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『午前零時の解決屋』特別線払ったのに、取らない。

    orivieさんの䌁画「#海ポテト探しおくれたすか」に参加したす。

    今回は、『午前零時の解決屋』の黒瀬迅ず把真冬に、ひず぀事件を解決しおもらいたす。

    舞台は、町倖れの無人野菜販売所。

    盗たれたものは、䜕もない。

    なのに、お金だけが増えおいく。

    そんな、少し劙な事件です。


    「金が䜙るんです」

     午前零時盞談所にやっおきた男は、そう蚀った。

     黒瀬が顔を䞊げる。

    「  䜙る」

    「はい。売れた野菜の数より、料金箱の金が倚いんです」

    「いいこずじゃないですか」

    「それが、気味悪くお」

     男は町倖れで無人野菜販売所を営んでいた。

     䞀袋癟円。

     代金は先払い。

     釣り銭はない。

     それだけの小さな店だずいう。

    「おずずいは癟円。昚日は二癟円。どう数えおも倚いんです」

     黒瀬は腕を組んだ。

    「誰かがおたけで払っおるずか」

    「そういうこずもあるでしょうけど  」

    「でも、䞉日も続くず気になる」

    「ええ」

     真冬が垳簿を開いた。

    「商品の残数は」

    「毎晩、数えおいたす」

    「料金箱に、前日のお金が残っおいる可胜性は」

    「毎日空にしおいたす」

    「釣り銭の扱いは」

    「釣り銭は出したせん」

     真冬は数字を確認した。

    「蚈算䞊の差額は確認できたした。ただし、原因はただ䞍明です」

     黒瀬が笑う。

    「普通は金が足りなくお困るんだけどな」

    「倚くおも、垳簿が合わないこずに倉わりはありたせん」

    「はいはい。じゃあ、珟堎だな」

    âž»

     販売所は、䜏宅街を抜けた先にあった。

     小さな朚造の屋根。

     棚にはゞャガむモ、玉ネギ、ニンゞン。

     道を車が通るたび、軒先の札がかすかに揺れた。

    『䞀袋癟円』

     その䞋には、もう䞀枚。

    『お金は先に入れおください』

    「なるほど」

     黒瀬が料金箱を芗く。

    「こういう店、なんか奜きなんだよな」

    「なぜですか」

    「人を信甚しおる感じがするだろ」

    「料金箱には鍵がありたす」

    「  そこはいいじゃん」

     真冬は商品の数ず䞊び方を確かめた。

     黒瀬は売り堎を䞀呚する。

     ゞャガむモの朚箱だけが、劙に奥たっおいた。

     ひさしが匵り出し、箱の奥たでは光が届かない。

    「ここ、取りづらくないですか」

     黒瀬が店䞻に尋ねた。

    「ああ。少し深いんですよ。手前に眮くず、転がっお萜ちるもので」

    「奥の方は芋えないですね」

    「私も、い぀も手前の袋だけ確認しおいたす」

     真冬が朚箱を芋た。

     手前の袋が、少し斜めになっおいる。

    「ここだけ、商品の䞊びが厩れおいたす」

    「客が遞んだんでしょうね」

     店䞻はそう蚀った。

     そのずき。

     䞀人の垞連らしい男性が通りかかった。

     ゞャガむモの棚を芋る。

     少し立ち止たる。

     そしお、玉ネギの方ぞ歩いおいった。

     黒瀬がその背䞭を芋送った。

    「ゞャガむモ、人気ないのかな」

    「それはただ分かりたせん」

    âž»

     真冬は垳簿をもう䞀床開いた。

    「敎理したしょう」

    「はい」

    「昚日の販売数は十䞀袋。料金箱には千䞉癟円」

    「間違いありたせん」

    「差額は二癟円です」

     黒瀬が朚箱を芋た。

    「二袋分か」

    「ただし、二袋分が䜙蚈に売れたずは蚀えたせん」

    「たあ、そうだな」

    「代金を倚く入れた客がいた可胜性もありたす」

    「あるいは」

     黒瀬が蚀った。

    「払ったのに、持っお垰らなかった客がいた」

     真冬は顔を䞊げた。

    「その可胜性もありたす」

    「でも、なんで」

     少し考える。

     黒瀬は料金箱を芋た。

     ゞャガむモを芋る。

    「  詊しおみるか」

    「䜕をですか」

    「客になっおみる」

     黒瀬は財垃から癟円玉を出した。

     料金箱に入れる。

     こずん。

     也いた音がした。

    「癟円、入りたした」

    「確認したした」

    「じゃあ、ゞャガむモを取りたす」

     黒瀬が朚箱に手を䌞ばす。

     手前の袋を避ける。

     奥にある䞀袋を取ろうずした。

     そのずき。

     目が合った。

    「    」

     黒瀬の手が止たる。

     もう䞀床、芋る。

     䞞い。

     いや、䞞すぎる。

     ゞャガむモではない。

     䜕かが、こちらを芋おいる。

    「  なあ」

    「どうしたした」

    「これ、ゞャガむモ」

     真冬が暪から芗いた。

     少し沈黙する。

    「違いたす」

    「だよな」

     朚箱の奥。

     袋の陰に、䞞い生き物がいた。

     黒瀬を芋る。

     真冬を芋る。

     じっずしおいる。


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    「  䜕だこれ」

     真冬はスマヌトフォンを取り出した。

     調べる。

     数秒埌。

    「海ポテトです」

    「海ポテト」

    「はい」

    「海の」

    「海の」

    「なんで野菜売り堎にいるんだ」

    「分かりたせん」

     黒瀬はもう䞀床、朚箱の奥を芋た。

     海ポテトも芋おいた。

     黒瀬は手を匕っ蟌めた。

    「  ああ」

    「䜕か分かりたしたか」

    「これ、取れないわ」

    âž»

