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【ゲームの企画】ゲーム開発未経験の方に送る、AI活用時の利点と注意点

    今は、AIをフル活用すれば、初めてでもゲームが作れる時代になった。マネタイズまでをやろうとすると注意すべきはあるけど、とりあえずリリースまでは一人でも完成とリリースまでできる時代。未経験の方は、本当にどんどん使えばいい。リリースまでやり切ろう。

    個人的な意見ですが、AIを積極的に使うことは推奨派。ただ、初めてAIを活用して作るときほど、気をつけるべき点があり途中で詰まりやすいので、。その詰まり方を、先回りで一つだけ伝えておきたいと思う記事にしている。

    AIは、魔法の杖ではない。自分の"増幅器"。元の信号がゼロなら、どれだけ増幅してもゼロのままだし、高度なものをAIがアウトプットしてきても、それを人間が理解できない状態になる。

    つまり、AIが出してくれるアウトプットの天井は、最終的に「自分側に何を持っているか」で決まりやすくなる。ここを勘違いすると、AIに全部任せたはずなのに、なぜか面白くならないし直せない、という壁にぶつかる。

    実際、自分も日々、企画を考えてはAIと対話して活用している。そこで分かったことがある。AIの出してくるネタが面白くない時は、間違いなく、自分自身が面白くなくなっている時だ。 AIが劣化したわけではない。増幅する元の信号、つまり自分が鈍っているとも言える。

    だから、初めてゲームを作るなら、AIをフル活用しつつも、自分の手で握っておくべきものがある。今回はその企画面で注意すべき3点をご紹介する。

    一つ、あとで直せるドキュメントの整理。
    作り始める前から、AIにドキュメント管理を任せておく。これが後の自分を最も助ける。

    二つ、企画を考える力と言語化力。
    何を面白いと思うか、どう転がすか。ここを丸投げしてはいけない。

    三つ、手触りを決める感覚。
    最後に「これが気持ちいい」と判断してチューニングするのは、結局人間という自分の感覚でしかできない。

    この三つは、AIに預けた瞬間、静かに失われていく。しかも、失ったことに気づきにくい。順番にその理由を書いていく。

    まずは、最初にやっておくと後の自分が一番助かる、「整理」の話から。


    最初の設計で、未来の自分を助けよう

    一番最初に伝えたいのは、ドキュメントとデータの"整理"。

    なぜ最初に言うかというと、ゲームを作る人は必ず「考えては作り直す」を繰り返す。企画が変わる、仕様が変わる、データ構造が変わる。

    それ自体は正常だし、むしろ必要なプロセスだ。ただ、その繰り返しの中で、ドキュメントが散らかっていくのは避けられない。

    最初からAIにドキュメント整理という雑務を担わせておくと、その散らかりを最小限に抑えられる。これを後回しにすると、作り直すたびに自分が過去の仕様書に振り回されることになる。

    自分の経験で言うと、ゲーム開発では仕様を作るのだが、これがすぐに散らかる。どこに何を書いたか忘れる。同じことを複数の箇所に書いてしまい、後から片方だけ直して矛盾する。放っておくと、自分の仕様書に、自分が振り回されるようになる。

    そうならないために、最初に土台のルールを決めておく。完璧でなくていい。暫定でいいから最初に決めて、走りながら更新していく。

    例えば
    一つのことは、一つの場所にだけ書く。
    同じ情報の置き場を二つ作らない。重複は、いつか矛盾のもとになる。

    検索性を高めるルールを決める。
    用語を統一し、書き方の形式を揃える。後で「あれ、どこに書いたっけ」を、検索一発で拾えるようにしておく。

    フォルダ構成・データの置き場所・命名ルールを、暫定でいいから最初に敷く。 そして、後でまとめて直せる状態にしておく。名前や置き場所が一定のルールに従っていれば、仕様が育って作り替えが必要になった時も、一括で変更できる。

    ここを最初にサボると、更新のたびに手作業で探し回ることになる。マジで時間が溶ける。

    これは、AIをフル活用する時代だからこそ、効いてくる。整理されたドキュメントは、自分が探しやすいだけでなく、AIに読ませて相談するときの精度も上げてくれる。

    散らかった情報からは、AIも良い答えを返せない。最初にこの土台を作っておくことが、AIを本当の意味で使いこなすための前提条件になる。

    企画は、AIに丸投げするな

    AIは、相談役としては最高だ。アイデアの壁打ち、たたき台の量産、抜けの洗い出し。企画の"周辺"を回すのに、これほど頼れる相棒はいない。ここは、遠慮なく使えばいい。

