
どうしてあなたのゲームが売れないのか?|〜ノウハウを真似ても、再現しない理由〜
いいものを作った。完成した。ストアに並べた。宣伝もした。それなのに売れない。このとき、たいてい品質の話になります。もっと面白くすればよかった。絵をもう一段上げるべきだった。
が、そこだけではないよね、っていうのはもうX民はみんな気づいています。
先に結論を書くと、あなたのゲームが売れないのは、ゲームを作る一方で、そのゲームへ人が流れ込む道のほうを、十分に作れていないから、という理由が大きいかもしれません。
この記事では、その人の流れを「トラフィック」と呼びます。トラフィックとは、あなたのゲームへ来る人の流れのことです。そしてその流れは、ストアへ置けば勝手に生まれるものではありません。
作るものです。ここを割りと勘違いする人はとても多い。
ただ、この記事で本当に書きたいのは、その先です。「SNSをやればいい」「ノウハウを真似ればいい」で済まない理由です。
手順が無限に手に入る時代に、なぜ同じことをしても、同じ結果にならないのか。 その差はどこで生まれているのかを書きます。
Ⅰ|トラフィックとは、5つの経路
まず、何を作るのかをはっきりさせます。トラフィックを呼び起こすためにやるべきことは何か?ということですし、どういうものかを改めて復習します。
1つ目は、あなたのゲームを知る経路。
そもそも存在を知られていなければ、何も始まりません。
2つ目は、知って興味を持つ経路。
知っているだけでは足りません。「これ、気になるな」と思ってもらう必要があります。
3つ目は、あなたの作品や情報のファンになる経路。
一本のゲームだけでなく、作っている人や、あなたが出す情報そのものに興味を持ってもらう段階です。
4つ目は、購入後に誰かへ伝えたくなる経路。
遊んだ人が、自分から誰かに話したくなるかどうかです。
5つ目は、継続してあなたの作品を購入する経路。
次の作品も買ってもらえるかどうかです。
この5つの経路を作ることが最終形ではありますが、少なくともどれだけいいものを作っても、1、2の経路がない限りは「完成して販売した」で届かないまま終わります。
ゲームの出来と、人が来る仕組みは、別々に作る必要があります。
Ⅱ|挫折が起きているのは、最初の3つ
ここで順番の話をします。
4つ目と5つ目、つまり買ったあとの話が大事だということは、気づいている人が多いと思います。口コミが強いことも、続編を前作のファンが支えることも、よく言われます。
けれど現場で見ていると、挫折しているのは最初の3つのほうが圧倒的に多いです。 知ってもらう。興味を持ってもらう。ファンになってもらう。ここが一番ハードルが高く、ここで止まっている人がほとんどです。
理由ははっきりしています。4つ目と5つ目は、買ってくれた人がいて初めて始まる話だからです。そこまで届いていなければ、口コミも継続購入も、考える機会すらありません。
つまり多くの人は、買ったあとの大切さを知ったうえで、その前の入口で止まっています。 だからこの記事では、1つ目から3つ目、つまり「知る」「気になる」「また見たい」が生まれるまでの話をします。
Ⅲ|「SNSをやったほうがいい」は、誰でも知っている
では、知ってもらうために何をするか。ここで必ず出てくるのが、「SNSをやったほうがいい」という話です。発信しましょう。露出を増やしましょう。コミュニティを作りましょう。
そんなことは、分かっています。
作っている人は、だいたい全員そう言われたことがあります。そして多くの人が、実際にアカウントを作り、投稿もしています。それでも伸びていません。
手順は、もう無限に手に入ります
情報がないわけでもありません。投稿の頻度、時間帯、ハッシュタグ、動画の長さ、最初の三秒、サムネイル。ノウハウは山ほど公開されています。無料で、いくらでも読めます。
いまはAIに聞けば、さらにいくらでも出てきます。 「インディーゲームのSNS運用の型を十個」と頼めば、十個返ってきます。投稿文の案も、企画の案も、数値をまとめることもできます。
つまり、手順が足りないという状態は、もう存在しません。
それでも、同じようにやって、同じ結果にはなりません。ここが本題です。
Ⅳ|しかし同じことをやっても、再現しない
ノウハウを真似ても、再現しない。 これが実際に起きていることです。
私も、自分でやってみて何度もそう思いました。うまくいっている人のやり方を、そのまま真似ても、同じようにはなりません。
手順は結果であって、原因ではない
うまくいった人が語る手順は、その人がやったことの記録です。うまくいった理由そのものではありません。
「毎日投稿しました」「この形式が伸びました」。どれも事実だと思います。ただ、その裏で、本人が無意識にしている判断が抜け落ちています。
なぜその話題を選んだのか。なぜその日は出さなかったのか。どのコメントに返して、どれを広げなかったのか。 そこは、投稿の型だけを見ても分かりません。
状況は常に違う
同じ手順でも、フォロワーの数、作品の種類、時期、競合の状況、すでに見てくれている人との関係が違えば、結果は変わります。
手順には、「どういう状況で有効だったか」が十分に書かれていません。だから、状況が変われば効かなくなります。誰かの成功例を自分の状況へそのまま持ってきても、合わないことがあります。
何を見て、次を決めているかが書かれていない
そして、これがいちばん大きいと思っています。うまくいっている人は、毎回同じことをやっているわけではありません。前回の反応を見て、次を変えています。
どの反応を拾うか。どの反応は一度置くか。誰に返すか。次は同じ話を深くするのか、別の見せ方をするのか。その「見て、変える」部分は、手順書には書き切れません。
では、その「見て、変える」力を私は何だと考えているのか、どうやって鍛えるのか、誰からどのようにフィードバックを受ければよいのかを具体的に書きます。