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コヌドは単なる『構成音』の衚蚘ではない ── ゞャズにおける音空間の共通蚀語

    初孊者に察しお「コヌド和音の構成音を衚すもの」ず説明するのは、導入ずしおは間違いではありたせん。しかし、少なくずもゞャズを挔奏する䞊では、その説明では党く足りたせん。

    そしお、クラシックの和声孊を孊んだ人が陥りがちな眠は、「コヌド和音の構成音を固定的に衚すもの」ずいう思い蟌みです。しかし、コヌド理論がゞャズから成り立っおいる以䞊、その認識は知っおいる぀もりの無知に等しいです。

    ゞャズにおけるコヌドずは、単なる「音の足し算構成音の指定」ではなく、Available Scaleアノェむラブル・スケヌル、遞択可胜な音空間の提瀺です。その空間でどの音を遞ぶかは、前埌の文脈や「いたその堎で鳎っおいる音」ずの盞互䜜甚によっおリアルタむムに倉化したす。この感芚は、ゞャズに携わるミュヌゞシャンであれば誰もが深く頷くずころでしょう。
    そしお䜕より、珟代のコヌド衚蚘䜓系そのものが、ゞャズの発展ずずもに䜜られおきた歎史を持っおいたす。

    コヌド理論が分かっおいれば「即答」できる問い

    「ゞャズずは䜕か」を理解する䞊で、非垞にわかりやすく本質を突いた玠晎らしい解説動画がありたす

    教逊ずしおのゞャズch

    https://youtu.be/Kao4xu6b3b4?si=EGnpsj_vtqXLQwyI&t=48

    動画の48秒あたりに、ゞャズを志す者なら必ず通る名曲『All The Things You Are』のリヌドシヌトメロディコヌドネヌムだけのシンプルな譜面が登堎し、こんな質問が投げかけられたす。
    「ゞャズミュヌゞシャンはこのリヌドシヌト1枚で、どれくらい長くアドリブ挔奏できるでしょうか」
    ゞャズを知る人なら、この時点で即答できたす。

    動画では続いお4択が提瀺されたすが、コヌドの本質を理解しおいれば、遞択肢を芋るたでもありたせん。問題に即答できなかった人は遞択肢を芋お考え、ぜひ続きの解説も聞いおください。非垞に玠晎らしい解説がなされおいたす。

    たった1枚の単玔な譜面を挟み、初察面のミュヌゞシャン同士がいきなり集たっお極䞊のセッションを成立させられる。その背景には、コヌド衚蚘に朜む明確なルヌルず匷力な「暗黙知」が存圚しおいるのです。

    コヌド衚蚘の歎史  ゞャズの歎史

    ゞャズが真の意味で珟代的な即興挔奏ぞず倉貌を遂げたのは、1940幎代、チャヌリヌ・パヌカヌの登堎からです。圌がもたらした瞊暪無尜なアドリブ衚珟こそが、ゞャズの蚀語䜓系を決定づけたした。
    圓時、ミュヌゞシャンたちは垂販のポップス楜譜ピアノ䌎奏譜をそのたた䜿うのではなく、コヌド進行を耳で聎き取り、アドリブに郜合の良いコヌドネヌムを手曞きでメモしおセッションに持ち蟌んでいたした。これらを束ねたものは「Fake Book※Fakeアドリブするの意」ず呌ばれ、珟堎の共通蚀語ずしおアンダヌグラりンドに流通したす。
    しかし、個人手曞きのFake Bookには衚蚘の「方蚀衚蚘のブレ」が倚く存圚しおいたした。それを1970幎代にボストンのバヌクリヌ音楜倧孊の孊生らが粟査・線纂し、誕生したのがかの有名な『Real Book』です。
    この過皋でコヌド衚蚘の暙準化が䞀気に進みたした。「バヌクリヌ理論」が珟代ポピュラヌ音楜のコヌド衚蚘のデファクトスタンダヌドずみなされるのは、たさにこの統䞀プロセスがあったからです。その埌もゞャズ理論の進化ずずもに衚蚘は粟緻化され、コヌドネヌムは「䞖界䞭のゞャズミュヌゞシャンが音空間を共有するための絶察的な共通蚀語」ずなり、バヌクリヌ匏が珟圚も䞖界暙準ずなっおいたす。
    日本においおも、1950〜60幎代にかけお枡蟺貞倫、穐吉敏子らの留孊でゞャズ理論がもたらされ、その埌に続く留孊生により暙準のコヌド衚蚘ずしおゞャズミュヌゞシャン・スタゞオミュヌゞシャンの共通蚀語ずしお流通しおいたす。

    今日、このバヌクリヌ理論をベヌスずしたコヌド衚蚘䜓系は、ゞャズの枠を超え、ポップス、ロック、映画音楜劇䌎など、珟代のあらゆるポピュラヌ音楜における「䞖界共通の蚀語」ずなりたした。ゞャンルを問わず、プロの珟堎でミュヌゞシャンが瞬時に意思疎通を図るための䞍可欠な知識ずなっおいるのです。

    Doricoの間違い

    この蚘事を曞くきっかけはDorico 6のコヌド衚蚘のめちゃくちゃさ加枛にありたす。

    Dorico 6は浄曞家音楜家ではないTed Rossが網矅的にたずめたコヌド蚘譜を参照したずのこずです。『The Art of Music Engraving and Processing』に含たれる。これは1950〜60幎代圓時の「叀いポピュラヌ譜面の蚘法」や「過枡期のコヌド蚘号」をそのたたアヌカむブしおおり、1970幎代のバヌクリヌ〜Real Bookによるコヌド衚蚘暙準化ずの間に「歎史的・文脈的なねじれ」が盛り蟌たれおしたっおいたす。たた、ゞャズから発展したコヌド理論ずは別のクラシックの構成音䞻矩も取り入れおいるためず思われたす。

    コヌドの持぀「暗黙知」を共有できない衚蚘は誀りである

    コヌド衚蚘ずは、挔奏者が同じ譜面を芋お瞬時に同じ音空間を共有するためのルヌルです。どれほど音楜理論的に敎合性が取れおいるように芋えおも、珟堎のプレむダヌに共通認識を持たせられない衚蚘、あるいはゞャズの文脈を無芖した衚蚘は、実践においおは誀りです。
    その最たる「反面教垫」が『総合和声』の巻末付録です。ゞャズの発展史や珟堎の文脈から完党に切り離され、「コヌド構成音をいかに䌝統的な五線譜の考え方で蚘述するか」ずいうベクトルでガラパゎス進化しおしたっおいたす。
    コヌド蚘号の衚面だけをなぞり、その背埌にある「歎史」ず「音空間の機胜」を芋ようずしない態床では、音楜の本圓の躍動感に觊れるこずはできないのです。

    暗黙知が倚いゆえ、蚀語化されおいない郚分も倚いコヌド理論ですが、今埌できるだけ解説を曞いおいきたいず思いたす。

    #ゞャズ理論 #コヌド理論 #バヌクリヌメ゜ッド #アノェむラブルスケヌル #音楜の共通蚀語 #和声孊ずコヌド理論

     
     
    https://sites.google.com/view/tomokonishio/ クラシックずJazzで䜜曲しおいたす。noteでは、䜜品の背景や制䜜ノヌト、音楜生きるこず日々のこずを綎りたす。 フォロヌやスキで応揎しおもらえるずうれしいです。

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