    問題は、企画の"中心"まで丸投げした時に起きる。

    企画そのものをAIに預けると、自分が理解できていない範疇で、仕様や設計、ゲームのメカニクスが組み上がっていく。一見、それらしく形になる。動くものすら出てくる。でも、中身を自分で腹落ちさせていないから、後になって効いてくることが多い。

    まず、仕様設計の段階で打開策が打てない。なぜその設計なのか、なぜそのメカニクスなのかを自分で説明できないから、詰まった時に、どこをいじればいいのか分からない。

    次に、「どうすれば面白くなるか」のチューニングで手が止まる。出てきたものを見て、「ここが気持ち悪い」「こうすればもっと面白くなるんじゃないか」と気づく力——これは、自分の中に企画の軸がある人にしか働かない。丸投げした人には、そもそも違和感の"物差し"がない。

    そして何より、企画力が育たない。作るたびに、自分の中には何も積み上がらないままだ。次もまた、AI頼みで、同じ場所に立っている。

    結局のところ、インプットなくして、アウトプットの質は上がらない。 企画を丸投げするというのは、増幅する元の信号を自分で持たないまま、増幅ボタンだけを押しているようなものだ。だから、AIは相談役として使い倒しつつ、企画の中心は自分で握る。初めて作る人ほど、ここだけは死守した方がいい。

    最後の"手触り"は、AIに任せづらい

    ゲームの良し悪しは、最後の"手触り"で決まる。操作したときのテンポ、反応の気持ちよさ、当たった時の感触。言葉にしづらいが、遊べば一発で分かる、あの感覚だ。

    ここは、AIが最も苦手とする領域だと思っている。AIは、速く、大量に、それらしい選択肢を出してくれる。でも、その中から「これが気持ちいい」と選び、細部を詰めていく作業は、最終的に自分の感覚でしか判断できない。

    しかも——AIで量産が速くなるほど、この"選んで詰める人間"の比重は、むしろ上がる。 出てくる量が増えれば、判断の回数も増える。手触りを決める感覚が鈍いと、大量の選択肢を前にして良し悪しを見分けられず、溺れることになる。

    もう少し踏み込むと、こういうことだと思う。ゲームをプレイして「楽しい!」と感じるのは、理屈ではなく感情だ。そして、その感情を揺さぶるためのチューニングは、たぶん、自分の中の引き出しからしか出てこないのではないか。自分がこれまで何に心を動かされてきたか——その蓄積からしか、人の心を動かす調整は生まれない気がしている。だからこそ、最後にその部分だけは自分の手を加えていくと、より良いものになる可能性が高まるのだと思う。

    だから、覚悟しておいた方がいい。どれだけAIに任せても、最後は、自分の感覚で手触りを握り直すことになる。 そして、ここを他人にもAIにも渡せないことが、ものづくりの、たぶん一番面白いところでもある。

    AIをフル活用しろ。ただし、この三つは手放すな

    AIは、増幅器だ。使えば使うほど、力になる。だから、フル活用すればいい。ただ、増幅する元の信号——何を面白いと思うかという企画力と、これが気持ちいいと判断する手触りの感覚——は、自分で持つしかない。

    そして、その増幅を回し続けるための土台——あとで直せる整理——も、自分で最初に仕込むしかない。

    初めてゲームを作るなら、この三つだけは、最初に覚悟しておくといい。あとで直せる整理、企画を考える力、手触りを決める感覚。この三つを自分の手に残しておけば、AIは、あなたの力を何倍にも増幅してくれる。

    逆に、この三つまで手放すと、パワードスーツだけが立派で、中身が追いつかない、上限にすぐぶつかる。私たちも日々アップデートしていきましょう。

     
     
    職場で詰んだと感じている人のための仕事設計術|評価・キャリア・報酬の構造を自分で動かす方法を発信||ゲーム業界26年・100タイトルの現場から。ゲームプロデューサー兼マーケッター|

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