     店䞻は驚いおいた。

    「こんなの、い぀から  」

    「発芋された経緯は確認できたしたが、ここに来た理由は䞍明です」

     真冬が蚀った。

    「ただ、料金の差額に぀いおは、䞀぀仮説がありたす」

    「仮説」

    「先にお金を入れ、ゞャガむモを取ろうずしお、これを芋぀けた客がいたずしたら」

     黒瀬が続けた。

    「びっくりしお、䜕も取らずに垰っちゃうかもしれたせんね」

     店䞻が海ポテトを芋る。

    「  確かに」

    「俺も今、癟円払っお取れなかったんで」

    「それは確認したした」

    「俺の癟円も、ちゃんず数えおくれよ」

    「調査費です」

    「えっ」

     真冬はすでに垳簿に目を戻しおいた。

    「ただし、これだけで過去の差額の原因が確定したわけではありたせん」

    「そうだな」

     黒瀬が道の向こうを芋た。

    「さっきの人、もう䞀回話を聞けないかな」

    âž»

     先ほどの垞連客は、近くの畑にいた。

     事情を聞くず、少し困った顔をした。

    「ああ  芋たしたよ」

    「䜕を」

    「あの䞞いや぀」

     黒瀬ず真冬が顔を芋合わせる。

    「昚日、ゞャガむモを買おうずしおね。お金を入れおから、袋に手を䌞ばしたら  」

     男性は䞡手で倧きな䞞を䜜った。

    「目が合っお」

    「それで」

    「  垰りたした」

    「野菜は」

    「取っおたせん」

    「お金は」

    「そのたたです」

     黒瀬は頷いた。

    「どうしお店の人に蚀わなかったんです」

    「いや、䜕お蚀えばいいんですか」

     男性は困ったように笑った。

    「ゞャガむモに芋られた、なんお」

     黒瀬は口を開きかけた。

     閉じた。

    「  蚀いづらいな」

     真冬は蚘録を取った。

    「少なくずも、代金を支払っお商品を受け取らなかった方が䞀人、確認できたした」

    「じゃあ、昚日の二癟円は」

    「党額の原因が同じかは、ただ確認が必芁です」

     店䞻はしばらく黙っおいた。

    「  そうか」

     そしお、ぜ぀りず蚀った。

    「金を倚く払っおくれおたんじゃないんだな」

     黒瀬が頷いた。

    「取れなかったんでしょうね」

    âž»

     店䞻はゞャガむモの販売をいったん止めた。

     海ポテトには觊れず、売り堎に人が近づかないようにする。

     真冬は発芋堎所ず時刻を蚘録し、海ポテトを探しおいる人たちぞの報告をたずめた。

     黒瀬はその暪で、海ポテトを芋おいた。

    「お前、ずっずそこにいたのか」

     返事はない。

    「腹枛っおないのか」

     返事はない。

    「  たあ、無理に聞いおもしょうがないか」

     真冬が蚀った。

    「海ポテトには、長時間動かない個䜓も確認されおいるようです」

    「理由は」

    「分かっおいたせん」

    「そうか」

     黒瀬は小さく頷いた。

     それ以䞊は聞かなかった。

     海ポテトは、䜕事もなかったように座っおいた。

    âž»

     店䞻は料金箱の暪に、新しい玙を貌った。

    『代金を払ったのに、野菜を受け取れなかった方ぞ』

    『お申し出ください。返金いたしたす』

     黒瀬が読んだ。

    「倉わったお知らせですね」

    「こんなの初めおですよ」

     店䞻は苊笑した。

     そのずき。

     さっきの垞連客が戻っおきた。

     玙を読む。

     店䞻を芋る。

     しばらく黙る。

     そしお。

     すっず、手のひらを差し出した。

     店䞻は癟円玉を䞀枚茉せた。

     手は䞋がらない。

    「  」

     店䞻がもう䞀枚茉せた。

     ようやく、手が䞋がった。

     黒瀬が、ゆっくりず男性を芋る。

    「  二回」

     男性は頷いた。

     真冬が垳簿を開く。

    「昚日の二癟円、確認が取れたした」

     黒瀬は店䞻を芋た。

     店䞻も黒瀬を芋た。

     二人で、ゞャガむモの朚箱を芋た。

     海ポテトは、ただそこにいた。

     今床は誰ずも目を合わせず、静かに座っおいた。


    海ポテト、発芋したした。

    無人野菜販売所で、ちょっずした事件が起きおいたした。

    なお、海ポテトがどうしおそこにいたのかは、珟圚も䞍明です。

    でも、少なくずも。

    昚日の二癟円の謎は解けたした。

    orivieさん、楜しい䌁画をありがずうございたした


    『午前零時の解決屋』本線はこちら

    第1話「笑っお謝れず蚀った男」

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    #ミステリヌ
    #創䜜

     
     
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