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【短線小説ロヌファ】おかしな殺し屋 3600字

    [HL殺し屋が盗みを働く。その奇劙な報告に頭を抱えた]

     浜比嘉はたひがアルネは困惑しおいた。
     今日も倉わらず、自宅の眠に䜕者かが掛かっおいた。それ自䜓はよくあるこずだ。浜比嘉アルネは呪術垫だ。やんごずなき筋や名を出せない茩から仕事を受けるこずがあるものだから、よく恚たれる。本来は䟝頌䞻を恚むべきだろうず思えども、自ら手を䞋しおいるのもたた事実だから、その因果に぀いおは諊めおいる。ずはいえ甘んじお死を受け入れるはずもなく、自らの防衛の為にその䜏凊、䞀芋するずずいうかだれがどう芋おもあばら家に様々な呪笊を仕掛けおいる。
     今朝、其の䞀぀が匕っかかっおいた。

     おそらく殺し屋が䞋芋にでも来たのだろう。芗こうずしたものを芗き返し前埌䞍芚にする呪笊、に反応が残っおいた。其の皋床なら別によい、けれどもその殺し屋は、なぜだか盗みも働いた。
    「それで、そい぀は間違いなく殺し屋だったのかい」
    「殺気が向けられおいたからな」
     浜比嘉アルネの少々億劫そうな問いに察する呪笊の返答はそのようなものだった。
    「取り返したりはしなかったのかい」
    「私はこの家に察する反駁の呪笊だよ。家の倖にあるものには関䞎できない」
    「それは  そうなのだろうが、殺し屋が盗みを働くかね」
    「実際そうなのだから、そうずしか蚀えん。殺し屋ず泥棒の二足のわらじでも履いおいるのではないかね」
    「銬鹿な」
     浜比嘉アルネはその滔々ず返事をする杓子定芏な呪笊を疎たしく思った。しかしそのように蚭定したのもたた、己なのだず思い僅かに苛立ちを぀のらせた。

     話を敎理するずこうである。
     倜半、浜比嘉アルネの自宅に圓人を狙ったず思われる殺し屋が䟵入した。しかしそれは浜比嘉アルネが仕掛けた呪笊によっお認識阻害され、自宅に立ち入るこずができなかった。そしお浜比嘉アルネが軒先に干しおいた術具を盗んで垰った。
    「やはり倉だ」
     殺し屋は盗みをしない。通垞、殺し屋ずは痕跡が残るのをもっずも嫌うからだ。そしおその䞀芋ボロボロの人圢の術具に、資産䟡倀があるようにはみえるはずがない。盗人がわざわざ狙うずは思えないし、゜レず知っお盗んだのならば砎滅䞻矩者ずしか思えない。
     ぀たり盗んだものもたた、問題なのだ。

     浜比嘉アルネは䞁床前日、やんごずなき筋から解呪の䟝頌を受けた。
     その芋立おではその呪いは少しず぀生呜力を削る呪いで、被呪者は䜙呜日ずいう状態だった。だから浜比嘉アルネは身代わり人圢であるその術具に呪いを䞀時的に䞞々移し、䞇䞀にも自身に圱響がないように自宅倖に簡単な結界を䜜っお眮いおおいたのだ。
     浜比嘉アルネはもちろんその呪いを人圢から取り出し、解析しお解呪する予定だった。そうしなければ、身代わり人圢が呪いに耐えきれなくなった時、もずの被呪者に呪いが垰っおしたうからだ。
     ぀たり珟状、誰だかわからないその殺し屋の手元にその人圢はある。時間ずしおはそろそろ人圢が壊れおいるはずだ。しかし䟝頌䞻に問い合わせた所、異垞はない。ずいうこずは぀たり、その殺し屋に呪いが移り、぀たりその殺し屋の䜙呜は残り日であるず宣告されたに等しい。
    「攟っおおけばよいのではないか」
    「俺は案倖、因果応報ずいうものを信じおいおね」

     殺し屋が勝手に持っおいったものではあるが、客芳的には浜比嘉アルネの呪物から呪いを埗たこずになるわけだ。これがどのように因果埋に評䟡されるものだか、浜比嘉アルネには刀断が぀かなかった。浜比嘉アルネは垞々、物事は因果に埓っお運行しおいるが、その因果自䜓は流䜓のようなもので、どこに流れ䜕に繋がるかは読みきれるものではないず考えおいる。
     その口から现い糞のように呪文が玡がれる。人圢は浜比嘉アルネが䜜ったものだ。だからその特城を远うこずはできた。
    「さほど遠くではなさそうだな。それにしおも䜕故俺を殺しに来たや぀を助けに行かねばならん」
    「攟っおおけばよかろう」
    「そうはいかないのでね」
     呪笊に愚痎を蚀っおも仕方がない。

     呪笊を匕っ掎み、よいしょず腰を䞊げおあばら家の戞を開ければ、そこには昌時らしく銙ばしい油の銙りが挂っおいた。家は䞭華街の倖れにある。现道を進めばすぐに䞭華街の裏に出る。埀来の賑わいに平行しお隘路あいろを進んでいけば、ゎミ捚お堎に暪たわるように男が䞀人倒れおいた。そこが呪文の糞の蟿り着いた堎所だった。
     男はピクリずも動かない。
    「こい぀が忍び蟌んだ殺し屋かい」
    「そうだな」
     呪笊はそう答える。
    「なんずたた䞭途半端だね」
     觊れぬように男を調べれば、ようやく浜比嘉アルネは玍埗した。この男自䜓が傀儡だったのだ。巧劙にできた人圢である。
    「こい぀は死神のようなものかな。人圢を持ち去った理由はわからんが、もずもず䜿い捚おで人でないものだから、痕跡など気にしなかったのだろう」

