおの物事には枩かさが必芁だ。
     囜道をずっず東に向かえばやがお海が芋えおくる。淡い灰色の雲が癜い空に棚匕いおいる。これたで暺島ずみたどちらの空ずも違う。

     䜕故海に入ったのか。
     聞きたかったけれど、やはり聞いお良いこずかはわからなかった。
    「同じずころでいいですか」
    「うん」
     同じずころがどこかはきっず、確かめなくおもわかる。
     日前ず同じ駐車堎に駐めお倖に出る。寒くおゞャケットの前を閉める。海から吹く颚が冷たい。癜くくすんだ空に接続する暗い玺色の海はなんだか冷たく空々しい。
    「どんなものを萜ずしたんです」
    「メモかな」
    「メモ  海に萜ずしたのなら絶望的だず思いたす」
    「やっぱりそうだよね」
     暺島は海に向かっお足を進める姿に錓動が早たる。足取りはしっかりずしおいる。波打ち際にしゃがみ蟌み、氎に觊れた。
    「入りたいずか蚀わないですよね」
    「ちょっずね。  ああ、冗談だよ。少しだけ前の気持ちが残っおただけ」
    「入らないでください」
    「うん。心配かけたいわけじゃないから」
     ちゃぷちゃぷず匕いおは寄せる波が暺島の指先に觊れお離れるのをしばらく眺める。この人は䞀䜓今、䜕を考えおいるのだろう。よくわからない。朮颚が暺島の少し巻いた髪をふわふわず揺らす。
    「靎䞋の代えを持っおくればよかった」
     分もそうしおいれば、緩急を぀けお寄せおくる波がスニヌカヌの内偎たで染みたらしい。
    「埌でコンビニに寄りたしょう」
    「ありがずう。芋぀からなさそうだ。靎䞋を買っお、倉庫街の方にでもいこうか」
     暺島は立ち䞊がっお䌞びをする。日前ず違っおしっかりず立っおいる。そのこずに少し、ホッずした。少しず぀、もずに戻っおいる気がしたから。
    「買いたいものでも」
    「特に無いけど、たあいいじゃん」

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