
使い続けてもらえる「ユーザビリティ」設計が必要 #216
■ ユーザビリティという本質的な評価軸
高品質であっても、ある時点から使われなくなる製品やサービスがあります。
機能に問題がなくても選ばれなくなる背景には、環境変化などによる「必要性」や「使いやすさ」の低下といった評価軸の変化があります。
つまり問題は性能そのものではなく、「ユーザビリティ」が影響してきます。
「ユーザビリティ」とは、特定の利用状況において、特定の顧客が目的を達成する際の「有効さ」「効率」「満足度」を指します。
重要なのは機能そのものではなく、
顧客が迷わず、無駄なく、確実に目的を達成できるかどうかという点です。
企業の価値そのものも、スペックではなく「達成体験」によって評価される時代です。
■ 意義は環境とともに変化する
規律や標準化による安定した品質や一貫した手順は、利用者にとっての安心につながります。
再現性のある仕組みは、初期の使いやすさを成立させる重要な要素でもあります。
このガバナンスにも通じる「型を守る力」は、組織としての信頼の基盤でもあります。
しかしながら、環境が変化する以上、守るだけでは社会や顧客から受け入れてもらえません。
例えば、同じ製品であっても、以下の変化によって評価は変わります。
• 業務プロセスの変化
• 技術環境の変化
• 利用者の経験値の変化
• 期待値の上昇
つまり一度「使いやすい」と評価されたものも、環境変化によって意義を失う可能性があるということです。
なぜなら、利用者の状況が変わる限り、「最適な使い方」も変化するからです。
ここで重要になるのは、
利用者の課題や使われ方を継続的に捉え直す力です。
■ 継続的な改善という発想
製品やサービスは「一度作って終わり」ではありません。
• どう使われているのか
• どこでつまずいているのか
• 何が非効率になっているのか
これらを継続的に観察し、設計に反映することで初めて価値は維持されます。
企業活動とは、こうした改善の連続そのものでもあります。
当社は1947年の創業以来、配管接続用のジョイントの製造・販売を行ってきました。
また、ジョイントを接続する際に必要となる専用工具も開発・販売しております。
専用工具において重要なのは、性能そのものだけではありません。
特に決して安価なものではないので、顧客負担を減らすための設計努力をしています。
• 使いやすさ
• 低価格販売
• 故障しにくい
また、機械ですので、どうしても故障は避けられません。
そこで、修理費用の顧客負担を抑えるために、社内にメンテナンスセンターを設置しています。
また、ご要請によっては、出張メンテナンス会も開催しています。
重要なのは、「使い続けても負担が増えない構造」です。
製品の価値は、販売時点で完結しません。
使用後に発生する課題にどれだけ対応できるかも含めて、評価は成立します。
そのため修理対応やメンテナンス体制は、単なる付帯サービスではなく、価値を維持するための仕組みでもあります。
■ 企業とは「使われ方」を更新し続ける存在
企業の本質は、製品やサービスを提供することそのものではなく、
利用者の目的達成のあり方を継続的に更新し続けることにあります。
そのためには、規律による安定性と、変化する環境への柔軟な対応の両立が不可欠です。
価値とは固定されたものではなく、
社会や顧客との関係の中で更新され続けるものだと考えています。