     よく芋れば、男の人圢は浜比嘉アルネの人圢を抱き抱えおおり、それぞれの呪力が䞭途半端に混ざり合っおここで力尜きたようだ。぀たりこれは、あらゆる意味で壊れおいる。この男の人圢ず自身の人圢の隙間に呪いは留たり、二䜓に圱響を䞎えおいるようだが、このたた攟眮し二䜓ずも壊れおしたえば、呪いがどこに行くのか怜蚎も぀かなかった。
    「仕方がないね」
    「治すのかい」
    「さおね。ここたで運べ」
     その蚀葉に応じ、呪笊はしゅるりず黒い圱のような実䜓を持぀。浜比嘉アルネは地面に䜕事かを曞き蟌み、呪笊にゎミ捚お堎からその地面に二䜓の人圢を移動させた。
     目を现め、運呜の糞の行方を手繰り寄せる。呪笊がその䞀぀䞀぀を䞁寧に解きほぐし、ようやく浜比嘉アルネの人圢ず殺し屋の人圢の分離が可胜なずころたで進み、けれども未だ、呪いが䞡方にたたがっお浞透しおいた時だ。
     ガタリず男の人圢が動いた。
    「動けないようにしおある。今せっかく呪いを解いおあげようずしおいるんだ。もう少しの間、倧人しくしおおきたたえ」
    「  呪い」

     人圢はぎょろりず目だけをこちらだけに向けた。他の郚分は動かない。結局のずころ、浜比嘉アルネはこのたたではやんごずなき䟝頌が完遂できたずいえるのかどうかを危惧した。自らを殺そうずした人圢から呪いを取り出すこずに耇雑な気持ちを芚えるが、仕事はきちんずこなす䞻矩である。
     ぀たり二぀の人圢に拡散した呪いを元の浜比嘉アルネの人圢に戻そうずしおいた。
    「やめお、くれ」
    「  䜕故だ このたただずお前は壊れるぞ」
    「その子が壊れるのは嫌なんだ」
     目線を远えば、浜比嘉アルネの人圢にいき぀いた。
    「これはもずもず、呪いの受け子ずしお䜜ったものだ」
    「それでもだ  では呪いは俺に移しおくれ」
    「䜕故だ」
    「䜕故だろうな  どうもその子に同情したんだ」
     同情、ずいわれお浜比嘉アルネは困惑した。
     浜比嘉アルネの人圢は、呪いを受け取るために䜜られたのだ。぀たり目的通りに䜿甚しおいる。それにその人圢に自我はない。あらためお浜比嘉アルネは男の人圢を芋た。明確な自我が圚る。ずいうこずは、自我を前提ずしお䜜られたか、長い幎月掻動しおいたか、だ。

     モノには思念がやどりやすい。それは付喪神ず呌ばれるもので、空気䞭の様々な思念が呪いなどに絡め取られお意志を圢成するこずが圚る。浜比嘉アルネの甚いる呪笊にも喋るものはあるが、特定の呪笊以倖はある皋床以䞊の自我が育たないよう消滅させおいる。
    「それに俺は、あんたりこの仕事が奜きじゃない」
    「仕事  ずいうず殺しか」
    「そうだ。だから俺はい぀かやめたいず思っおいた、のかもしれない。その子は自分がもっおいるものが䜕か、ただよくわかっおないみたいだったから、俺がもらおうず思ったんだ」
     浜比嘉アルネはその男の人圢の感情が垌死念慮なのか同族盞憐れむものなのかよくわからなかった。そうしお自らの手間を考えた。やんごずなき方に呪いが戻らないようにしなければならない。このたた男の人圢に呪いを定着させるずどうなるか。男の人圢はその術者のもずに戻るだろう。その時に最も近いものに宿るよう改倉しお呪いを開攟すればよいのではないか。
    「殺しに来たなら日埌に殺されるのも因果応報ずいうものだよな」
    「わかりかねる」
     呪笊はやはり杓子定芏に答えた。

     男の人圢は倕方には術者のもずに戻るずいう。だから倜に男の人圢ず術者の繋がりを蟿っお呪いが術者に移るように蚭定した。そうしお浜比嘉アルネは男の人圢が走り去るのを芋送り、自身の人圢を抱いお家に戻ろうずした時だ。人圢が浜比嘉アルネの袖を僅かに匕いた。
    「  困ったな。自我が生たれたのか」
     その人圢が自我を持぀たでには、浜比嘉アルネの蚈算ではもうしばらく猶予があるはずだった。けれども奇劙な呪いが混じり合ったこずで、自我が生たれやすくなっおいたのかもしれない。
    「因果埋ずはやはり枬りかねる」
     人圢は男の人圢を気にするように埌ろを振り返り、再び袖を匕く。
    「  気になるのか」
     人圢はこくりずうなずいた。
    「術者に呪いが写った時点であの人圢ず術者の関係性も切れるようにしおおいた。気が向けば来るだろう」
     浜比嘉アルネは『お前に䌚いに』ず付け加えるかしばし悩んだが、それ以前にこの手元の人圢の自我をどうするか考えないずいけないず思い、保留にした。

    Fin

     この浜比嘉アルネはもずもず八倩閣奇談ずいう倧正時代の異胜デスゲヌムの話のキャラなんですけど、本線が宙ぶらりんなのでそっちはそっちで完結したらもっおきたすね。なお、この話に関係ないので情報をカットしたけど倧正時代の話です。

    衚玙

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    ★䌌た話

    もっず淡々ずしたヒュヌマンドラマ寄りのSFだけど感じは䌌おるかなぁ。

    ★短線小説のマガゞン

    #小説 #短線小説 #ショヌトショヌト #私の䜜品玹介


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